プエルタ・アンティグア

これという専門が定まっていない気候科学研究者。 良く言えば守備範囲が広い、悪く言えば深…

プエルタ・アンティグア

これという専門が定まっていない気候科学研究者。 良く言えば守備範囲が広い、悪く言えば深掘りできない。 随筆の真似事で、これまでのことや日々のことを徒然なるままに。

最近の記事

スペインからノルウェーに戻る、鉄道で-3日目-

スペインから始まりフランスを通って3カ国目のドイツ・カールスルーへで1泊し、明けた翌日はドイツ国内を北欧に向かって北上する、だけでは面白くないのでここでも少し正攻法から逸脱することになる。 カールスルーへからデンマークに向かうにはおそらくそのまま北上し、フランクフルト〜ハンブルクを通ってデンマーク国境を越えるのが定石かもしれないが、カールスルーへから向かう最初の目的地はドイツの首都・ベルリン。下の地図を見ていただけたらわかるように、ベルリンはカールスルーへからデンマークへの

    • スペインからノルウェーに戻る、鉄道で -2日目-

      初日はiryo、TGVと乗り継いでスペインから国境を越えてフランス南部の街・モンペリエで1泊し、この日はさらにフランスの国境を越えることになる。 フランスの国境を北に向かって越える経路は数多くあり、計画を練っている時からどれにしようか最も悩んだ。正攻法で行くなら国際列車が頻発しているパリまで出て、そこからベルギー・オランダに抜けるのが最も簡単に見える。が、ベルギー〜オランダ間は昨年仕事で通ってしまっているので特に目新しさがない。それならいっそマルセイユ・ニースからイタリアに

      • スペインからノルウェーに戻る、鉄道で -1日目-

        去る今年の6月初旬、出張先のスペイン・マドリードからノルウェー・ベルゲンまで鉄道で戻るという同僚の誰もが挑戦しようとも露ほどにも思わない旅程を組んでみた。特に途中に立ち寄りたい街や観光名所があるわけでもなく、車窓からの流れゆく景色を見る時間にお金を払うだけの旅。 欧州の鉄道に乗る際には我々異邦人の味方ユーレイルパスなるものがあるが、今回は確実に席を確保するべく各乗り継ぎ区間で各鉄道会社の正規の切符を買うことにした。火曜日の朝にマドリードを発ち、ベルゲンには土曜日の早朝に到着

        • 4年ぶりの帰国1

          コロナと戦争に翻弄された4年間の沈黙を破って、家族で7月の3週間ほど日本で休暇を過ごしてきた。今回は4年ぶりの帰国について書いてみたいと思う。 気になる飛行機代・航路 近年の物価上昇や不安定な情勢が追い風となって(家計にとっては向かい風)、飛行機代が離陸直後の飛行機の如く上昇しているというのを方々で聞いていたが、今回の飛行機代は3人家族で往復42000ノルウェー・クローナ(1NOK=13-14JPY)。覚悟はしていたがまさか4年前の2倍もするとは。 今回乗ったのはフィン

        スペインからノルウェーに戻る、鉄道で-3日目-

          研究論文について

          最近6年ほどとある事情によって糠漬けになっていた研究結果が論文として糠床の底から日の目を見る運びになった。 そこで研究論文とは一体全体どのようなものなのか、研究者が日々追い求めいている酔狂な側面をお届けしようかと思う。 論文の定義 論文とは堅苦しく言わせてもらうと、客観的なデータ解析に基づいた新しい学問的知見について記述したものである。 要は余計なことを考えず、思い込みを捨ててデータで遊んでみたら、何か誰も見つけてないことが分かったっぽいので書きまとめた文章と思っていた

          すべての理想が詰まった夏季休暇

          誰に聞かれずともこれまで一番心に残った旅行先はどこ?と挙げるとすればそれは満場一致でスペイン・マヨルカ島。 誰もが一度は憧れたことのあるであろう地中海西部に浮かぶ島で、特にドイツ・イギリス・北欧の人々が太陽を求めて夏季休暇に訪れるスペイン有数の碧い海と白い砂浜に囲まれたヨーロッパでも指折りのリゾート地。一応新婚旅行という名目ではあったが、婚姻届を役所に出してから1年以上経っていたので北欧の人たちと同じようないわゆる夏季休暇の感覚で1週間、アルクディアという島の北部の小さな街

          すべての理想が詰まった夏季休暇

          自分はよく道を聞かれる

          理由はよくわかないが、自分は道を聞かれることが多いように思う。 どこからどう見ても東京の喧騒に慣れている様子もない田舎者であるにもかかわらず、東京駅構内で30分以内に2度関西からの旅行者と思しき方に「○○線はどこですか?」と聞かれた。東京駅の時刻表の全てが頭に入っていそうな顔でもしながら歩いていたのだろうか。 さらに海外で聞かれることの方が多い。 360度どの方向からもその街に溶け込んでいない東洋人にしか見えないにもかかわらず、道や場所を聞かれる。ヘッドホンをしていようが聴

          自分はよく道を聞かれる

          自己紹介3: 研究者としての熟成期間開始

          精魂尽き果てたつつあった博士課程を何とか修了したはいいが、その後どうするのかは現在も日本国内では大きな問題である。博士課程在学中に一般企業とは別に2カ所の国内研究機関の公募に出してみたが、ふるいの目にかかることなくスッと通過する。 その内一つの機関からは博士論文の予備審査(ほぼこの審査で学位取得の合否が決まる)の直前に門前払いメールが封書で届き、クリーニング屋に出したと言わんばかりに脳のシワが綺麗さっぱりなくなった状態で審査に臨んだ記憶がある。 しかしその予備審査直後に思

          自己紹介3: 研究者としての熟成期間開始

          自己紹介2: 研究者人生の萌芽

          前回は大学卒業までについて要所要所出来事を思い出しながら書きまとめたので、今回は今の職業に直結している大学院時代の苦闘ぶりについて紹介させていただこうと思う。 大学院期〜雪に埋もれた20代 学部の研究室では気象学を諦め、修士課程から学び直せるところを選んだ結果、試される大地の大学院へ進学。 最初の半年は講義が主体で気象学・海洋物理学などの学部時代に少し齧った程度の分野を基礎から学び、漠然とではあるがこういった研究がしたいと考えられるようになってくる。 半年後に研究室配属を

          自己紹介2: 研究者人生の萌芽

          自己紹介: 5分でわかる履歴書と15分かかる足跡

          自己紹介文は140文字と制限されているので、もう少し細かい履歴書とこれまでの軌跡を書くことでnoteへの歩み出しとしよう。 職業: 気候学者 出身地: 愛知県 (出生は福岡県) 現住所: ノルウェー 趣味: 相手に接触の少ない球技、料理、語学、母岩から晶出した鉱物原石を眺める、鉄道旅行、図工の成績が2でもできるジオラマ製作 映画: L.A.コンフィデンシャル、ニューオーリンズ・トライアル、アメージングスパイダーマン、マッチ・スティック・メン 好物: ブリ、豆腐、イカリング、

          自己紹介: 5分でわかる履歴書と15分かかる足跡