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0118「NY子育て日報・6日目」

起きたら7時40分。ちゃんとこの時間に起きた日に限って週末なので学校はない。朝起きると今日は既に全員起きていて、長男と次男はマリオカートで遊び始めていた。ちょっと前まではゲームは1日何時間みたいのが決まっていたが、そこそこ適当になってきている。実は私自身は、当然ファミコン第一世代であるし、ゲームから学んだことは非常に多くて、子供の教育にはドラクエが一番良いと本気で思っているクチなので、まあ妻もいないとそのへんがゆるくなりがちなのだが、マリオカートはそんなに教育に良いとも思わないし、悪いとも思わない。マリオカートは楽しい。

恥ずかしながら、私はもはや長男にはマリオカートで勝つことができなくて、4回レースして1回勝てるかどうかくらい。つまり長男のミスを待って出し抜かないと勝てないくらいの実力差がついている。が、3-4年前までは毎回ボコボコに負かしていた。彼は常に最下位だったし、私は常にトップでゴールできていた。それがだんだん3位とか4位まで長男が追い上げてくるようになって、去年くらいから勝てなくなった。

その横で次男が案外うまくなっている。たまに逆走しちゃったりとか、空間認識で迷うことなどもあるようだが、堅実に走って6-7位くらいでゴールする。これは長男よりだいぶ早くうまくなっている。

それらはさておき、親としてはなるべくドラクエとか、ロジカルで反復性のあるものをやって、鍛えるべきものを鍛えて欲しいところもあるが、親の心子知らずなので、どうも刹那的なゲームばっかりやっている。

昨日掃除洗濯洗い物をしっかりやったので、環境が良い。環境が良い、というのは生活する上で本当に大事だ。掃除洗濯洗い物をするだけで、少なくとも荒んだ家庭、みたいなものには陥らなくて済むのだろうと思う。

そんな中、ジャムと一緒になっている子供向けのヨーグルトを次男と長女で奪い合ってケンカが始まった。最終的に、うまく分け合ってもらうことに合意してもらったが、このケンカが象徴しているのは、だんだん、妻が出かける前に揃えていた兵糧、というか生活物資に欠品が起こり始めているということで、まとまった買い物をしないとまずい感じが出てきている。

東京から来て、ニューヨークでのプロジェクトに巻き込んでくれている人たちに会わなくてはいけないので、子供たち1人1人を説得して、3人と合意して出かける。妻が出かけてから4人一緒に出かけるのは初めてだ。

ニューヨークの地下鉄に子供と一緒に乗るときは、結構気をつけたほうが良くて、車掌さんによってはものすごく、やや信じられないくらいの速さでちょこっとドアを開けてすぐにドアを閉めて発車しようとする人がいる。「まだ人入ってないよ!」というタイミングで閉めてしまうのだ。これは本当に怖くて、たとえば、子供がワーッと地下鉄に先に駆け込んで後から乗ろうとしたらドアが閉まっちゃって発車、みたいのは容易に起こりうるので、とにかくしっかり手を繋いでおかなくてはいけない。手を繋いでいても、乗車のタイミングはせーの、で親子一緒にしないと、いつどのタイミングで分断されるかわからない。あれは本当に危ない。実際、親子が地下鉄で離れ離れになって大騒ぎになった、みたいなことも聞いたことはある。

今日の我が家の場合は、長男は自力で家に帰れるので、長男と次男でしっかり手をつないでもらって、先に2人を乗車させる。私が長女の手をしっかり握って、後からせーので乗る、という感じにした。

ニューヨークの地下鉄は、「銀座線」とかじゃなくて「1トレイン」とか「2トレイン」とか「Aトレイン」とか、数字やアルファベットで定義されている。「Aトレイン」っていうのは有名な「A列車で行こう」の「A列車」だ。

で、今日は1・2・3トレインの14ストリートの駅から駅構内の地下道を歩いてLトレインに乗り換える、ということをしたのだが、この地下道でいつもギターを演奏していながら、ビートルズやボブ・ディランの曲を歌っている明るいおじさんがいて、この人は、6年前に移住してきた頃からずっといるように思う。なんでそんなに記憶に残っているのかというと、「めちゃくちゃヘタ」なのだ。ビートルズの曲を歌っているのに、よく聴かないとビートルズだとはわからない程度に壊れている。コードが弾けてない。

この人のすごいのは、恐らく6年間以上、毎日この場所で演奏しているにも関わらず、全くギターも歌も上達する気配がないということで、変わらずこんな感じだということだ。

毎日なにかをやるという習慣を続けているのはすごいと思うし、何より、映像にあるようにめっちゃ楽しそうなので、ある種、ニューヨークの街の幸福度を上げている存在だとは思うが、一方で、彼のように毎日「本番」で演奏していると楽器も歌もうまくならないのだなということで、「練習」とか、フィードバックループの中で意識的に改善を行っていくことというのはすごい大事なのだよなと思う。これは、英会話なんかも然りだと思う。

Lトレインに乗ってブルックリンに向かおうとするが、週末はいきなり不通になったりするのニューヨークの地下鉄あるあるで、途中駅で止まる運行になっていた。Lトレインはそういう意味で頻繁に変な運行になることで逆に愛されている感じもあって、アクセスするだけでLトレインの運行情報を瞬時に教えてくれるサイトなんかもある。

途中駅で降りて、振替輸送のバスで目的地に向かう。到着すると、近くの建物にスーパーマリオの?ブロックが描かれていて、子供たちが盛り上がっていた。

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いろいろと話したり、記念撮影をしたりしているうちに、雪が降り出した。結構な勢いで降っていて、すぐに一面が白くなってしまう。

2時間くらいいてから雪が降る街に出て帰途についたが、子供たちは久しぶりの雪にはしゃぐ。

次男は、「すごい! 秋田みたいだ!」と言って盛り上がっている。次男は新幹線が非常に好きな子供で、シンカリオンはもちろん、いつも東京から仕入れた新幹線のブックレットのようなものを眺めていて、秋田新幹線が走る雪国「秋田」という場所に憧憬を持っているらしいのだ。もちろん行ったことはなく、雪の中を走る秋田新幹線の映像しか見たことがないはずだが、ちょこちょこ「秋田行ってみたいなー」なんて言っている。で、「秋田だ! 秋田だ!」とブルックリンで雪の中、盛り上がっている。

長女は、「アナ雪」を思い出したらしい。寒いのでフードをかぶってほしかったが、「エルサになりたいの!」などと怒り、頑として雪を直接頭にかぶることにこだわり始めた。風邪を引かれても困るが、なにしろ雪の女王なので、フードなどかぶっては女王の名がすたる、ということなのだろう。

バスに乗り、地下鉄に乗って帰途についたところで、もっと雪を浴びたかった長女はガン泣きし始めた。普通に疲れて眠くなっているのか、機嫌が悪い。地下鉄の中では、ニューヨークでは珍しいことに、迷惑そうな顔をしてガンを飛ばしてくるおじさんがいた。ある種、子供にとてもやさしいこの街でそういうイライラに遭遇することはほとんどなかったので、逆にちょっとアレな人なのかもしれないと思って、ちょっと会釈する程度にしておいた。睨み返して子供に危害を加えられたりすると困る。

子供が泣くのなんて当たり前なのだし、子供なんて周囲に迷惑をかけるものなのだ。そして大人たちは全員子供だったのだ。日本では最近、「ベビーカー様」という言葉があるらしい。ベビーカーを押していて当然のように電車や公共施設で大きなスペースを専有する「厚顔無恥」な人々のことを指すらしい。「ベビーカー様」で検索すると、いろんな記事が出てきて目も当てられない。「子連れヘイト」なんていう言葉もある。

こういうのを目にすると、日本という国は、国民総出で追い詰められた状態になっているのではないかと思う。パワハラとかセクハラの話題なんかも絶えないが、ああいうのも、加害者の方々も追い詰められてしまって、ある種病的にそういう行動になってしまっているんじゃないかと思う(擁護するわけではないけど)。日本という場所は、素敵な国だけれど、生活しているとそういう追い詰められ方をするところはちょっとあると思う。

そして帰りも、同じ14ストリートの駅の地下道を通る。さっきのヘタなギターの人がまだ楽しそうに歌っていた。

泣く長女をなだめながら、家の最寄り駅に着く。昼飯を食っていなかったので、「今日はマクドナルドにしよう」と言うと、子供たちは喜ぶ。なんだかんだ、マクドナルドは人気だ。

家にマクドナルドを持ち帰ってみんなで食う。私はくたびれたのでちょっと休ませてもらうことにして横になったら、ついつい3時間くらい昼寝してしまったらしく、起きたら6時を過ぎていた。やばい。夕飯をつくらなくては・・・!

と思ってリビングルームに行ったら、子供たちが3人で、テレビで好きなYouTubeの映像を順番に観ながら、マックアンドチーズ(マカロニにチーズをからめたもの。アメリカの子供たちの間ではとても基本的な食い物。)をみんなで食べていた。

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長男が、父を起こすまいと思って、勝手に冷凍してあったマックアンドチーズを解凍して夕食にしていたらしい。単純に腹が減っただけなのかもしれないが、ありがたい。YouTubeを無法に観るのはいただけない気もするが、夕飯つくってくれたし楽しそうだからいいやと思った。3人で順番に好きなものを観ているというのが、まあ親としては普通に微笑ましい。

おもちゃの箱を開ける動画とか、まあ賛否両論あるし教育に悪いとか言う人もいるが、現実問題、そのへんを厳密に管理して子育てするのは相当疲れるんじゃないかと思う。それでちゃんとできている人は立派だが、私なんかはこの数日間でも3時間寝落ちする程度にヘロヘロなのだから、いろんなところにゆるさをつくって進んでいかないと持続性がない。

夕食も済んで、そういえば酒を切らしているなと思って、本当は小さい子供を家に残して出かけるのは法律的にもダメなのだが、長男はまあわりと大人だし、酒屋もすぐそこだしということで、「ちょっと酒屋行ってくるわ」なんて言って出かけようとしたら、次男が必死に止めてきた。次男は、法律というかルールに非常に厳しい。赤信号は絶対に渡ってはいけないし、横断歩道からはみ出て歩くと怒られる。次男は、私が次男と長女を置いて出かけると、私が逮捕されていなくなってしまうという危機感を持ったらしく、号泣し始めてしまった。「ダメだよ! 警察に捕まっちゃうよ!」などと言って必死に出かけようとする私を止める。そんなわけはないのだが、怖かったんだなと思って、長女を説得して一緒に出かけることにする。

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近所の酒屋で焼酎を買ってきて、洗い物などをしていると、長男がやってきて、2月の誕生日プレゼントはいらないから、次にフロリダのディズニーワールドに行ったときに、新設のスターウォーズのGalaxy's Edge(スターウォーズランド)に行って、自作できるライトセーバー($200くらい)を買って欲しいと言って、動画を見せてきた。

自作で、結構重量感のある、本格的なライトセーバーをつくれるらしい。フロリダのディズニーワールドは通しで行くとすごいお金がかかるので、お金貯めなきゃなーと思ったが、節約して春休みに連れて行くか・・・、と思った。が、今年は日本の現場があるから難しい気もする。

長女は相変わらず機嫌が悪くて愚図ついているので、ついに温存していたカードを切ることにした。

妻にFaceTimeする、というカードだ。

妻につながると、子供たちが一斉に電話の前に集まってきて、3人一斉に溜まっていた、ママに伝えたいことを話し始めて、全く何を言っているのかよくわからなくなった。しかし、このカードが効いて、長女はかなり溜飲を下げてくれて、落ち着いてくれた。

昨日、1週間位着替えていないことが発覚した長男に、今日こそは風呂に入って着替えろ、と迫ったら、次男と一緒に入った。ニンテンドースイッチを風呂場の横に置いて、好きなゲーム音楽をかけながら風呂に入るという、新しい技を開発していた。

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その脇で長女を寝かせる。疲れていたのか、ストンと寝てくれた。

風呂から上がった長男に、夕飯のお礼を言いつつ、長男と次男も床についた。

明日は長男のピアノの発表会だが、どうにもまだちゃんと演奏できるようになっていないような気がする。本人の勝手ではあるが、大丈夫なのだろうか。

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