地震

私は、地震が嫌いだ。
6月19日、22時22分に起こった。
今までに体験したことのある、「嫌な」揺れだった。
私の住むところは震度3と出ていた。
ほんとに?と思った。それ以上あったのでは、と思った。

私は、あの日のことを思い出していた。
新潟中越沖地震のことを。

その当時、私は父と一緒に夕飯を食べていた。

メニューはカップ麺だった。たまにはいいでしょ、ということで父にも了承してもらっていた。

母が入院していたのである。

食べ終わってしばらくすると、電話が鳴った。父が受け取った。兄からである。

大丈夫か?という兄からの連絡だった。

父が私に電話を変わると受話器から、「よぉ。大丈夫か。」「うん。」不安な声で私は答えた。

話を聞くと兄は母が入院していた病院に連絡を入れて母の無事を確認したという。

今思うと兄の声が聞けただけでも安心していたということ。

頼りになる兄だった。


私は今すごく悲しい。こういうとき、兄からすぐに連絡が来るのに、なんて思ったら涙がポロポロとこぼれてきた。しばらくずっと泣いてしまった。

こういう気持ちは突然やってくる。襲ってくる、と言ってもいいだろうか。


思えば東日本大地震の時は兄からの連絡は私宛には来なかった。

その時は母はどうだったのだろうか。連絡がなかったので私も記憶にはなかった。

父親に聞いてみることにした。

「はぁ忘れたい。」

東日本大震災の時のことを私は鮮明に覚えているのでそれを父に伝えると、

「よく覚えてんなぁ。」と返されてしまった。


兄がこういうことしてたんだよ、と話すと、

「しらねぇ。」といつもいう。

もしかしたら、父は強く悲しんだりする出来事はなるべく忘れるようにしているのではないか、と思えてきた。

父にとって兄はどんな存在だったのか。また聞いてみたいことが増えた。

家族ってなんだろう?





何かいいものを食べます。生きます。