【1日1文献】変形性膝関節症患者に対する膝蓋骨周囲軟部組織への筋膜リリースが膝機能に及ぼす即時効果 ─ランダム化比較試験─#筋膜リリース#変形性膝関節症#ランダム化比較試験

参考文献:変形性膝関節症患者に対する膝蓋骨周囲軟部組織への筋膜リリースが膝機能に及ぼす即時効果 ─ランダム化比較試験─
筆者:伊佐次 優一乾 淳幸廣瀬 健太山田 拓実
発行日:2022年
掲載元:理学療法科学 37 巻 (2022) 2 号
検索方法:インターネット
キーワード:筋膜リリース膝関節屈曲可動域即時効果

〔目的〕
・変形性膝関節症患者の膝蓋骨周囲へ筋膜リリースを実施し,膝関節屈曲可動域,膝関節伸展筋力,筋硬度,筋滑走の変化を検討した.

〔対象と方法〕
・対象は,内側型変形性膝関節症患者26名(介入群14名,偽介入群12名)とした.
・評価方法は,介入前後に上記評価項目を測定した.
・介入方法は,介入群が膝蓋骨離開リリース,膝蓋骨上方・下方リリースを各3分間実施し,偽介入群は同様の動作で触れるのみの操作を行った.

〔結果〕
・膝関節屈曲可動域に関してのみ4.47°の介入効果を認めた.
・しかし,臨床的に有効な差を認めなかった.

〔結語〕
・変形性膝関節症に対する筋膜リリースの即時効果は,臨床的には効果が乏しい.

メモ
・変形性膝関節症(以下:膝 OA)は,膝の軟骨がすり 減り,膝に強い痛みを生じる整形外科疾患で,女性や高 齢者に発生することが多い.
・膝 OA と診断された患者は 本邦において 2530 万人,そのうち有症状患者数は約 800 万人である 1).
・膝 OA による可動域制限や筋力低下, 疼痛は,中高年者の日常生活動作や生活の質の障害の主 要な原因の一つとなっている

・筋筋膜の異常は,その原因として外傷,廃用,循環不 全,運動不足,反復運動,長期にわたる不良姿勢等が挙 げられており 9),理学療法介入のなかで改善する必要が あると考えられる
・膝 OA に対する徒手療法に関するシ ステマティックレビュー 10) では,他動関節運動や Mobilization with movement が, 可動域(range of motion:以下,ROM)や筋力,疼痛を改善させるが, 膝蓋骨のアライメント不良に対する膝蓋骨のモビライゼーションによるROM や,筋力の改善効果は明らかで なく,膝蓋骨周囲の筋筋膜を中心とした機能障害に対する治療の必要性が推察される

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/37/2/37_165/_pdf/-char/ja 


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