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ノリでハーフマラソンを走った話

何がどう転んだらそんなことなんねんというような話ですが,事実そんな感じです.事の発端はVRChatのフレンドがハーフマラソンに出るらしいというのを耳にしたこと.その(限界スクワット部)の界隈では,スパルタンレースのようなリアルで運動するオフ会みたいなこともやっており,自分もそれに参加してみたい気持ちは前からありました.でもその場所が新潟だったり千葉だったり...….大阪住みなので移動や金銭,そういった面で参加を断念していました.しかし今度のマラソンの場所は兵庫県の三田さんだ.日帰りで行ける場所ですし,参加料も別に高くはない.これは行けると思って自分も参加することに決めました.

トレーニング

さすがに何もなしでハーフマラソンなんぞ走れるわけはないので,10月頭あたりからスクワット部に加えて走ったり泳いだりするようになりました.自分が元水泳部なのもあって持久力を取り戻すために最初の1月は週2,3くらいでプールに行って3 kmほど泳いでいました.

その甲斐あってか,今年5月に長居公園で走った時はキロ7分ちょいで5 km走るのも厳しかったのに10月下旬には10 kmを1時間くらいで走れるようにまでなりました.しかし,オーバーワークだったのでしょう,膝を痛めたり足底を痛めたりして2週間くらい走れなくなってしまい,人生初の鍼治療を受けることに.......

そんなこんなあってハーフマラソン本番の2週間前に試しに21 km走ったところ,2時間9分49秒でした.平地でこれなこともあって本番では2時間10分を切れたら嬉しいなくらいに思い,本番に臨むことにしました.

三田国際マスターズマラソン本番

こちらの大会,標高差70mと坂が激しいコース...…なのに足切りタイムが2時間30分(キロ7分を切らないといけない)とキツ目な設定になっていました.だから普通に走るときでも7分は絶対に切るように走っていました.だから最初のオーバーワークにつながったんでしょうね.......

朝の8時に到着したら現地の気温は3度だか4度だか.......前日が20度とかだったのであまりにも寒かったですね.とはいえ天気は快晴.気温と風以外は良さそうな雰囲気でした.

フレンドのお車に貴重品を置かせていただいて郷の音ホールというところで着替えなどを済ませます.準備をするともうマラソン開始1時間前くらいに迫っていたので軽く外の川沿いを走ってアップも済ませました.走った感じは「ものすごく調子が良い,今日は行けそう!」.前日のうどんとスパゲッティが効いたのかもしれません.その後,準備体操を参加者たちで行い,トイレを済ませてからスタート地点に整列しました.そのときの光景がこちらです:

最後列あたりから見た景色

走っているときのお話

スタートの号砲が鳴って少しづつ前に進み始めますが,なかなかスタート地点が見えてきません.やっと見えて過ぎたと思ったらもう3分経過していました.スタートを過ぎてからは自分のペースをと思って楽に走りながら前の人を抜かしていきます.ただ楽なペースと言いつつ6 min/kmちょいくらいのスピードでいたので,周りに流されて少しペースを上げ目にしてしまっていたみたいでした.

しばらく同じペースで走っていると5 kmあたりのところで給水ポイントがありました.ここでお水をいただいて,さあやるぞと思ったところでものすごい傾斜の坂が待ち構えていました.他のランナーのスピードも見るからに遅い…….自分も後が怖いのでペースを落としつつ前の人を抜かしていきます.登り切ったと思っても今度はゆるやかな坂がずっとまっすぐ続いている景色が広がって心が折られかけます.

それでも周りの応援にかなり元気づけられてこのあたりからキロ6分を切るタイムで走るようになっていきました.「頑張れ~」という応援に対して「ありがと!」と返してあげると気分的に良いのはもちろんなのですが,息をしっかり吐くからでしょうか,呼吸が整えられて体力が少し回復してくれるんですよね.他にも沿道で小さい子どもがあめちゃんだったりチョコレートだったりを配ってたりして,それを受け取ってありがとうと返すと元気がもらえ,自分の120%以上の力を出せたような気がします

他にも前に可愛らしいパンダのぬいぐるみを抱えて走っている方がいて,「それ可愛いですね」みたいな雑談を交わしたりもしました.雑談は気分が良くなるもので,おかげで体力が回復したしやる気も出てきました

三田のコースは15 kmまできつめの上りがあるのですが,それ以降はほとんど下りになっています.なのでペースを上げつつ,体力は温存しつつで走ることができたのですが,18.7 km地点でその下りも終わります.ここからが個人的には一番しんどかったです.道自体は平坦だったのですが,下りの後の平坦なので上りのように感じられ,精神的にも肉体的にもきつい状態でした.

それでもキロ6分で走ることができれば目標だった2時間10分どころか,公式タイムで平均キロ6分を切ることのできる2時間6分切りが狙える位置にいたので,死に物狂いで最後を駆け抜けました.先にゴールしたフレンドさんがゴール前200 mの地点にいたらしいのですが,呼びかけにも気付かず一目散にゴールだけを目指していました.

ゴール後

終わった瞬間……,というかもうゴール数km手前で太ももに攣る前兆を感じていました.加えて足の裏も痛い.そして走り終わると膝まで痛くなってきてペンギン歩きでなんとか豚汁をいただけるところまでトボトボと歩いていきました.そこでいただく豚汁は熱かったのですが,非常に美味しく全身に染み渡るようでした.

豚汁をいただいているとお近くに走る前から目立っていたねこちゃんサンタの方がいて,あまりの完成度にそれが自作したものなのかが気になり話しかけました.どうやら作っていただいたものらしく,完成度すごいですよねという話をしていました.

ねこちゃんで毎年出ているらしく,沿道の子どもたちにお菓子を配ったりしつつ,配り終えたら爆速でいろんな人を追い抜いていく姿を何度も拝見しました.近くにいるときは沿道の方々も「わー! ねこちゃんがいる!」と盛り上がりを見せており,こちらも元気をいただいていました.

また,預り所に預けてある荷物を取りに行こうとしたときには,中学生くらいの子でしょうか,笑顔で自分の方へリュックを持って走って来てくれて元気よく「どうぞ!」と声をかけていただきました.足が動かない状態で預り所まで行くのも辛かったので本当に助かりましたね...….渡した後はまた元気よく走って預り所の方へ戻って行ってました.

結果と感想

結果について

完走することができたので完走証というのをいただきました.

完走証(ちょっと編集してあります)

記録は2時間5分36秒,これがスタートの号砲が鳴ってからのタイムで公式記録として扱われます.その下のネットタイムというのはスタート位置を通過してからのタイムで,21 km走ったときのタイムがこれに当たると思いますが,公式記録としては扱われないそうです.

しかし,ネットタイムが2時間2分30秒ということはハーフマラソンで2時間を切ることを目標にできるくらいまで2か月半の練習で達したことになるかと思います.ここまで来たら次にハーフマラソンに出るときは公式記録で2時間切りを目指してやっていきたいところですね.

また,mi bandくんで測定していた記録はこちらです:

完走した感想

はじめに足切りに合わずに完走できるだろうかというところから始めてこの結果だったのでその点に関してはもう充分かなと思っています.

マラソンといっても学生のときに学校の外周を走ったりそこでマラソン大会があったりくらいのもので,あんまり楽しいイメージはなく,最初のときも「21 km走るだけでしょ」というイメージを抱いていました.でもいざ走って見ると周りの応援が活発だったり,意外にも走ってるときに選手間でコミュニケーションがあったり,応援以外にもサポートしてくれる人がいたりで孤独感がなく,同じ走るといっても楽しいものだということに気付かされました.

正直マラソン大会本番前に走った21 kmは精神的にしんどいもので,終わった後も達成感というよりは疲労感の方が大きかったのを覚えています.もちろん本番でも疲労感はあったのですが,気持ちよくやり切ったなという達成感の方が大きかったなと今も思います.

この人の温かさは三田だけ...…というわけではないでしょう.いろんなマラソン大会の感想を見てると周りの人の応援が温かかったという声をよくみかけます.なのでまたどこかで参加できそうなマラソン大会があれば参加してみてもいいかなと思いました(でも泳ぎたくもある).

ちょっとした後悔..…

これ用意しとけばよかったというものの一つはプロテインです.粉だけ入れて持って行けば水はどこでもあるので飲むことができる...….筋肉痛があまりにもひどかったのですぐにも飲みたかったけど,持って行ってなかったので近くのファミマさんで購入しました.

これ持ってって良かったなっていうもの

間違いなくこれです.

いつも半袖半ズボンで走っていたのですが,流石に3,4度という気温は寒すぎるので暖かいものが必要でした.当日の天気は直前までわからないので用意して損はなかった,というか自分は容易してなかったら死んでたなと実感しました.


おわりに

そんなわけで「VRChatでスクワットをしてたらノリでハーフマラソンに出ることになった」の巻でした.ここまで読んでいただいてありがとうございました.身体動かすのも楽しいデスヨ

— 了 ―

pyocopel

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