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就職は「縁」っていうけど、(転職編)

「就職は結婚に似ている」「結局は能力よりも、縁だ」という言葉は就職活動を経験したことのある人であれば必ず耳にしていると思います。私も初めての就職活動の時はいろんな人から何度も聞きました。

そして約4年お世話になった会社を辞めて転職活動をした際にも、この言葉を思い出しながら転職活動を進めていました。

結婚に似ているとは言うものの、何人にも「今度ごはん行きませんか、結婚前提で」という趣旨のメールを送り、いいよと言ってくれた人達の中からさらにまた会ってくれる人たちにさらなるプロポーズを重ね、最終的にこちらこそよろしくお願いしますとOKをくれた人と結婚するのはなんかだかなあ...

というくだらないことを考えながらも、転職活動を進める中でお世話になった方に、「応募する会社をしぼる人はうまくいく人が少ないから、とりあえず少しでも興味持ったらエントリーしてみな」と言われたこともあり、いろいろな会社に「ごはん行きましょう、結婚前提で」という感じで何社かエントリーしました。

一度、学生時代に就活を経験していたこともあり、なんとなく流れは理解していましたが、やはりすぐには決まらない。就きたい会社からは見送られる、行きたくもない会社の志望動機なんて考えられるか、なんてことはやはり転職も同じように感じていました。

自分のことは自分が一番知っているはずなのに、なんでこんなに自分をアピールするのって難しいんだろう。ベタですが、そんなことばかり考えていました。

それと同時に「結局は能力よりも、縁」というのなら、もっと人柄や性格を見て欲しい、スキルなんて入社してからいくらでも勉強できるし。と思うようになり、そういった部分にフォーカスした採用をおこなっている会社はないかと、転職先を探しました。

すると、今風の採用スタイルというか、従来の採用方法ではなく型にはまらない形で採用をしています、といった雰囲気の企業を見つけました。

書類選考一切なし、決まった選考フローなし。面接というよりも雑談のような雰囲気でざっくばらんに話して応募者の方だけでなく会社側のこともお互い理解し合いましょうという、なんとも現代的で理想的な響き。

正直、業種自体はあまり興味のあるところではありませんでしたが、こんなに素敵な価値観の会社を見つけられたんだから業種なんて関係ない、やってれば興味は湧くだろうと思い、すかさず応募しました。

実際に選考へ進む前に社員の方とお話できる時間を設けていただくことができ、色々な業務に携わる方とお話しましたが、話を聞けば聞くほどその会社が唯一無二で、「こんなに魅力的な会社は他にない!」と断言できるほど、その会社に惹かれてしまうのでした。


そして後日、初回の選考ということで面接に参加。今までに経験したことがない程とてもカジュアルでした。質問の9.5割が雑談で、それこそ私がこんな選考をして欲しいと願っていた、「人柄を見る」ことにフォーカスした選考でした。
最後の方に前職のことを聞かれる以外は、休日の過ごし方や、海外だとどこが好き?という質問などで、むしろ向こうから一問一答というより本当に話の流れに沿って自然に話題が移り、その中で気になったことがあれば質問し合う、といった感じでした。面接前の私の緊張感はどこへやら。

選考だということを完全に忘れ、完全にリラックスし、終始温和な雰囲気の中で思ったことを包み隠さず話した結果、見事に採用を見送られました

連絡をもらった時は、「え?めっちゃ雰囲気良かったじゃん。。。」と思いましたが、思い返せば本当にいらないことまで、友達に話すように本音で話してしまったので、いつもなら笑い話になったであろう少しネガティブな感じで話してしまう癖も見事に発揮してしまいました。

あとで知りましたが、転職活動ではカジュアル面談というものを実施する企業があり、内定後であれば条件等の話し合いが主で、なにより内定が決まっているので比較的リラックスして話せる(その上、応募者側がやや優位)ようですが、注意したいのは内定前のカジュアル面談
調べてみると、「その場の雰囲気に飲まれてリラックスして話してしまい、面接で話すべきではない本音まで話してしまったりする可能性もあるので注意」といった形で書いてありました。

しかしそこまではまだよかったのです。私がこの面接を通して強く感じたのは「人柄にフォーカスするからこそ難しい」ということです。

「スキルや過去の実績に自信がないから、人柄をもっと見て!」と願ったものの、それこそすり合わせができないというか、面接官に「合わないな」と思われてしまえば、終わりなのだと。

例えば、仕事中に同僚や上司と話している時でも、ほんのちょっとした価値観が合わなかったりすると、割と簡単に「あ、この人合わないかも」なんて思ってしまうことは、よくあることかと思います。
反対に、また別の日にちょっとした好みや習慣が一緒だったりすると「あ、意外と合うかも!」となんて思ってしまうこともあるので、人って本当に気まぐれだなあなんて思ってしまいます(私だけかもしれませんが)。

今回の面接の場合は、休日の過ごし方について質問された際に「本を読みます」と答えたあと、さらに「どんな本を読みますか?」と続いて聞かれた時のこと。「自己啓発本ばかり読んでしまいます」と答えたことが、おそらく事の発端だったように思います。

それに対し面接官の方は「あーそうなんだ。私小説しか読まないんだよね」。そこにうまく機転を利かせて「小説も読みます!」と答えてしまったらカジュアル面談の意味がないというか、そもそも嘘になってしまうし、小説好きの相手にそこを掘り下げられたら絶対にボロが出てしまうし。なので話を合わせることもできず、少し場のテンションが下がってしまった気がしました。

またそのあとの質問で、最近見た映画を聞かれた時に「君の名は。」と答えたのですが、続いて「それ見て泣いた?」という質問に対して「いや〜私が見たのが公開してから結構時間が経ったあとで、話題になってからやっと見たのでちょっとネタバレ感があって、あ、これがあれか!みたいになったので泣かなかったですね」と私。
それに対し、「私、夫婦でぼろ泣きしちゃった」と面接官。これはだめだったな、と見送りの連絡をもらった時にすぐに思い浮かんだ情景でした。ああ、絶対これだなと。

なんだかこうして書いていたら、結局「縁」ではなくて「機転の良さ」ではないかと思い始めてきました。もし私がもっと機転のきく人なら、「やばい!」と思ったとしても、うまい切り返しでミスをフォローできたんじゃないかとか、うまい言い訳ができたんじゃないかと思いました。

とはいえやはりいくらスキルや機転の良さなどがあっても会社は人の集合体なので人がよくないと一緒に働きたくないですもんね。なので私の提案として「就職は能力よりも、縁。あと機転の良さ」がいいんじゃないかと思います。就職というより、面接の話になってしまいましたが^^;

最近はいろいろな求人媒体がありますが、入社前のミスマッチができるだけない、お互いがより納得した就職ができるようになっていくといいなと思いました。






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