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プラプラ堂店主のひとりごと㉚

〜古い道具たちと、ときどきプラスチックのはなし〜

チョコレートのはなし

「はい、チョコレート」

 金継ぎの洋子さんが手渡してくれたのは、小さな丸い缶入りのチョコだった。ピンク地に白い文字で「CHOCOLATE  FOR  PEACE」と書いてある。かわいい青い花の絵。花には金の王冠がついている。こどもの絵みたいだ。

「わ、ありがとうございます」

「もうすぐ、バレンタインでしょ。これを買うと、チョコ募金できるのよ」

「へえ、チョコ募金?」

「そう、世界のこどもたちの支援金になるの」

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 缶を開けると、ハート型のチョコが入っていた。チョコは六花亭のチョコらしい。味は三種類。ミルクとホワイト、そしてぼくの好きなモカホワイト味も。小さな冊子にはこのチョコ募金が、イラク、シリア、福島のこどもたちへの支援活動に使われると書いてあった。サイトを見ると、絵を描いたこどもたちのことも紹介されていた。この花の絵を描いた女の子はもう亡くなっていた。それぞれがとても過酷な環境にいるこどもたちだ。こんな活動があったんだな。知らなかった。自分用にいくつか買おうと思ったら、2021年度の販売は終了していた。あー残念。ハートのチョコを食べながら、来年は全種類買おうと決めた。

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 ぼくのチョコ魂に火がついた。よし、それじゃあ…。今年はフェアトレードのチョコを買おう。ふふふ、何を隠そう。ぼくは男子だけど、自分用のチョコを毎年買っているのだ。好きな店は、札幌の「SATURDAYS CHOCOLATE」。カカオ豆を仕入れて焙煎・粉砕するところから板チョコレートになるまでのすべての工程を一つの工房で行う。何しろ、材料がすごくシンプルで驚く。カカオと甜菜糖だけとか。高いけど、やっぱり美味しい。ご褒美感覚で買っている。でも、今年はピープルツリーのフェアトレードチョコレートにしよう。あ、うめさんにもプレゼントしようかな。この間、手作りのおはぎをいただいたし。好きなチョコレートのことを考えると、自然と頬がゆるむ。そして、買う物を選ぶことは大切なことだと思った。改めて。今年は、もっと自分の選択をしっかり考えて買い物をしよう。


ありがとうございます。うれしいです。 楽しい気持ちになることに使わせていただきます。 また元気にお話を書いたり、絵を描いたりします!