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タバコなんでやめたんだっけ?

WHOの「喫煙撲滅デー」
5月31日は、WHOが制定した「世界的な喫煙撲滅デー」。みんなでタバコ撲滅を目指そうって日。日本もすっかり喫煙大嫌いになったモノだなぁと。しかし、いつからこの国はこんなに喫煙にうるさくなったのか? 近々では、2019年に施行された「改正健康増進法」で、飲食店や公共の場での禁煙が一層進んで、いよいよ自宅と喫煙所以外での喫煙は不可能になったってのが記憶にあたらしいところ。
WHOの統計によると194加盟国(&地域)中、最もスモーカー率が高いのがナウル共和国。人口1万人ほどの赤道に近い太平洋上の島国で喫煙率は48.5%。ついでミャンマー、キリバス、セルビア…。だいたい上位30カ国が30%以上のスモーカー率になっている。
耳馴染みのある国名を見てみると、フランスは19位で33.4%、ロシア41位(26.8%)、中国は44位(25.6%)、アメリカ66位(23.0%)、ドイツ72位(22.0%)、韓国81位(20.8%)、イギリス102位(15.4%)ってな感じ。世界平均は喫煙率22.3%。日本は89位で20.1%。世界平均をちょっと下回るといったところ。中国は人口が多いので率は25.6%だけど、数でいったらすごくって中国のタバコメーカーがダントツの売上世界ナンバーワン。

バブル崩壊と共に禁煙ムーブメントは加速
まぁ昭和のタバコLOVE日本を知ってる人なら、現在の非喫煙時代の到来に驚きを隠せないってとこがあるんだけど、現在につながる日本の嫌煙ムーブは、1985年頃からじわり始まったようね。男性喫煙率が70%とも言われてた中、1985年に「全国禁煙キャンペーン」が初開催。新幹線に禁煙車両ができたりと、徐々に禁煙良いことってムードの下地ができて、そのまま1990年代にじわじわと喫煙悪が浸透。
2000年に入ると禁煙化は一気に加速、2003年には各地の駅で禁煙化がスタート。公共施設、オフィス、人が集まるあらゆるところは禁煙となり、「まだタバコ吸ってるの〜?」って喫煙者を蔑む言葉が日常的に聴かれるようになったというわけね。

WHOがやってきた
実は、世界の禁煙活動をガツッと推進したのが、デンマーク人医師のハーフダン・T・マーラーさん。1973年から1988年までWHOの事務局長を務めた人物。事務局長就任中の1986年にWHOのレポートとして「喫煙と健康に関する世界報告書」を発表。喫煙リスクについての科学的根拠をこれでもかって並べて禁煙を推進したことで、各国の禁煙ムーブメントが一気に加速。
そんで、1988年。ハーフダンさんを継いでWHO事務局長に就いたのが日本人医師の中嶋宏さん。禁煙を強力推進しているWHOの長に日本人、それも日本人初の国連機関のトップ。日本が禁煙ムーブメントを推進しないわけにはいかないよな〜。
中嶋氏はWHO事務局長を10年務めて、その間に日本の禁煙ムーブはじわじわと進むんだけど、中嶋氏の後任がノルウェーのグロ・ハーレム・ブルントラントさん。ノルウェーで首相も経験した政治家。1998年、WHO事務局長就任の演説で『タバコは人殺しである』とタバコ撲滅をぶち上げ、各国の健康関連機関は重要な仕事として禁煙を推進。
全世界をターゲットにタバコを売っていた企業、フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、JTは真っ青に。
2003年、グロ・ハーレム・ブルントラントさんがWHO事務局長退任した年。「たばこ規制枠組条約」がWHOで採択された。喫煙やタバコ産業の規制を、具体的な施策を明示して提供。タバコのパッケージに注意書きがドーンと書かれるようになったのもこの影響。

値上げの歴史
タバコの値上げってやつが一気に進んだのも2000年代になってから。例えばセブンスター。1969年に100円でデビュー。1986年には220円になってからしばらく値上げはなかったんだけど、1997年に消費税が5%になった影響で230円に。と思ってたら翌年に250円。
で、2003年に280円、2006年に300円。300円台時代に突入かと思ってたら、2010年にはなんと140円アップの440円! 少しあいて2014年に460円。2018年に500円、そこから年イチで上がって2021年から600円になって、喫煙者がいなくなるかなぁと思ったら加熱式タバコへの移行促進がなされて、喫煙率があまり下がらず、JT様の売上は順調。ワールドワイドに業績をあげ、2022年売上高(売上収益)は2兆6578億円。頑張っております。
で、5月31日は「世界的な喫煙撲滅デー(World No Tobacco Day)」。禁煙撲滅キャンペーンがあちこちで開催される予定。



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