見出し画像

理学療法士の僕が野球の指導を社会貢献だと考えている理由

大層なタイトルがついていますが、今回は理学療法士である僕が野球(スポーツ)の指導をやらなければいけない!!と思った理由と指導を続けることで社会にどんないいことが起きると期待しているのかをお話しできればと思います。

なるべく簡単に説明できればと思いますが、あまり砕きすぎると伝えたい事が伝わらない可能性があるのでそれなりの難しさにはなってしまうかと思います。
先に謝っておくのでどうかお許しを…


では、早速本題に入っていきましょう!



日々感じる不安



僕は日々の臨床の中で日本のこれからをかなり不安視するようになりました。

僕が勤務しているのは整形外科クリニックです。
地域の高齢者も来ますし、事故や労災で来られる現役世代も小中高校生も来ます。

幅広い年代の患者さんと接する中で、かなりバイアスも掛かっていますし必ずしもそうとは言い切れませんが次のような傾向は少なからずあるかな?と感じています。

高齢者→骨の変形や筋肉の衰えはあるけれど趣味があったり体がしんどいとは言いながらも仕事をしている人が多く年齢の割に若い。

現役世代→事故や労災の方も含めて結構身体が悪い人も一定数いる。姿勢の乱れや食生活の乱れ、運動習慣の不足などなどちょっと問題ありな人もいる。

学生世代→競技スポーツをしている子が多い。競技動作以前に基本的な運動の能力が低い。姿勢不良が目立つ。

こんな人たちと接する中で、こんなこと言ったら怒られるのはわかっているのですが、この学生世代が今後大人になって、現役世代になって社会を担うようになった時に健康状態は大丈夫なのか???と、とっっても不安なんです。


ロコモーティブシンドローム



さて、みなさんはロコモーティブシンドローム(ロコモ)という言葉を聞いたことはありますか?

ロコモティブシンドローム(ロコモ:運動器症候群)は、加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気、骨粗しょう症などにより運動器の機能が衰えて、要介護や寝たきりになってしまったり、そのリスクの高い状態を表す言葉です。(日本整形外科学会より)

少し言い換えると、
「自分で歩いて、身の回りのことをやって健康で文化的な生活を送れない状態またはそうなってしまう危険度が高い状態がロコモーティブシンドロームです。」

僕の肌感覚では今の高齢者の多くは身体に多少の不調があっても趣味があったり、仕事を続けていたり、コミュニティに参加していたりとロコモになりにくい属性の人が多いのかな?と感じています。

一方で、これから高齢者へと突入していく世代(現役世代の後半の方々)は今の高齢者と比べるとロコモになりやすいと感じています。
現時点では何とも言えませんが、現役世代の後半の方々よりも中盤の人、前半の人のほうが将来的にロコモになる可能性は高いのではないかな?と思います。

インターネットが当たり前の世代なので現実世界でのコミュニティが無かったり、趣味もオンライン上で完結していたりが当たり前。生活コストが高くなっているのでお金を稼ぐための労働に割く時間が長い。運動習慣がない。あげていくと理由はたくさん出てきますね。

今この記事を読んでいるあなたには出来ることなら将来ロコモにならないような活動を今から始めて欲しいです。

こどもロコモ


ここまで、ロコモについてお話ししてきましたが、僕が1番危惧しているのがこどもロコモです。

明確な基礎疾患のない子どもの運動器機能異常を「子どもロコモ」と呼ぶらしいのですが、分かりにくいので具体例を挙げていきます。

・しゃがみ込みができない(和式トイレが使えない)
・ボールが投げられない
・倒立ができない
・片脚で立てない
・手をまっすぐあげられない
・前転、後転ができない

流石にそれは…
と思うでしょうが、現実にこんな子どもが増えています
スポーツをしている子どもですらです。

埼玉県が入学時、小学5年生、中学生を対象に運動器検診を行い、特に基本動作である、①片脚立ち左右5秒間ずつ ②肩を180度挙上 ③しゃがみ込み④体前屈についてチェックしました。このうち一つでもできないものを不可とすると、約4割の子どもが何らかの運動器機能不全を有していることになり、運動器機能調整力不足の状態にあるという結果になりました。

4割ですよ。
小学生、中学生の段階で既に4割がロコモ
これはとてつもなく大きな社会問題だと思いませんか?

20年後、30年後この日本を支えるはずの学生の4割が既にロコモ(今後増える可能性あり)現在、支えている側の人たち(現役世代)は自分たちよりも人数が少なく、かつ、4割がロコモの世代に支えてもらうんですよ?

大丈夫ですか?
僕はこれ大丈夫だと1ミリも思えないんです。

社会が動け


本来なら、こんな大きな社会問題は国が予算を出して解決しなければいけません。

先ほどは将来支えて貰えないかもよ?という表現をしましたが、
ロコモ→運動器に問題あり→病院に罹っている状態
こんな状態の人が現役世代の4割なので、社会全体で稼ぐ事ができるお金も少なくなります。
今の税率だと税収が下がります。
税収が下がるのは財務省が黙っていないので増税します。
賃金は上がりません
無理して働きます。
身体を壊します。
最悪の場合、このループになりますよね。
しかも、ですよ。
日本には素晴らしい国民皆保険制度がありますので、医療費の個人負担は3割です。
7割は社会保障費から出ますね。
なので、身体を壊して病院に罹る人が増えるということは経済成長の停滞+増税+社会保障費の増大の原因になる可能性があると言えます。

それなのに、未だに国は動きません
もう20年後、30年後に迫っているんです。
流石にそろそろ手を打たないとまずいです。

社会のために


理学療法士である僕が野球の指導をする理由
勘のいい人は何となく見えてきたんじゃないでしょうか?

いろいろと目標ややりたいことはありますが、理学療法士として野球を通して子どもたちの身体機能を向上させる(競技技術の向上ではない)ことで"こどものロコモ"を少しでも減らし、将来の元気な現役世代を増やして活気ある元気な社会に近づけたいんですよね。

そんなの無理だよ。
それはお前がやることなのか?
とかいろいろ意見はあると思います。

無理だからやらない。誰かがやる。
そんなことを言って後回しにしていい問題じゃ無いと考えています。

社会から見たら超超超微力だとは思いますが、同じような考えを持っている人やこのような発信を通して共感をしてくれた人、ゆくゆくは自治体なんかも巻き込んで大きな流れを作れたらなんて期待しながら発信と活動とを続けていこうと思います。

少しでも僕の考えに賛同していただけたら嬉しいです。
それでは、また、


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?