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海の血管に触れて

函館山、ロープウェイで登って景色を一望した

街は夜のライトアップで色めくそうだが僕にとって日が落ちる前の風景はとても心地よかった


さっきまでいた場所があんなに小さく眼球のレンズに街が収まってしまうのだ。


海は広く青いものだとそう思っていたが

こうして上から眺めてみると血管が走っている

脈打つように日本という国を乗せている


大きな海も脈を打っている

函館は途切れることなく広がった空の一部だというのに、あまりにも空が広く果てない。


半球体のガラス玉のようにすら思える。



北海道へ向かう当日の朝。

悪夢ともフラッシュバックともパニックとも表現できない状態になった


その時は意識が混濁していて今すぐ入院しないと死ぬ。言葉を発すると死ぬ。起きたとしても覆ることなくここで命が終わると悟った。


抜け出すまで起きてから3時間は要した。

ずっと目が空(うつろ)なままで淡々と準備をした


自分が自分でない可能性を容易に考えてしまったのだ。



夢は夢であり、あるいは意識障害のようなものだと思うが、あまりの恐怖に主治医に連絡をした


先生からおそらくせん妄の一種、自我障害だろう、とのこと。


昨晩眠剤を飲まずにたまたま眠ってしまったことでこうなってしまったので、一過性(その時だけに起きたもの)と考えて大丈夫と返事が来た


この若さでベンゾ系(即効効くやつ)を飲んでいるとせん妄が起きてもおかしくはないらしい


逆に言えば、ちゃんと効果がある分

薬を減らす時にとてつもない苦しみを伴うということだ。


苦しいとは思うが、今を生き繋ぐ為だと思えば特に辛くはない。


ただ、恐ろしいだけだ。



よくある自己判断で薬をやめてしまった人はこの恐ろしい症状とは比べられないほどの離脱を起こす。


薬を突然やめてしまうと


強烈な離脱が起こる。

離脱とは

これはあくまで情報の一部に過ぎず、人によって症状は幅広くもっと多岐にわたる。


判断は医師にしかできない。



そういう意味でも勝手な自己断薬はお勧めしない。


まず、良くはならない。


薬が抜けると一時的に体の倦怠感から抜け出せたりするがそれはほんの一瞬のこと。

あとは強烈なリバウンドがくる




自他の境界がまったく分からないまま彷徨い続けたあの時間は本当に恐怖だった。


前にも1985年から戻れなくなるという夢をみてせん妄じみたことが起こり現実を見失ったことがある



今回は概念が覆る夢だった


「青が白だったら」


なるほど、僕はもしかしたら僕以外の空気や木やビルやあるいは海や空かもしれない。

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