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「食べる女」

この世の中において、
「おいしいね」
とごはんを食べるのが、何と贅沢な事だったんだろうと実感する。

隣でごはんを食べていても、
「黙食」。

「これおいしい~!」
と言いながら、おいしいごはんに向き合うことが少なくなってしまった。


一人暮らしを始めてからはもちろん一人。

ただ、ごはんには真剣に向き合って食べるよう気をつけている。
何かをしながら食べるごはんの味は何も覚えていない。
忙しい時は仕方がないけれど、ながら食べでも
「ごはん食べる!」
という気持ちになるために、「いただきます」はあるのかもしれない。



「食べる女」
は丁寧なごはんをつくって食べる。

私の母はごはんをつくるのが上手だ。
手間暇もかけてくれた。
小さい頃からそうだったのだけれど、私は面倒な事が苦手。
だから料理も苦手意識があった。

今は手間暇かけずに簡単にごはんをつくれるし、売っているものも簡単にできるものが多い。
それは私にも料理が楽しいと思わせてくれるようになった。

ただ、晩ごはんにジャンクな物(例えば大好きなマックとか)を食べる事にはちょっとした罪悪感を感じる。
レトルトや、レンジでチンもやっぱりどこかで罪悪感を感じてしまう。

でも悪い事ってするの楽しいよね~という感覚もあって、すっかり簡単なもので済ませることにも慣れてきてしまった。


この映画を観ていると、丁寧なごはんはやっぱり温かくて、とても贅沢に見える。
手間暇かけたごはんは、食べるのはもちろん、つくる過程の楽しさもあるんだろうな。
そしてそれをだれかと一緒に食べるという事が一番贅沢なんだろうな。


この映画には様々な女たちが出てくる。

若い者は「あーわかんない!」と人生を悩む。
悩んで答えを出そうともがく。
でも大人たちは「いいの、いいの。わからなくたっていいの。」
と、答えを出そうとしない。

こんな余裕をもってゆったりと人生をいきていけたらな。

その中での小泉今日子さん演じるトン子の
「やっちゃえ!やってみよう!っていうちっちゃい勇気さえ持てば、案外何でもできるんだよね!」
というセリフが印象に残った。

そうだ、何かを始めるにはでっかい勇気も必要だけれど、最初はちっちゃい勇気から始まるし、そのちっちゃい勇気を出す時が一番勇気がいる。


決して派手な映画ではないけれど、生きていくうえで最も大事な基本的な食べるという事。
そこにフォーカスをあてながら、それが恋愛とも結びついている、いい映画だった。

最後は文筆家であるトン子のこの一文

わからなくったっていい。わからないことがあったとしても、私が私でありさえすれば、あとのことはわからなくったっていいや。
健やかなる時も、やめる時も、満ち足りた時も、寂しい時もちゃんとおいしいごはんを食べよう。心もからだもきっと元気になるから。
そして、愛しいだれかといつか出会えますように。


決して手間暇はかけないけれど、今日はきちんと温かいものをつくって食べよう。



ちなみに本日のお昼


ユキノシタという珍しいキノコをもらったので

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