ネットニュースをよく見る。見ていると、どんどん自分の興味のあるものにカスタマイズされてくるので、何だか気持ち悪い。そう思いつつ見てしまう。これは、最近流行りのＡＩイラストとか画像と似ているかもしれない。そんな、ＡＩイラストのニュースすら、流れてきて、自分がそれに興味があるのかないのか吟味する前に、手はもう見ている、考えてみれば恐ろしいことだ、だが恐ろしいと、やはり吟味する暇はない、何の暇がないというのか。ＡＩイラストに唯一利用法があると思うのは、巷で言われているイミテーションの能力や、揺さぶられる同一性、特殊なものの価値といったところにあるのではなく、ＡＩがある媒介をする瞬間に、それまであったものが、その姿そのままにして、スケールや解釈をずらし、何か別のものになっている瞬間だ。それは、言ってしまえばマジックとかだまし絵と同じものなのかもしれない。しかし、その媒介の瞬間に、何というか、人間の視覚それ自体のカラクリというか、その部品である歯車みたいなものが、見え隠れするように思える、だいいち、マジックとかだまし絵といったものも、素朴には見えるが、そういうものを明らかにしなかっただろうか。