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学生・新人のための症例報告書(レジュメ)の書き方-その2-

こんにちは

学生・新人のための症例報告書(以下、レジュメ)の書き方について、私が日常の学生指導の中で伝えていることをまとめています。

前回の記事では、全体の構成や症例紹介についてまとめましたので、この記事では理学療法評価についてまとめてみたいと思います。

学生や新人さんは脳卒中を対象とした場合(特に学生)、形式的な理学療法評価を挙げることが多いです。

関節可動域、運動麻痺(Brunnstrome stageなど)、筋力(Manual Muscle Test: MMT)、筋緊張(modified Ashworth scaleなど)、バランス能力(Functional Reach Test: FRT、Berg Balance Scale: BBSなど)、姿勢観察、動作関節、日常生活活動動作(Activities of Daily Living: ADL)などを挙げてくれることが多いです。

もちろん間違えではありません。

臨床実習の到達目標として、「ある程度の助言・指導のもとに、基本的理学療法を遂行できる」とされていますので、一般的な項目を挙げることも重要です。

しかし、これでは「病気の一側面」しか見れていないことになります。

私も学生時代に養成校の先生から「病気ではなく、患者を見なさい」と言われたのを覚えています。当時はどういうことかわかりませんでしたが、臨床現場に身を置くとその意味がよくわかりました。

私達、理学療法士は「脳卒中」を診るわけではありません。

「患者」を診るのです。
ここが重要なポイントです。

患者にはそれぞれ、歩んできた人生があります。
転んで骨折してしまったかも知れませんし、関節症を呈しているかも知れません。
何かしら心臓疾患を有しているかも知れません。

その場合、整形外科的な評価も必要かも知れませんし、
心機能の評価も必要かも知れません。

実際、臨床にでると超高齢社会のため、併存疾患を複数有している症例がほとんどです。つまり、脳血管外科に所属していても循環器疾患の評価が必要になるということです。

以上のことから、既往歴(併存疾患)を含めた理学療法評価を組み立てていきましょう。

次の記事では、実際の症状別にみた理学療法評価例をまとめてみたいと思います。

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