スターシップ・トゥルーパーズ(98) 感想

1960年のヒューゴー賞受賞作品で、ロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』(原題:Starship Troopers)の実写映画化。
監督は『ロボコップ』(87)のポール・バーホーベン、主役のジョニー・リコ をキャスパー・ヴァン・ディーンが演じた。

あらすじ

民主主義崩壊後の新政府、地球連邦では軍部を中心とした平和で公平な社会が築かれていた。
ただし、この政府にはある階級があった。最低2年間の兵役を経た「市民」と兵役に就かなかった「一般市民」
「市民」には国政投票などの「市民権」が与えられるが、「一般市民」にはそれがない。(その他の扱いそれほど変わらない)
また、科学力が発達したこの時代、銀河全体に殖民を始めた人類だが、その先で遭遇した先住の昆虫型宇宙生物(アラクニド・バグズ)の領域を侵したため紛争が発生している。

そんな中、一高校生として友人たちや恋人のカルメン・イバネス (デニス・リチャーズ)と青春を謳歌していた主人公ジョニー・リコは、カルメンと付き合い続ける為に、卒業後、両親の反対を押し切り、軍に入隊を決意する。

そして、成績優秀なデイジーは宇宙船のパイロットに、クラブなどにも参加し体力に自信のある、ジョニーとジョニーに惚れている女友達のディジー・フロレス (ディナ・メイヤー)は機動歩兵隊に、親友で超能力者のカール・ジェンキンス (ニール・パトリック・ハリス)は情報部にそれぞれ入隊を果たす。

訓練キャンプでしごかれながらもメキメキ頭角を現すジョニー。
しかし実践訓練中、ある判断ミスで仲間を死なせてしまった彼は除隊を決意し、その旨を両親に伝えたその時、アラクニド・バグズが地球に対し小惑星を突入させる奇襲攻撃を仕掛けてきたため、全面戦争に。
復讐心に燃えるジョニーは、軍に戻り敵アラクニド・バグズ殲滅を決意する。

読んでいないのでハッキリは分からないんですが、原作小説『宇宙の戦士』が発表された1959年は、冷戦時代の真っ直中。

米国がベトナムの情勢が戦争へ向けて大きく傾いていた時代で、本作は社会主義国家をアラクニド・バグズに準えたプロパガンダ小説ではないかと、一部読者や批評家から批判されたりもしたようですね。

で、本作でバーホーベン監督は、映画冒頭、まさにプロパガンダ映像のように、若者たちに入隊を進める放送?から映画をスタートします。
そして、この演出を繰り返し挟みこむ事で「プロパガンダ」のバカバカしさや滑稽さを皮肉るような作りになっています。
特に、主人公たちのヒロイックなシーンに観客が感情移入しそうになると、この演出を挟んで冷水をぶっかけるあたり、ホント意地が悪くて最高ですね。(褒め言葉)

まぁ、監督本人は本作をナチス・ドイツのプロパガンダ映画『意志の勝利』のパロディ映画だと言ってるみたいですが、絶対それだけじゃないだろうwと、思わずニヤニヤ。

また、CG映像をふんだんに使っているのに、何故か全体的にダサいというかチープな印象なのも、多分監督の狙いなんだろうなーと。
主人公ジョニーのキャスパー・ヴァン・ディーンや、カルメン役のデニス・リチャーズが、前半まるで作り物のような、理想的なアメリカ美男と美女なのも、多分わざとだと思います。

逆にジョニーに恋して軍まで追いかけてくるディジーは、カルメンとは対比的なキャラで、観客が感情移入しちゃうキャラなんですが、その後の展開も含めちゃんと監督は計算づくなんだろうなーと。(ネタバレになるので言えませんが)

ホント、どこまでも、性格が悪くて最高ですw(褒め言葉)

また、劇中では裸や悪趣味なくらい執拗なゴア描写がこれでもかと描かれてて、ザ・ポール・バーホーベン映画という感じ。

色々ややこしい事は抜きにしても、メカ、モンスター、裸、ゴア描写が満載。
凄い予算をかけて、最高のB級映画に仕上げちゃうバーホーベン監督は、やっぱ分かってらっしゃるなーと思いました。
興味のある方は是非!

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https://note.mu/purasu/n/nb98c1c6ade27?magazine_key=m0b08a7d5752d

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