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バックミンスター・フラーの世界:宇宙船地球号とAIへの展望

先日、NHKの「映像の世紀」で見たバックミンスター・フラーという思想家について書きたいと思います。この番組で初めて彼の存在を知り、彼の抱いた「宇宙船地球号」という概念に深く引き込まれました。

フラーは1895年生まれ、20世紀初頭から活動を開始しました。彼が提唱した「宇宙船地球号」という考え方は、地球とその生命体すべてが乗った一つの大きな宇宙船であり、全てが相互依存的な関係にあるというものです。それはつまり、私たちは皆、同じ船に乗っているのだから、船全体が安全で持続可能でなければならないという視点を示しています。

フラーの思想はまた、スティーブ・ジョブズにも影響を与えました。フラーが創刊した『Whole Earth Catalog』にもその思想が反映されています。このカタログは1960年代から70年代にかけて発行され、自給自足のライフスタイルや持続可能な生活についての情報を広めるためのものでした。スティーブ・ジョブズはこのカタログに強い影響を受けたと言います。

彼の考え方についてさらに知りたくなり、「宇宙船地球号 操縦マニュアル」(ちくま学芸文庫 2000年刊)を読みました。その中には、人間が全体的な視野で物事を考える能力を持つという、人間性への強い信頼感が感じられました。

そこで問うのは、なぜ私は今までフラーという偉大な思想家を知らなかったのか、という疑問です。そして、それ以上に驚きなのは、彼が100年近く前にすでに、科学的発展による現代社会の問題、そして資本主義的なエゴイズムに対する批判的な視点を持っていたことです。

彼は、地球全体で最適化し、自給自足の利他的なシステムを構築することで、これらの問題を解決することを提唱していました。私たちは地球全体を見る視点を持つことで、私たち一人一人の行動が全体にどう影響するかを理解し、より良い世界を創造することが可能になるのです。

そして、ここで私が持つ考えは、現代のAI技術、特に生成AIの技術が、フラーの思想を具現化する手段となるのではないか、というものです。生成AIは、膨大な情報を分析し、新たな知識やアイデアを生み出すことができます。

私自身がコンサルとして活動する中で、AIの可能性を日々感じています。AIは子どもたちに個別最適な教育を提供することができます。そして、AIが助けることで、私たちは全体的な視野で物事を見ることがより容易になるでしょう。そして、それによって地球規模での調和を達成し、フラーが理想としたような世界を現実にすることができるのではないでしょうか。

フラーの思想は、私たちが地球全体として生きていくための新たな視点を提供します。そして現代のAI技術は、その実現に向けた強力なツールとなり得ます。私たちはこれからどのようにして、AIを使って地球全体の調和を追求するか、考え続けるべきでしょう。

ありがとうございます。引き続き、情報発信をしてまいります。