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ルミ子と祭り

夫がルミ子に厳しい。
小柳ルミ子だ。

夫は熱狂的なサッカーファンなのだけど、往々にしてスポーツの熱狂的なファンはにわかファンに厳しいのだよね。
はいはい、いつものあれか、と思って聞いていたら、ルミ子はにわかファンとはまた違うらしい。

「もう何年もメッシが大好きルミ子」がこの度の標的だった。

夫が言うに
「小柳ルミ子はメッシしか好きじゃない。アルゼンチンのファンでもなければサッカーファンでもない」
ぶぁさぁあ。

おおおう。
何がいかんのか。

推しメンに熱狂することの何がいけないのか。
アイドルグループだって、宝塚だって、ジャニーズだって、推しに夢中になっている心豊かなファン達によって支えられている。
サッカーだってそんな在り方があっても良いではないの。スタジアムの広告の配置だけに夢中な人だっているかもしれないし、芝生の刈り込み具合だけに注目している人もいるかもしれない。
私は本が好きだけれど、例えば太宰治の姥捨や黄金風景なんかはタイトルだけで胸が締めつけられるくらい大好きだけど、斜陽とか全然好きじゃない。
楽しみ方は人それぞれだ。

テレビには声を枯らしてメッシを応援するルミ子が映し出されていた。

例えばよ、このW杯応援番組が、名波さんとか前園さんがやってたら私みたいのは体調次第では観なかったりするのだ。
体調もご機嫌も良くて、立て込んでるお仕事もなくてとても健やかな心地の時でなかったらおそらく耳を傾けない。
すでに拓かれているサッカーファンのための番組なのね、と思ってしまうのだ。
フォワードがうんちゃら、パス回しがうんたら、オフサイドが出たらもうショートだ。

オフサイドという呪い。
オフサイドを初めて聞いて理解できる人っているのか。
夫と出会って早十うん年。
今まで幾度となくサッカーのルールを解説いただいて、何度も出てくるオフサイド。
何回聞いても理解ができない。
えええ、プレイヤーの方もそれ理解してんの、まじで、みんなめっちゃ頭よいのでは、スポーツできて頭もよいのか、すげえな、惚れ惚れ、素晴らしい遺伝子持っておられるんやな、あたりで思考が停止する。
ので、いつまで経っても覚えられない。

話は逸れたけれど。
それが、件の番組にルミ子が登壇することによってルミ子の話なら解るかもしれん、と思えるのだ。
それがルミ子の功績だ。
ルミ子がメッシの魅力を熱っぽく語る時、目を潤ませてメッシのプレイを讃える時、あぁ、可愛いおばちゃんだなぁ、と思うその隙間にW杯盛り上がってるなぁ、みんな頑張れ頑張れフレフレ日本、が顔を出して、そのうちむくむく大きくなって、次のベルギー戦では、目指せ!ベスト8!!くらいの気持ちにはなる。
(あえて言うけれどリアルタイムでは観ていない。ぶたないで)

こんなだからにわかは嫌われるのだよね。
不純だとかなんだとか。

でもね、地元の神社のお祭りに行くみんなだってにわか信者じゃないのねぇ。と思うんだけど。

お祭りはたのし。

※写真はいつかの我が家のお人形遊びの様子。「アンリさんきょうだい!」

#エッセイ #ワールドカップ #日記 #サッカー #ルミ子 #小柳ルミ子 #メッシ

また読みにきてくれたらそれでもう。