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ガラパゴスとマクドナルド~文化的多様性と均一性について~

ユニークさについて島によってくちばしの形が異なる。どうも食べ物に依存しているらしい。食べやすい、獲りやすい形状に適応しているようだ。 ダーウィンフィンチが示す形態の特殊性は、絶海の孤島という外的要因が少ない環境で生まれた。 ガラパゴス諸島におけるニッチのユニークさは、進化論によって人口に膾炙している。 ここで問いたい。ガラパゴスを「ユニーク」だと感じるのはなぜなのか? もちろん、自分がマジョリティだと思っているからだ。ユニークというのはおおよそいい印象を与える言葉だが

中二病から抜け出せない大人たち

wikipediaからの引用(インデントのさせかたが分からないので、そのまま記述する)。 中二病(ちゅうにびょう)とは、「(日本の教育制度における)中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動」を自虐する語。 転じて、思春期にありがちな自己愛に満ちた空想や嗜好などを揶揄したネットスラング。 端的に言えば、「何にでもなれる自分を信じている」こと。 中二病であることの定義はこれだと私は考えている。 この精神状態を克服し、現実を直視し、「特別な何かにはなれないと気づく」

ボカコレがボカロ文化に与える影響(後半)

3.ボカコレの目的 利益だ。 当たり前の話だが、ボカコレを主催するドワンゴは株式会社であり、政府でもなければNPOでもボランティア団体でもない。 通常、企業活動は、そこに利益が生じる見込みがあるから行う。 ボカコレは利益事業の一環として行われているはずだ(私は社員ではないので、断定はできないが)。 ニコニコ動画やYoutubeといった動画配信事業は、主に広告費でペイされている。私たちがアップする動画は、視聴者を呼び込み、広告主の広告を見せるためのコンテンツだ。 各ボカロ

ボカコレがボカロ文化に与える影響(前半)

はじめにボカコレと呼ばれる投稿祭(決められた期間に参加者が一斉に曲を投稿するイベント)が一年に二回ある。 2020年12月に始まり、2023年8月の「ボカコレ2023夏」で累計7回を数えた。 ボカロ文化の祭典という位置づけであり、「お祭り」感を全面的に打ち出し、楽しむことを一義的に設計されている。 ところが、実際、渦中に身を置くと、お祭り感はあまりない。 投稿者はランキングに一喜一憂し、X上では様々な議論が展開され、特定の個人に対する誹謗中傷も引き起こされる。ボカロP

ボカコレ2023夏について~部外者になってみて見えてきたこと~

久しぶりにエッセイ以外のことを書いてみようと思います。 一応、DTMerを名乗っているし、ボカロPをしていた過去もあるので、ちょうど今開催しているボカコレについて書くことも、一つのけじめとしていいんじゃないかなと思いました、というのは共産党もびっくりなほど真っ赤な嘘です。 あっつい夏の午後、noteでエッセイでも書くか! と思ったんですが、特段のネタがなかったので、消極的に取り上げました。 タイトルだけそれっぽく書いたんですが、今のところ見えてきたことなど何も思いつきま

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ミエナイソウビの解説

ちょっと試しにnote使ってみます。 文字数気にせんでええので、 こないだの曲解説をやり直してみます! Intro |F|F#o|G|G#o| introはkey-CでⅣ-Ⅴの半音進行。 パッシングディミニッシュを使って、徐々に上昇。 気持ちが盛り上がる様子を出してみました! あと、ちょっとしたこだわりポイントは、最初のドラムソロ部からギターなどが入ってくる部分は7/8拍子使ってます。 楽器勢を食いで入らせてます。 1A |A|F#/A#|Bm|Em7| |GM7 G/A|D D/C|G A|D| 1Aでkey-Aに転調。 BmをピボットにしてDに転調。 転調後をスムーズにするため、GM7やG/Aといった、調性がしっかりしてない和音を配置して、GM7-G/A-Dでカデンツを構成。 そのあと、きっちりとG-A-Dでカデンツ。 ここは不安定な調性で、不安定な心を表現した!(つもり) 1B |G|Em|G|Em| |G|D D/C|Bm BmM7|Bm7 Bm0| |AM7|F#|Bm7|E7|A E7| Aメロ最後はD。そこからドミナントモーションでGへ転調。 G-D-D/Cでカデンツ。 Bmの半音下降クリシェを経て、AM7でぬるっとAに転調。 最後は普通の進行の中、メロディを上昇させることで転調準備。 ここもフワフワモジモジさせてます! 1Ch |F G7|Am7 C/Bb|F F/G|C C7| |D/F# G/F|E7 Am7|Dm7|Dm7/G| |F G7|Am7 C/Bb|F F/G|C C7| |D/F# G/F|E7 Am7|Dm7 Dm7/G|C C7|Dm7 G#|C| Cに転調。最初の2小節は上昇クリシェ。 次の2小節は、少し変化をつけた形に。 5-6小節はリハモをしながら下降クリシェ。 最後はDm7/GをG#に変えて意外性。 サビは力強い感じにしたかった! 1inter |F|G|Em Em/Eb|Em/D E/G#| ここは、key-Cのまま入って、Emからクリシェさせて、最後に転調の準備のためにメジャに。 2A |A|F#/A#|Bm|Em7| |GM7 G/A|D D/C|G A|D| interからAに転調。1Aと同じ。 2B |G|Em|G|F#m Fm Em| |G|D D/C|Bm BmM7|Bm7 Bm0| |AM7|F#|Bm7|E7|A E7| ここは4小節目に半音進行を入れたアレンジを追加。 2Ch |F G7|Am7 C/Bb|F F/G|C C7| |D/F# G/F|E7 Am7|Dm7|Dm7/G| |F G7|Am7 C/Bb|F F/G|C C7| |D/F# G/F|E7 Am7|Dm7 Dm7/G|C C7|Dm7 G#|C| 1Chと同じ。 2inter |F|Fm|Em|Am|F|Fm|Em|A| ギターソロ部はkey-Cのまま。最後で次のkey-Dへの転調のためドミナントを配置。 1D |D|G|A|F#|Bm|G#|C#|D#| key-Dへ転調後、key-G#へ転調。 最後をD#=Eb(key-Eb=key-Cm)にすることで、パラレルキーを介して次のkey-Cへの転調をスムーズに。 3Ch |F G7|Am7 C/Bb|F F/G|C C7| |D/F# G/F|E7 Am7|Dm7|Dm7/G| |F G7|Am7 C/Bb|F F/G|C C7| |D/F# G/F|E7 Am7|Dm7 Dm7/G|C C7|Dm7 G#|C| 変拍子を入れて、タメを作る。 サビは同じ。パーカッション等の音色増強。 outro |Eb|F|C|C|Bb|Bbm|Fsus4|F9 F| 最後はEbをみせながら、最終的にkey-Fに転調して、装飾音をいれながらトニックで終了。 ちょっと、ごちゃごちゃ書きましたが、こんな感じの構成になってます★ 小豆沢は、こんな感じのわりかしぐちゃぐちゃした進行が好きです笑

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気まぐれ子猫を捕まえて(楽曲解説)

ボカウォッチに出した曲の解説してみます。 ポップかつノリのイイ感じにしたかったので、 コード進行はシンプルにしてます。 intro |A|A|A|A| |A|C#7|F#m|Dm| |A|E|Dm|A| 1A |F|F|F|F C F| |F|F|F|F C F| イントロはkey-Aでシンプルめに……C#7とDmがダイアトニック外ですが、パラレルキーからもってくるコードでは超メジャどころかなと。 そのかわり、ギターソロはブルーノートスケールを中心にメロディを動かしています。 Aメロでは長2度下げて、key-Fへ。 ここはさらにシンプル! 緩急つけたい! という思いです。 1B |Gm7|C9|F9|D7| |Gm7|C9|F9|F7/E| |Bb|C|Am|Dm| |G7|G7|C|C7| |Bb|C|Am|Dm| |Bb|C|F|C E| ここも、わりとシンプル。 メロディが同じような感じで繰り返すので、 リハモするような形でコード進行を作っています。 最後にEを噛ませて転調準備。 ちなみに、この曲で最後の最後まで悩み続けて試行錯誤したのはこの部分の歌詞。 僕の”生”い思い「今すぐに髪を触ってみたいよ」 最初は、「僕の華奢な思い」としてたんですが、 女子に「髪を触りたい」なんて言う気持ちは、とうてい華奢ではない! と思い直し、イイ言葉がないかと思案してました。 そこで「僕のヤバい思い」ともしてみたんですが、長考してやめました。 自分の中のルールとして、流行り言葉を使うときは一呼吸置く、というのがあります。 使うときは使うし、嫌っているわけでは全くありません笑 流行り言葉というのは情報というよりかは、フィーリングを伝達するものじゃないかと思っているからです。 Q「モナリザを見てどうでしたか?」 A「やばかった!」  これは自分が衝撃、感銘を受けたこと自体を伝えようとしています。  話の主体はモナリザではなく、自分です。 Q「モナリザを見てどうでしたか?」 A「構図の正確さ、スフマート等の表現技法の巧みさ、色使い……どれも細部漏らさず見れば見るほど奥ゆかしさが感じられ、非常に興味深かった」  これは自分が衝撃、感銘を受けた事柄について伝えようとしています。  もちろん、話の主体はモナリザです。 「ヤバい」という言葉は良くない、日本語の美しい表現を……うんたらかんたら という批判がありますが、ワタシはそうは思いません。 使いどころがそもそも違うということです。 ワタシの感動をわかってくれーー!!!!! ワタシという人間をわかってくれーー!!!! って共感を求めてるときに「構図が……」 とは言わないと思います。 ここは地の文なので、もう少し説明的なほうがいいかな……と。 直観では「生々しい」が一番しっくりきたんですが、字数が合わない。 じゃあ、「生い」という形容詞はどうだ? 意味は通じそうだし、なければ造語として使おう、と(天邪鬼な小豆沢)。 一種のフックのつもり。 閑話休題……。 1Ch |A|C#m/E|F#m|F#m7/E| |D|Bm|E|E7| |A|C#7|F#m|Dm| |A|E|Dm|A| key-Aに転調。 後半はイントロと同じです。 タンバリンとクラップがフルで参加して、楽しい感じに。 inter |F|G|C|Am G| |F|G|C|C Bb A G| ここはkey-Cに転調。 一瞬のブレイクを挟むことで、唐突な転調も意外にスムーズ。 最後の小節でクリシェ的に下げて、転調の予感を。 2A |F|F|F|F C F| |F|F|F|F C F| 2Aははっちゃけましょう。 というよくあるテンプレートに従って、 少し崩しました。 シャッフルビートですが、4小節目だけはスクウェアでドラムを叩かせて、変化をつけました。 それにつづく5-7小節で、ドラムとベースが好き勝手に演奏する感じに。 イメージは、 Ba「よおし、ここはアドリブしちゃお! それっ! あ、あれっ?! キミもしちゃったのドラムくん? うん、まあ、仕方ない! 8小節目で合わせようね!」 という感じ。 息を合わせなかったバラバラのアドリブプレイで浮遊感が欲しかったのです。 ちなみに、小豆沢は本番でも練習でも毎回アドリブします。うまくいかないときのほうがはるかに多く、後で怒られます。 2B |Gm7|C9|F9|D7| |Gm7|C9|F9|F7/E| |Bb|C|Am|Dm| |G7|G7|C|C7| |Bb|C|Am|Dm| |Bb|C|F|C E| ここでのポイントは、最後の小節「OK?」の部分です。 ここは、変拍子を使っています。 この曲は、シャッフルなので、12/8で作っていますが、 件の小節は8/8にしてます。 2拍3連の1要素を4つ分です。 子猫ちゃんは「OK?」と告げた後、本屋に向けて急にダッシュしたのです。 その唐突感がこの変拍子。 2Ch |A|C#m/E|F#m|F#m7/E| |D|Bm|E|E7| |A|C#7|F#m|Dm| |A|E|G|Bbm7-5|Dm|A| この曲で二番目に悩んだのが、15-16小節のコードです。 素直に作るならその手前部分|A|E|を繰り返せばいいんですが、 それは嫌だ(天邪鬼な小豆沢)。 結構いろいろと試して(10回ぐらい変えた)落ち着いたところが|G|Bbm7-5|という進行でした。 outro |C|Eb D|G| ここはkeyとかはあまり考えず、2Ch最後のAから短三度でC、また短三度でEbというディミニッシュな流れを作りました。 結果的にはkey-Gになりました。 全体的に、ギターがずっと鳴る形にしたかったので、ギターが頑張ってます。 ソロ、バッキング、オブリガード、アルペジオ、ひたすら弾いてます! 想定は五人編成のバンド。 これでできるはず! 小豆沢の曲は、およそ4-6人のバンドで演奏できるようにしてます。 1:Vo,Clap 2:Gt 3:key(Or),Cho1 4:Ba 5:Dr,Tam,Cho2

ボカコレ2022秋についての四方山

次回以降のためにも、今回気づいたことをまとめておきたいと思いました。 自分の曲、ほかの人の曲、そしてあの論争について。 小豆沢の曲について今回はハロウィンの曲で出しました。曲調はいつもどおりのバンドサウンド。ブリッジ部でスラップを使いました。実は初めての試みです。 昔、どこかでチリペッパーズのフリーが「超絶テクとかじゃなくて、四分音符で聴かせられるんならそれがいい。それが好き」みたいな発言をしてて、ワタシも「そりゃその通りだなー」と思ってたので、歌うベースラインのようなも

音色を決めるファクタとその原理

ギターについての話ギターという楽器は、ピアノより少し自由度が高い。ピアノは張られた弦の特定の位置をハンマーで叩くが、ギターは弦を弾く位置を自分で決められる。ネックに近い部分、ブリッジに近い部分。どこでもいい。 ギターを触ったことがある人ならば、この自由度がもたらす影響力の大きさを知っているはず。 そう、音色が変わるのだ。 ピッキングポジション ブリッジに近いところを弾くと、音色が鋭くヌケが良いものになる。これは、高次倍音の量が多くなるためだ。EQでハイを上げた状態に似てい

ボカコレ2023春考察

はじめの長ーい話 本稿では「曲の良し悪し」に関しては一切触れません。そもそも、良し悪しというのは個人的主観的なことであり、客観性は一切なく、他人に強制できる類のものではありません。  「4分33秒」について、 A「今までの概念を打ち破ったエポックメイキング的な存在、畏敬を覚える」 B「なんじゃこりゃ。聴衆なめてんのか」  AB個人にとっては自分の意見は正しく、相手の意見は間違っています。好悪とはそういうものなので、「なんであんな曲が……」という感情は覚えて当然のことで

「美しい鮨」について

前置き  先日、急ピッチで仕上げたスピッツのオマージュ曲ですが、自分としても思いのほか良いできだったので、なんとなく書き連ねます。  まず、前提として、もともとワタシはスピッツが大好きです。今まで作った曲にも「スピッツっぽい」とコメントが入ったこともあり、多大なる影響を受けていると自分でも思います。  どこが好きかというと、一番は歌詞だと思います。あの世界観は他にはない。具体と抽象の狭間に置かれた言葉が、ワタシの心にさざ波を立てるのです。「放浪カモメはどこまでも」の「パジ

架空アニソン祭2023途中経過

小豆沢です。  ノートの方は、ほとんど読まれていないので、安心して色々と吐露していきます。制作裏話ということで、数少ない読者の皆様お付き合いください。  今回は「漫画がアニメ化したらどうなるか」というお題でやっています。小豆沢Qのキャラ的に――というか本人が抱える性格の大いなる問題的に――かっこよく美しくは追及できないので、やはり天邪鬼らしくエンタメとして面白い話にしたいなと思いました。  出ようと決めたのは昨年末だったと思います。勝ち組とんかつさんから「自分の漫画がアニ

架空アニソン祭2023途中経過2

 あともう5日あまり。一か月間ありましたので、物語で言いますとクライマックスです。昔、何かの本(確か「小説家になるためには~」的な本です)で、講師の大沢在昌さんが、「物語というものは、主人公をいじめていじめていじめぬくのだ」という主旨のことをおっしゃってました。  そのどうしようもない状態から、どうやって着地点を探すのか? 物語は破綻しないのか?   生徒からの問いに対する先生の答えは「考え抜けば答えはきっとでる」でした。うーんさすがのハードボイルド!(笑)  ハリウッド映

架空アニソン祭2023後記

小豆沢Qは失踪してしまいましたね。 では、今これを書いているのは誰なのでしょう? 野暮なことはさておき。 今回、とっても楽しませていただきました。ワタシがやりたい放題やっただけですが、思ったより反応もいただきまして、今までで一番楽しかったかもしれません。 最初に謝辞を持ってくるのは変な気がしますが、最初から最後まで変な設定でやり通しましたので、今更気にしません。 まずは、もちろん主催の白乃さん。「自分の漫画の主題歌ってことで出たら?」と最初のアイデアをくれたとんかつさ