見出し画像

社会人26歳でセブ留学した話。準備や現地で得たもの、留学を迷っている人へ

留学先の一つとして、近年ではすっかり定着したフィリピン・セブ。欧米に比べて価格を抑えながらも質の良い留学ができると、年々学生・社会人の留学生が増えています。

約2年前ではありますが、私は社会人4年目で仕事を辞めてフィリピン・セブへ英語を学ぶため、2ヶ月間の語学留学をしてきました。その留学前の準備や退職、そしてセブで経験したことについてお話しします。社会人でこれから留学をしようか迷っている方や、セブを行き先の候補として考えている方の参考になればうれしいです。

留学の基本情報

▽留学先:フィリピン・セブ 
▽留学当時年齢:26歳 
▽留学形態:語学留学
▽留学期間:2016年7月〜2016年9月(2ヶ月間)
▽留学時の滞在方法:学生寮(2人部屋)
▽学校名:Cebu International Academy(CIA)

留学しようと思った理由と経緯

大学3年生のときのカナダ留学をきっかけに、英語をネイティブと同じくらい話せるようになりたい!と思い、社会人になったらまたどこかへ留学したいと考えていました。しかし、順調に貯金ができず、なかなか目標額まで達することなく悶々とした時間が過ぎていきました。そして悩みに悩んだ結果、「お金が貯まるのを待っていたら、いつまでたっても行けないかも」と思い立ち、社会人4年目になりたての4月、会社に退職の意思を伝えて有り金をはたいてセブへ留学しました。

セブを留学先に選んだ理由

完全に「費用が安いから」という理由でした。セブ留学が波に乗っている時期だからというのは自分の意識の中には全くなく、むしろ欧米圏が好きで、オーストラリアにしようとまで決めかけていました。しかし目標額に達していない金額での留学であるのは理解していたので、限られた予算でできるだけ長く滞在するというのを第一に考えた時に、自然と行き先がセブになりました。

セブ留学2ヶ月間のざっくりした過ごし方

▽平日は授業、週末は旅行を楽しむ

平日は8:00〜18:00まで、2コマの自習時間を含む1日10コマの授業を受けながら英語漬けの日々を送っていました。授業後は学校主催のイベントに参加したり、友達とごはんを食べに行ったり、気分転換にカフェで勉強したり。週末はセブの観光地へ出かけたり、セブ市内に買い物に行くなどして2ヶ月を過ごしました。

▽せっかくなら!と少し変わったことにもトライ

ただせっかくセブまで来たならここでしかできないことをしたいと思い、株式会社LIGさんの「iioffice CEBU」で社員の方にお話を伺ったり、学校以外の人とも交流したいと思ってMeetupを探して参加したりもしました。学校主催のボランティア活動で孤児院への訪問をしたことも、自分の視野を広げてくれる貴重な経験になりました。

費用のこと

▽学費はいくら?

エージェントに払ったのが、諸経費込みの約38万円(税込)でした。この中には、語学学校での授業料、テキスト代、学生寮滞在費(光熱費、学食代、洗濯代など)が含まれていました。航空券代は別で、自分で手配しました(往復で約7万円)。

▽セブの物価は安い?

物価はさすが東南アジアといった感じで、とても安い印象でした。最安で500mlのペットボトルの水は6ペソ(15円くらい)で、現地の人は小さめのビニール袋に水を入れられる自販機で3ペソ(8円くらい)で水を買っていました。他にも服なども安くてつい買ってしまい、意外とお金を使ってしまっていたぐらい、物価の安さは感じました。

留学してよかったこと

↑満潮時には島全体が海に覆われてしまうカランガマン島

▽流れに任せることで、自分だけでは行けないところまで行ける

私はもともと「こうと決めたらこう!」が口癖の頑固なタイプでしたが、セブ留学を経験したことで、「周りの意見に流されてみる」というしなやかさを身につけることができました。

そうなれたのは、日本と比べて似ている人同士で集まることが難しく、いろいろな年齢や学生、社会人、職業、性格、国籍の人が集まる環境だからだと思います。もちろん、本来であれば自分が選ばない選択肢をあえて選ぶということなので、ストレスを感じないわけではありませんでした。ただそれによって、本来の自分の力だけでは行けないところまで連れて行ってもらえる、ということが起こります。

具体的なエピソードの一つとして、もともと受講しているコースよりレベルが上のコースの授業を体験で受けた時のこと。一気に難しくなって全くついていけず、「悔しいけど、やっぱりコースそのままにしようかな…...」と、日本で普通に過ごしていたら絶対に友達になることはない、金髪のヤンキーじみた友達に相談してみました笑 

すると「いや大丈夫じゃない?最初だけだし、体験だけじゃなくてちゃんとそのコース受ければいいじゃん」と言われました。迷いながらも思い切って流されてみた結果、英語力が伸びるスピードは早くなり、コースが変わったことで交友関係も広がって、それまでよりもさらに充実した時間を過ごすことができました。

▽フィリピンの新たな魅力を知れたこと

フィリピンに行く前までは、正直なところ「海外なら絶対欧米に行くべき」と思っていました。

現地の口に合わない食事、ちょっと気になる衛生面、明るくも適当な人たち......こういった今までだったら「絶対ムリ!」と思っていたことに対しての耐性ができたことは、自分にとってとても大きな経験になりました。フィリピンに行ってからは、行けないと思っていた他の東南アジアの国にも行ってみたいと思えるようになり、今後の目標や楽しみが一気に増えました。

また、想像していた以上のフィリピンの魅力を体感できたことも何より心を動かされた経験でした。日本人にはない底抜けの明るさや、人目を気にしないポジティブさ、ズンバの文化(音楽に合わせて踊る国民的エクササイズ。めちゃくちゃ楽しい)、海だけではないフィリピンの自然の迫力など、実際に現地に行かなければ知りえなかったことばかりでした。

本当に文字通り、行ってよかったです。苦手だったものを好きになれるのってすごく楽しくて、関連性はよくわかりませんが、なんなら自信がついた気がします。

そうなの?セブ生活で気をつけたいこと

▽トイレットペーパーの持参は必須

学校内のトイレはもちろん、ショッピングセンターや観光地など、基本的にトイレットペーパーの設置はありません。そのため、スーパーで買って、常に自分で持ち歩くことは必須でした。ちなみに渡航初日、練習用にと入学オリエンテーション時に学校から1ロール支給されました笑

▽セブの水道水は飲めない

セブでは衛生的な整備がまだ十分に整っていないため、水道水は飲めません。そのため飲み水は学校に設置されているウォーターサーバーを利用したり、スーパーで買ってストックしたりしていました。最初は少し困惑しましたが、すぐに慣れるのであまり心配はしなくて大丈夫です。

▽とにかくWi-fiがつながりにくい

セブではインターネット回線の普及がまだ日本ほどは進んでいないのが現状。カフェや学校内のWi-fiスポットで比較的つながりやすいと言われている場所でも、つながりにくいと感じることはたくさんありました。ただ、現地のSIMカードを買うこと、混雑していない場所・時間帯に接続を試すことなどで解決する方法もあります。あとは、諦めて勉強に集中するというのも一つの逃げ道です笑

これから留学する人へ伝えたいこと

↑帰るのが寂しいと思いながら乗った帰りの飛行機

▽退職のタイミング

社会人の方だと、退職のタイミングはボーナスをもらったあとになる場合が多いかと思います。もし夏のボーナス直後に退職して行く場合、7〜9月の学生さんの夏休みと重なって、学校では1年で特に生徒数が多くなります。

それによって、グループ授業の人数が多くなったり、学食や自習室が混雑したり、学内が賑やかになったり…...ということがあります。ただその分出会える人の数も多くなるのは楽しいです。落ち着いた環境の中で英語に集中したいという方には、夏休みや冬休みの時期を避けた方がよいかもしれません。

▽航空券購入のタイミング

退職のタイミングの話にも通じますが、繁忙期と重なると航空券の値段も倍以上に高くなります。冷静に考えると当たり前なのですが、仕事を辞めることや資金繰りなどのことで頭がいっぱいで、私はこのシンプルな事実を完全に忘れていました。

セブなら往復3〜4万円ぐらいでチケット買えるよと聞いて安心していたのですが、実際は約7万円代と想定していた額の倍近く払うことになってしまいました。時期の融通さえ効けば一番節約しやすいところだと思うので、うまく利用していただきたいところです。

▽今思えば、休職もありだったかも?

私の場合は、休職して仕事を辞めずにセブへ行くことを選択してもよかったかなあ…...と考えることはたまにあります。休職の許可自体は会社から出ていたので、それを利用して留学していたら、帰国後のお金の不安はもっと少なくできたのかなと思うことも少しあります。

ただ、それに甘えてダラダラ仕事を続けて、いやな仕事を辞めるタイミングを失っていたかも知れないと思うと、行く前にきっぱり辞めてしまってよかったなと、今は概ね納得できています。休職しつつ留学して、帰国後に強い意志を持って転職活動できれば一番いいですね笑

セブ留学を迷っている方へ

「迷っているならすぐにでも行った方がいい!」というアドバイスはよく聞きますが、それでも仕事や留学中のこと、また帰国後のことなどを考えると、どうなるかわからないことだらけでなかなか決められないと思います。私も長い時間悩んだ末に行くことにしましたが、そのあたりを全部ひっくるめて「行ってよかった!!」と心の底から本当に思います。

もちろんさまざまな障壁はありましたし、2ヶ月で伸びる英語力もたかが知れているから行く必要がないのでは?と言われれば、それも一理あるでしょう。ただ私は「留学は英語を勉強するためのもの」だけではなく、その国でしかできない経験をしたり、留学先でしか出会えなかったであろう人たちと友達になったりなど、むしろ「英語以外」で得るものの方が多いと思っています。

その点私の場合、「世界一周って憧れるけど自分には無理だなあ…...」と思っていたのが、セブ留学の後に世界一周するという友達に出会ったことで「え、友達がするなら私にもできるかも!」と感じ、時期は未定ですが世界一周に行くことが新たな目標の一つになりました。

結局、セブに行って後悔はなかった!

↑学校主催ボランティア参加時に、孤児院の子どもたちと。カメラが大好き

私はもともと欧米圏が好きで、東南アジアの魅力を知識でしか知りませんでした。そんな私が初めてのアジアであるフィリピン・セブを留学先に選ぶことは簡単なことではなく、自分のお金で行くと言っているにも関わらず、両親には「こっちがお金を出すからとにかく欧米に行って欲しい」とまで言われるほど、家族の理解を得るのも一筋縄ではいきませんでした。

それでも、自分に対しても半ば強引にセブに行ったことで、その反動の分、視野はめちゃくちゃ広がり、思考も深まり、なによりフィリピンを好きになれたことが、自分にとっては人生の中で価値観が変わるほどの大きな経験になりました。私のように、東南アジアにあまり興味のない方にこそ、うっかりでもいいので行って欲しいです。

留学はお金も時間もかかるので、簡単にできることではありません。ただその分、ゴムを強く引っ張った分だけ大きく弾かれるように、簡単にはできないからこそ、得られるものは想像以上に大きく有意義です。今留学を迷っている方には、小さくても一歩を踏み出してほしいです。そうすれば転ばないようにと、二歩目、三歩目は自然と出てきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?