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山芋掘り用スコップについて

メトロポリタン美術館がとっても好きだ。ニューヨークに住んでいても、MoMAとかグッゲンハイムとかはあんまり足が向かないけど、メトロポリタンは、コロナ直前に、市民向けの年パスを買ったくらい好きだ。

とはいえ、MoMAにあんまり行かないくらいなだけあって、私は、いわゆるばりばりのアート作品にあんまり興味がない。クリエイティブっぽい仕事してるんだから興味持てよ、と自分でも思うが、どうにも興味が湧かない。絵画とか彫刻とかには本当に疎い。

じゃあ、メトロポリタンに何を見に行くのかというと、「道具系」だ。メトロポリタンの道具系展示コーナーは超楽しい。「道具系」とは具体的に何かというと、楽器コーナーとか武器コーナーだ。


楽器コーナー
武器コーナー

楽器コーナーだと、超古いピアノ、とかから世界中の変な楽器まで、すごい物量が展示されている。武器コーナーも面白くて、古今東西、アラビアの武器から日本刀まで、斧から銃に至るまで、いろんな武器が展示されている。「用の美」なんて言うが、楽器も武器も、そもそも道具としてつくられたものではあるから、形状や装飾にいちいち意味がある。

子供の頃から、「かっこいい道具」というものに憧れてきた歴史があって、たとえば、中学の頃からトロンボーンを吹いているわけだけれど、当時の私は明確に、あの特徴的な伸縮する形状に惹かれてトロンボーンを選択していた(後で、なんでこんなクセの多い楽器選んだんだろうと思い悩んだが)。

これは以前、ロボットアームでトロンボーンを演奏してみたやつ。

楽器にしろ、武器にしろ、形状がかっこよくて萌える道具、というのがいくつかあって、自分の場合、いつか入手したいなーと思っているのがチャップマン・スティックだ。ベースとギターのあいの子みたいな楽器で、プログレとかでよく使われているやつだが、何しろ、弾くのがすごく難しそうなので気が引ける。

武器だと、前から憧れているのが、錫杖(しゃくじょう)だ。「水滸伝」に出てくる魯智深という暴れ坊主が酔っ払いながら振り回したりする武器で、棒の先に板みたいのがついている。子供の頃から、これはかっこいいなー、欲しいなーと思っていた。私は基本的に、縦に長い道具が好きらしい。


そして先週、伊豆の山で農業をやられたり、いろいろやっていらっしゃる方とお話をしていて、「ツルハシ大好きなんですよー」なんて言っていたら教えてもらった道具がある。それが、「山芋掘り用スコップ」だ。

この長いスコップを山芋の横に突き立てて差し込むと、長い山芋を傷つけずに抜くことができるようなものらしい。

これは完全に錫杖だ。魯智深が酔っ払って振り回しているやつだ。これを探していたのだ。「山芋掘り」という、用途がものすごく限定されている感じも萌える。チャップマン・スティックや錫杖みたいに、使うのに熟練した技を必要としなさそうで、山芋を掘るチャンスさえあれば万人に開かれている感じなのも良い。一刻も早く、この道具を使って山芋を掘りたい。

というわけで、どこかで山芋を掘らせてくれる方を探しています。山芋掘らせて頂ける方、DMとかを頂戴できれば幸甚です。

https://twitter.com/qanta


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