【1日1事例】ジュニア期バスケットボール選手のメディカルチェックからみえた傷害予防に必要なこと #バスケットボール #足関節捻挫 #傷害予防

参考文献:ジュニア期バスケットボール選手のメディカルチェックからみえた傷害予防に必要なこと
筆者:沼澤 俊
発行日:2021年
掲載元:体力科学 71 巻 (2022) 1 号
検索方法:インターネット

メモ
・LASを予防するためには原因となる危険因子 を解明し,「 1 問題の認識,2 傷害の原因解明,3 予防介 入, 4 効果検証」の順で進められる傷害予防のサイクル を回すことが重要であるとされている.しかし依然とし てLASに関連する危険因子の明らかなエビデンスは確立 されておらず,包括的な要因からLAS受傷にいたる選手 の特徴を把握することが求められる.


・大阪府バスケットボール協会医科学委員会で は,中学,高校生を中心としたスポーツ傷害予防事業と してメディカルチェックの取り組みをスタートさせ, 6 年間で約3,000名の選手を対象に足関節の状態や身体機 能の測定を実施してきた・その中で,高校生バスケット ボール選手における足関節内反捻挫について,初発およ び再発受傷における危険因子を前向き調査によって明ら かにすることを目的として調査,解析を行なった.
・対象は,大阪府バスケットボール協会に所属する高校バス ケットボール部,男女358名716足とした.
・ベースライン 評価としてメディカルチェックでの身体測定実施後に, 1 年間の傷害発生調査を実施した.測定開始時に足関節 内反捻挫の既往歴を聴取し,身体特性調査として,身体 組成,下肢の関節可動域や筋柔軟性,下肢の静的アライ メント,足趾筋力,動的バランステスト(Star excursion balance test :SEBT),ジャンプ高などのパフォーマン ステストを測定した.
・解析について,足関節内反捻挫既 往歴による身体特性の比較,既往歴有無別に内反捻挫受 傷有無における身体特性の比較に関して対応のない t 検 定,足関節内反捻挫既往歴別の内反捻挫受傷に関する危 険因子について多重ロジスティック回帰分析を用いて検証した
・足関節内反捻挫の既往歴の有無別に,身体機能面の比較を検証した結果,股関節外旋 可動域,荷重位足関節背屈角度において既往歴あり群は なし群よりも有意に低値であり,足趾把持力が有意に弱 く,Leg heel angleでは非荷重位にて内反方向に高値を 示し,最大跳躍高において有意に高値であった.
・既往歴 あり群において,受傷ありの場合に股関節内旋可動域, active HBD(Heel Buttock Distance)にて有意に低値を示し,最大跳躍高や片脚 3 段ホッピングテストにて高値を示した.
・多重ロジスティック回帰分析の結果,既往歴 あり群において,股関節内旋可動域が有意な変数として 抽出され,内旋可動域が低値である程,内反捻挫受傷が 多くなる傾向を示した
・一方で,既往歴なし 群においては有意な変数は抽出されなかった.
・このこと からも足関節内反捻挫において上位関節である股関節や 体幹の影響を考慮した発生リスクを検証していく必要性 が考えられた


参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/71/1/71_122/_pdf/-char/ja


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