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由来のはなし。

昨日は、ある友人の誕生日なので、その子との話をしようと思います。彼女がこれを読むことはないですが、それでいいです。

留学先のベルギーで知り合いました。
同じ寮の1つ上の階に住んでいて、私より半期早くベルギーに来ていました。

留学生活が始まった当初、本当に英語がわからなくて、分かったとしても言葉を発することができなくて、内心すごく落ち込んでいました。

日本では友だちがいて、たくさん喋るのが私だったので、話し相手もいなければ、英語で話したいことなんて本当になくて(言いたいことが言葉にならないと人間話す気が失せるようで)、静かになっていました。

ある日、共同キッチンで、寮生が集まって話したり、ご飯を食べたりしている場に鉢合わせてしまいました。
このときの私は、寮で人に会うことにすら少し嫌気が差していたので、内心「しまった」と思っていた気がします。

その中に彼女がいました。

今となっては忘れてしまったのですが、なぜか知り合いになりました。
そして、もっとわからないのですが、ごくまれに、会った瞬間に「あ、この人多分友だちになれる人だ」と感じることがあります。それでした。

気づいたら2人で映画を見たり、ご飯を食べたり、誕生日会を合同で開いたり、パリ旅行まで計画していました。

英語がわからなくて、人と話したくなくて、1人でいたかったはずなのに、旅行の計画まで立てるなんて、自分でもびっくりしました。
(確か、「パリ行きたいんだよね〜」と言われて「私も行きたいから一緒に行こう」と返したことで始まった気がします。)

留学が始まって初めての旅行で、英語で話さないといけない相手と、3日間。直前でちょっとビビったりもしたけれど、なんとかなるだろうと思えました。

実際はどうだったかと言うと、3日間も一緒に生活していると、一つ一つ考えて話す時間など無く、それはそれは大変でした。ミスを連発し、毎日大笑いされていました。

大笑いをする代わり、いつも正しい言葉を教えてくれました。これのことか??と言葉を一緒に探してくれました。

言葉がなくても笑えることがたくさんありました。
言葉を介すると、もっと分かり合えることがありました。

旅行前日に美容院に行って、私の前髪がちんちくりんだったこと、自販機で買った炭酸ジュースが地下鉄の駅で噴き出したこと、彼女がルーブルにいた天使の像をずっと真似してきたこと、レストランで隣の人がアジア人の見分け方を語っていたこと、フランスまで行って韓国料理を予約してまで食べたこと。

本当に楽しかったです。

彼女がいなかったら、私の留学生活は暗いままだったかもしれないし、英語は話せないままだったかもしれません。今でも話すのは全然得意じゃないけれど。

彼女が私を味噌汁と呼ぶので、今日まで私は味噌汁なのでした。

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