【1日1文献】認知機能の低下した高齢者に対するタブレット版「いきいきリハビリ」の有効性の検討#認知症#QOL#いきいきリハビリ

参考文献:認知機能の低下した高齢者に対するタブレット版「いきいきリハビリ」の有効性の検討
筆者:水野 純平, 西浦 裕子, 齊藤 千晶, 小長谷 陽子, 井上 剛伸
発行日:2021年
掲載元:作業療法 40 巻 (2021) 3 号
検索方法:インターネット
キーワード:認知症高齢者, QOL, 回想, 認知リハビリテーション, (タブレット)

【抄録】
・様々な非薬物療法の要素を取り入れた,認知リハビリテーションプログラム「いきいきリハビリ」のタブレット版アプリケーションを開発した.
・本研究は,タブレット版「いきいきリハビリ」による認知機能の低下した高齢者の認知機能,QOL,ADLへの有効性を明らかにするために,量的・質的評価結果と先行研究を用いて検討することを目的とした.
・その結果,旧来版で効果の認められた認知機能に関しては改善が認められなかったのに対し,QOL評価の下位領域「落ち着きのなさ」で改善が認められた.
・タブレット版においても旧来版と同様に,認知機能の低下した高齢者のQOLに対して効果を示したことで,タブレット版の活用可能性が示唆された.

メモ
・「いきいきリハビリ」は,懐かしい写真や道具を,見たり,触ったりする様々な作業活動を取り入れたプログラムである.
・また,プログラムを通して対象 者の興味のある作業や,残存する機能を活かした作業 を認識することを可能にし,対象者にとって意味のあ る作業について理解を深める一助として活用できる点 に特徴を持つ

・OT が介護老人保健施設の高齢者に対し,「いきいきリハビリ」を実践した結果, Mini-Mental State Examination(以下,MMSE)の 得点および Quality of Life questionnaire for Dementia(以下,QOL-D)の「他者への愛着」4),「コミュ ニケーション」5) 項目で得点向上を認めた.
・認知機能 の低下した高齢者の小集団を対象にした「いきいきリ ハビリ」の介入研究では,QOL-D の「陰性感情&陰 性行動」,「落ち着きのなさ」の項目で有意な得点変化 (症状の改善)を認めた

・パーソン・センタード・ケアの関わり が認知症者の動揺・興奮を和らげるとされる.
・タブ レットでの介入においても,その人のできる活動,興 味のある活動を理解することが可能であり,パーソン・ センタード・ケアの視点に立った関わりを提供できる ことが示唆され,QOL-D の「落ち着きのなさ」の得 点改善に寄与したと考えられた

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/40/3/40_311/_pdf/-char/ja

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