推しは推せるうちに-ヒトリエ-

『推しは推せるうちに推せ』
最近流行りの言葉ですね。同感です。

ボカロp/ヒトリエgt&vo.wowakaが旅立って半年。

わたしはボーカロイド黎明期を中学生で迎えました。当時、所謂オタク文化にはさっぱり疎かったのですが、周囲の環境もあり、気づけば沼に嵌まったまま20代に突入してしまいました。吹奏楽部って周囲を巻き込むタイプの2次元オタク多いよね(偏見)。
今でこそ共通文化として世の中に根付いてきた印象のあるボカロですが、始まりの中心にいたひとりは、間違いなくwowakaでしょう。思い返せばわたしがはじめて聞いたボカロ曲も"裏表ラバーズ"でした。ちょっと刺激的な歌詞にどきどきしていました、中学生~~~!

彼独特のアップテンポで電子的な音楽に乗る早口な初音ミクの言葉。はじめは聞き取りにくく感じる声も数回聞けば味になり、いつしか身体に染み込んできます。
そんな彼がニコニコ仲間と組んだバンドがヒトリエです。ボカロと変わらないアップテンポなメロディラインと調和するバンドサウンド、圧倒的に安定したwowakaの歌声。早口が目立つところですが勿論バラードだって最高です。優しい音にどこまでも伸びる歌声。心の隙間に刺さってきます。
悔しいことにボカロpとしてのwowakaは知っていても、わたしがヒトリエを知ったのは彼が亡くなる1年前でした。圧倒的にわかです、ごめんなさい。それでも、夢中で聞きました。CDも買いました。ライブは、応募したけれど外れました。会いたかったな。直接ライブハウスで「ありがとう」「大好きだよ」って伝えたかったな。推しは推せるうちに推せ。今でも胸が痛いです。

それでも彼を失って一番辛いのはきっとヒトリエのメンバーでしょう。長い時間を共に歩いてきた彼等。ツアー中の突然のお別れは、きっと悲しくて、苦しくて、悔しくて、やりきれないものだったと思います。
追悼ライブでステージに置かれたwowakaのギター。彼の遺した音を奏でる3人は、一番星を失くして尚、強く輝いて見えました。画面の前でわたしはぼろぼろ泣きました。何度も聞いた曲たちが、ひとり分の音を欠いて届くのが悲しくて。それでも『解散はしない』とはっきり言ってくれたことが心強くて。

半年が経ち、3人でのツアーをスタートした彼等。
わたしはまだまだwowakaの死を受け止めきれていません。けれど、メンバーはツアーのコメントでそれを全肯定してくれました。傷だらけで前に進むヒトリエは、強くて眩しい。だからわたしも、4人だった3人のヒトリエを応援しようと思います。過去の曲も、未来の曲も、全部受け止めて大事に聞き続けます。
3つの一等星を見守っててよ、リーダー。
ありがとう、wowaka。これからもよろしくね。

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