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しょうせつ

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小説のマガジンです。ラブがコメるやつが多めですが別にそうでもないものもあります。
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記事一覧

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先月の15日から、僕は石橋さんとお付き合いすることになった。でも間の悪いことに、それからす…

ぷらーな
1か月前
78

きっと 

うーん。どうしよう。困った。 僕の部屋のテーブルには、リボンでラッピングされたピンク色の…

ぷらーな
2か月前
120

荷台の上の永遠

うちの車は、ホンダT360という、かなり古い軽トラックだ。 1963年、それまでバイクを作ってい…

ぷらーな
2年前
66

天界のクリスマス

今年は世界中でウイルスが猛威を奮っていて、クリスマスだというのにどこの店も閉まり、外出は…

ぷらーな
2年前
58

コーヒーは大人になってから

「ぎゃああああああああっ!」 泣き出したアカネを抱っこして宥めすかしたつもりが、さらに激…

ぷらーな
2年前
48

ダリア

今どき、CDウォークマンを鞄に入れて通学している高校生なんて、日本全国でも僕くらいのものな…

ぷらーな
3年前
48

ロードスター

アスカ姉ちゃんの家のガレージには、車が2台あった。 片方は初代のトヨタシエンタで、街中でよく見かけるごくふつうのミニバン。そしてもう片方は、ユーノスロードスターという、昔のスポーツカーだ。 赤い2人乗りのオープンカーで、ヘッドライトが閉じたり開いたりする仕組みになっている。 「リトラって言うんだよ」 ボールを投げながら教えてくれたアスカ姉ちゃんの顔は、得意気だった。 「僕、大人になったら絶対これに乗る!」 いつもより強めにボールを投げて、僕は自信満々に言った。

僕だけの湊ぼたん

湊ぼたんは、僕の彼女である。 湊ぼたんといっても、あのアイドルの湊ぼたんではない。映画の…

ぷらーな
3年前
61

ズッ友

いつからかもう忘れてしまったが、こうやって仕事の合間にひとり屋上に行って、空をぼんやりと…

ぷらーな
3年前
57

船戸さんちとやしろんち

「はい、石田くんもあげるね。クリスマスパーティーのチケット」 長い髪を巻いたおしゃれな船…

ぷらーな
3年前
64

帰る場所

何度も新人賞に落ち、30代に入ってとうとう地元のサラリーマンになった僕とは違って、あいつは…

ぷらーな
3年前
68

にたもんどうし

「これが大阪かあ」 滋賀の山の近くに住んでいる僕にとって、大阪は大都会だ。ビルだらけの街に…

ぷらーな
3年前
47

天の川の向こう側

「マイトも、花火大会は行かねえの?」 椅子を舟漕ぎしながら、ダイが僕に話しかけた。僕の名…

ぷらーな
3年前
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赤いリボン-10年後のバレンタイン-

受けたい授業を自分で選べて、クラスや学年を超えて誰とでも繋がれる大学生活というものに憧れていたけれど、だからこそ、それまでのように顔を合わせるチャンスが毎日あるわけではないことを思い知った。 それにしても大学というのは広い。どこかのショッピングモールかと思うような巨大な校舎の裏側には、それに劣らない立派な部室棟がある。 その部室棟の1階の隅に、くたびれたベンチがぽつんとある。手前は掃除用具や過去の学園祭で使われた看板が入った大きな物置部屋で、普段は鍵がかかっていて誰も出入