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ワインでイキれない

今はもう諦めましたが、かつてはウワバミ、つまり酒呑みに憧れていたので、焼酎をストレートで呑んでみたり、ウイスキーをストレートで呑んでみたり、ブランデーをストレートで呑んでみたりしていました。

HIKAKINさんやFischer'sよりも先にスピリタスのストレートに挑戦していたし、東海オンエアよりも先に缶チューハイを何本まで呑んだら吐くのかという人体実験もしていました。

スピリタスはともかく、東海オンエアのやつを視たときは実に悔しかった。

ついでいえば、AKB48にはほとんど興味がなかったけど、峯岸みなみさんだけはちょっといいなと思っていたので、そちらに関してもまあまあ悔しい。

まあ、坊主頭事件の前の話なんだが。ちなみに、あの事件はもう10年前の出来事なのだそうだ。ということは、私が未成年の頃かあ。おかしいなあ、とっくに成人していた覚えがあるのだが……。

そんなふうに愉快にアルコールを乱用していたのですが、当時から現在まで、ワインだけは全く受け付けません。

すぐに酔いが回ってしまい、香りや味を楽しむよりも前に、どうにもクラクラしてしまう。

一般的なワインのアルコール度数は10%前後、ウイスキーのストレートなら40%前後。ウイスキーの4分の1の強さしかないのに、なぜだかウイスキーよりもよほど頭がフワフワしてくる。

それでもやはり憧れはあって、何度か挑戦はしました。コンビニで安価で売られているスパークリングワインなら呑みやすいかなと思って試してみるも、確かに呑みやすいけど、これの何がそんなに美味しいのかよくわからないという感想になる。自分にはワインの適性がないらしい。

数ある酒の種類の中でも、最もオシャレな雰囲気があるし、風呂上がりにガウンを着てグラスを傾ける、とかやってみたいのですけどね。

ああ、ワインを片手にイキりたい。自分の体内の中2が喚いている。まあ、中2は酒を呑んじゃいけませんけれども。

ビールがどれだけ呑めようが、接待が上手くなり上司には気に入られるかもしれんが、オシャレではない。

バーで少しマイナーなウイスキーや日本酒を呑み、その味について深く語れるのというのには確かに憧れるが、オシャレかというとなんだか違うような気がする。

しかし、ワインはオシャレだ。ワインでカッコつけたい。銘柄とかよくわかんねえけど、とりあえずカッコつけたい。

ちなみに、これは知り合いのバーの店主に聞いた話ですが、バーテンダーさんを相手に酒の蘊蓄を語りすぎるのはあまり印象がよろしくないようです。

バーテンダーさんのほうが圧倒的に知識量が多いわけですから、とっくの昔に学んでいることを聞かされているわけで、表面的にはちゃんと聞いているが、内心では結構ダルいらしい。

あと、これも聞いた話ですが、ドラマなどでよくある、あちらのお客様に1杯、というのも、よっぽど丁寧にやらないと、あまり良い感じにはならないという。男性から女性に対しての場合は特に。

バーを出入り禁止になる理由でいちばん多いのは、ナンパ目的で来るやつらしいですからね。酒を呑んでモテようとしているうちは甘いようです。

でも、……イキりたい。イキりたいよお。

別に大袈裟にモテてキャーキャー言われたいわけではないけど、一度くらい女の子に「ぷらーなの呑みかた、素敵」って言われてみたい。キャバクラでも言われたことがない。

というか、キャバクラでの呑み比べで女の子に勝ったことがない。情けない。キャバクラのノリが苦手で、もう10年くらい行っていないけど。あ、いや、10年前も今も14歳なんですけどね。

もうすぐ10月になりますが、8日は小生の誕生日でして、また14歳になります。お祝いとして、何年ぶりだかわからないくらいにワイングラスを傾けてみるのもアリかもしれない。あ、でも、うちにワイングラスがないな。

そういえば、ワイングラスの正しい持ち方というのもよくわかっていません。

20歳くらいの頃に(14歳ですが、たまに時空を越えることがあります)、グラスの細い部分を親指と人差し指と中指で挟んで残りの指はプレートにかかるように持つ、と教わりましたが、その持ち方だと落としそうでこわい。酔っ払った状態でやるのは更にこわい。

しかしながら、それをいってしまえばビールジョッキの正しい持ち方も実際のところよく知らないし、そもそも私はいい歳(しつこいけど、14歳です)をして箸が正しく持てない。鉛筆と同じ持ち方である。もっと難易度の高そうなワイングラスなど持てるのだろうか。

しかし、何事もまずはやってみること、だいたい、今は毎日のように嗜んでいる角ハイボールだって、もともとはぜんぜん興味がなく、去年までは浴びるように本麒麟ばかり呑んでいたわけで。

ワインはプリン体の値もかなり低いというし、いっそ自分への誕生日プレゼントをワイングラスにするというのも……。

でも、今夜も肉体が角ハイボールを欲している。安易に浮気はできない。

まあ、こうしてダラダラと迷っている時期がいちばん楽しかったりするのですよね。レストランのメニューだって、コンビニでカップ麺を選ぶ時だって、目移りしている間が幸せ。その幸せを幸せと感じられる間は、私は純真無垢な14歳なのです。

酒は呑んどるわ、キャバクラでイキった過去はあるわ、イキり目的で酒を選ぼうとするわ、何が純真無垢やねんともうひとりの自分からの声が聞こえますが、うるせえと一蹴してやります。

14歳だから反抗期なのです。今日も角ハイボールを買うぞ。ワインは……うん。まだ14歳だしね。大人になってからね。まあ角ハイボールも14歳が呑んじゃいけませんけれども。

サウナはたのしい。