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【100円ノート】アドラー心理学で時代を読む!第3回「他者への貢献」

年の瀬に滑り込みセーフ!

みなさんこんにちは、かんばやしです。

大みそかですね。


前回は「課題の分離をしているだけでは精神的にジリ貧になる」「それを越えるにはどうすればいいか」という話でした。

いよいよ今回は「他者といかにして関わるか」という話に入っていきます。


今回の他者への貢献の話で一旦アドラー心理学は一区切りです。

なので今回の話の枕は講義を通しで聞くと何がわかるかを簡単にまとめておきます。


講義を聞くとわかること

・人の心の成長のモデルが通しで掴める
・なぜ会社経営者がインタビューに企業理念として「お客様の笑顔を作り出すこと」を掲げるのか
・人にとって「働く」とはなにか
・アドラー心理学を通して最後に見つけた希望とは?


それではさっそく他者とどう関わっていくか、読み解いていきましょう!


その前に前回までのおさらいです。



他人の承認欲求に対して自己愛を確立することが課題の分離でしたが、

それをやっている人だって他人に対して承認欲求を抱きます。


しかしそうした「他人はダメだけど自分はいい」というスタンスだと、

誰も自分の言うことを聞いてくれない現実に打ちのめされ続けることになってしまいます。



その状態から脱却するために、自分の課題を自分でやるという決意をして自分の課題に取り組んでいきます。

アメが落ちてくるのを口を開けて待つのでなく、アメが欲しければスーパーや駄菓子屋に買いに行けという事です。


そうして自分の事を自分でできる・やるのが苦でなくなったら、

いよいよ他者との関わりに戻っていきます。


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順を追って説明していきましょう。

いまあなたは自分のことは自分でやろうと決意している状態だとします。


しかし、そんな自分を認めてもらいたいと思ってしまったら。


わかりやすい例が「定時退社」です。


他のみんなは残業している中、あなたは毎日定時退社しているとします。

帰ってビール片手に夕飯を食べ、好きなように家で時間を過ごしています。


他の人は「定時退社いいね!!」と持ち上げてくれるわけでもありません。


そんな中定時退社をしている自分を認めてもらいたいと思ってしまったら。

「どうしてみんな残業するの?」などと「匂わす」質問をしたら、相手が「は?」という顔をするのは当然として、


ここで考えるべきはあなたの心の動きです。


周りがどうであれあなたは意思を持って自分の選択をした、にもかかわらず慣れてくると今度はそんな自分を認めてもらいたくなってしまったのです。


自己完結した世界にいればいいものを、また承認欲求が顔を出してしまったのです。


周りが残業している中帰路に着き、楽しい時間を過ごすというのは自分にとってはいいことです。

しかしあなたの得はあなただけの利益であって、周りの人には関係ないのです。


たとえば親しくもない同僚から「こんなおいしいものを食べた」という報告を受けたとして、なんて返しますか?

「それはよかったですね」で終わらせるんじゃないでしょうか。


それと同じことです。


あなたがどんなに「こんないいことがあったんだ!」「ぼくはこんなにいいことをやっているんだ!」「こんな・・」と報告して回ったとしても、

「はあ、そうですか」で片づけられる話なのです。


あなたのハッピーに興味があるか、それ大事かどうかはあなたと相手の関係性によって左右されます。


あなたが「結婚しました」という報告を受けたとして、

「おめでとうございます」で済ませる同僚Aもいれば、

「マジで!?」「どこで出会ったん?」と馴れ初めを身を乗り出して聞きたくなる友人Bもいるでしょう。


じゃあ、大して付き合いがあるわけでもない会社の同僚が、自分たちと違う価値観を持ち、違う行動・ライフスタイルをしているあなたに

「君はすばらしい(ことをしている)ね!」と絶賛してくれる可能性はというと、残念ながら1%もないでしょう。


なによりその「認められたい」という承認欲求が問題なのです。


「みんなが残業しているのだから残業すべきだ」という価値観を振りかざすのは同調圧力です。


しかし「自分が定時退社をしているのだからみんなも定時退社してほしい」「定時退社している自分をもっと褒めるべきだ」

というのも同様に同調圧力なのです。

要するに自分への同調圧力が許せなかったミイラ取りがミイラになってしまったのです。


せっかく自分のことを自分でやるようになってもまた承認欲求に戻ってきてしまい、その承認欲求が満たされないことが苦しみなのです。


ではどうやってその苦しみから逃れるか。


ずばり「他人の承認欲求に対して自分の承認欲求を確立する」ことです。

自分にも「承認欲求」と「自己愛」があったと認めてしまうのです。


恥ずかしさやかなりの精神的苦痛が伴うかもしれませんが、それが受容の力です。

「認知行動療法」というものがあるように自分の感情を自分の認識に上げることで冷静さを取り戻し、自分の気持ちに振り回されなくなるのです。


自己受容の内「自己」は「自分のことは自分でやるようになること」

「受容」は「自分の自己愛と承認欲求を受け入れること」

だと考えます。


それができればあとはトントン拍子です。

自分に承認欲求と自己愛があると認められれば、他人にもそれがあると認められるのです。


それが他者信頼です。


他者への貢献をするのに重要なのが「他人の幸せを喜べること」です。

他人が利益を得ること、得をすることを喜べるようになることが重要なのです。


ひがみっぽい人は・・そうですね、例えば自分が100円を出して100円のものを買ったとして、

自分でお金を出したのに「利益を得やがって・・」と憎んだり、

100円のものを70円の割引セールで売ったのに、浮いた30円分を「得しやがって・・」と苛立つなど

とにかく他人が得をすることが大嫌いなのです。


しかし、他者に対して貢献しようと思うなら、

その「他人の得が許せない」という気持ちを切り替え、他人の得を喜べるようにならなくてはなりません。


それが「ありがとうを作り出す勇気」です。

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どこまで本気かはわかりませんが、会社の経営者が「そもそも会社を興そうと思ったきっかけは?」という質問に

「お客様の笑顔が見たい」「お客様の喜びに貢献したい」と答えるのは、

そもそも会社を作るという社会的な行為が「ありがとうを作り出す勇気」に基づいているからでしょう。


「ありがとうを作り出す勇気」を身に着けたら、今度は実際に他者への貢献を行動に移します。


その時にも大事なことがあります。

人によって何が利益なのかが違うのです。


例えば一人でこつこつ好きな事をやるのが好きな人もいれば、

口では放っておくように言っていても実は構ってもらいたい人もいます。

そういう(めんどくさい)人の話から相手の願望を見抜く洞察力が必要になるのです。


そしてもっと大事なのが、良かれと思ってやったことが相手の気に障った場合です。


相手が嫌がっているのに、「これはいいものなんだ!いいものなんだ!いいものだー!!」とゴリ押しするのは

相手に貢献を求める承認欲求であり、それは善意の押し付けです。


相手のありがとうを作たいというのが、相手に自分への貢献を求めるのでないかをわかっているのか一番出るのが失敗した時です。


例えば相手の欲求がAなのに、自分はBやCを提案してしまった。

その時に自分が間違えてしまったことを受け入れることができるか?


相手のありがとうを作たい人は、良かれと思って行動したことが裏目に出た時、相手に怒ることなく、

自分が失敗してしまったこと・相手の「No」という返答を受け入れるのです。

それが嫌われる勇気です。


ただ自分が認められたいという承認欲求と、ありがとうを作りたいという承認欲求が根本的に違うのが、この嫌われる勇気があるかどうかです。


「断るなんて許せない!正しくなければ許さない!悪はぜったい許せないー!」と思ってしまう人は、結局相手にだけ貢献を求めています。



一方相手のありがとうを作りたいという人は、相手が断ったとしても自分の自己愛に抵触して「キーッ!」とはなりません。


まさに、提案への拒絶が自己愛に触れるか否かは、本当に相手のためなのかどうかの分かれ道です。

それを逆手にとれば、自分に提言してくる人の見極めにも使えるでしょう。


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こうして嫌われる勇気を身に着け、他者への貢献ができるようになったら成熟し、自分も大人になったことを実感できる・・・・


と思うじゃん?

話はこれで終わりません。



相手のありがとうを作ろうと日々頑張れるようになったという人はそれがあたり前になっています。

それはそうした決意をすっかり忘れてしまっているという事。


月日が経つと魔法が解けて、段々他人のイヤな所というか直してほしい所が目につくようになっていきます。

お互い助け合うことがあたり前になった時、些細なきっかけからその信頼関係はほころび始めます。


直してほしいなぁと思いお願いしても断られたり、

それがダメそうなことにストレスを感じ、

段々その人や世間にさえ苛立って、しまいには壁を作るようになる・・・・


原始的な承認欲求が顔を出してくるのです。


他者貢献(無意識)→承認欲求→課題の分離→自己受容→他者信頼→他者貢献→→→承認欲求→課題の分離→自己受容→他者信頼→・・・


という流れを人は生涯繰り返すのです。


そう。承認欲求の前には「他者貢献」があったのです。いわゆる素直な時代です。


このループは人間関係にも当てはまります。


例えばお互い好きになって恋人になったとして、気持ちが盛り上がっているうちは特に相手に不満はないけど、

段々相手のイヤな所が目につくようになり、「直してほしい」と言っても聞いてもらえず、

不満がたまり、相手を敵視するようになり、相手との間に壁を作るようになる・・・。

そして関係を解消して別の人を見つける人もいれば、お互いの関係を見つめなおしてやり直す人もいるし、冷え切った関係を続ける人もいる。


これは物事への取り組みでもそうです。


出かけようとして雨が降っていれば「雨やまないかなぁ」と思い、

部品を工場で作るなら図面通りのものが出来上がること、機械がちゃんと作動することを祈る。

われわれは物や自然現象に対してすら承認欲求(コントロール願望)を抱くのです。


他者(人)に対する承認欲求が社会への承認欲求とするなら、目的の達成の望みや自然現象に抱く承認欲求は「世界への承認欲求」と言えるでしょう。


人間は承認欲求から逃れることはできないのです。


しかしその承認欲求から逃れる方法が一つだけあります。


そもそも他者への貢献といっても自分が貢献したいと思う人の力になろうとするのです。

そしてそうでもない人、気に入らない人には課題の分離や承認欲求を抱いたままとなります。

ある人に対しては貢献したいと思っても、それ以外の人にはちゃんとすることを求めてしまう、ちぐはぐな状態になっています。



ということは分け隔てなく貢献したいと思えるようになればいいのです。


貢献したいと思える相手でも徐々に直してほしい点が目立つのは、気持ちがズレていくから。

であればどんなところでも受け入れるようになればいいのです。


どんな人でも、どんな一面でも受け入れて貢献する。

それが「全体への貢献」です。

そうやって自分がイレギュラーに感じることをなくしていけば、他者への貢献の段階に留まっていられる。これですべて解決!



・・・・・・うん、無理。

性格が合う合わないとかは必ずあるし、どんな人のどんな面でも受け入れるとか無理ですよ。


ならばわれわれは承認欲求そして自己愛と付き合っていくしかないのです。


しかし、自己愛と承認欲求のコントロールには自己受容が必要だとしても、大体の人は自分の事は自分でやるという決意をする前に社会に放り出されます。

承認欲求と自己愛が強く、それをコントロールできない人は人間関係に向いていません。


友人関係、恋人、結婚生活から子育て、そのほかあらゆる方面でコントロール願望をぶつけてしまい、社会での活動がうまく行きにくいのです。

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自己愛をコントロールするには、自分を受け入れるしかありません。

なのでまずは自己受容、自分の事を自分でやると決意できるようになる必要があります。


私がこのメルマガを書いているのは、「知る」という事がそのループに耐える力になるからです。

気持ちの揺れ動き方を知ることで、戻ってくる場所をを頭に入れることで、心が乱れたとしても戻って来られるようになるのです。


それを皆さんに提供することが私なりの他者貢献です。



そして自分の事を自分でやると決意したうえで、誰かのために行動しようと思う人はそうしていくでしょうし、

自分の事ができればそれでいいと言う人は我が道を行くでしょう。


よって、人にとって働くという事は

「自分の事を自分のためにやる」もしくは「他人のためにその人が喜ぶことをやる」またはその両方である

と結論付けます。


自己受容と承認欲求の間を行ったり来たりする人もいれば、

自己愛と承認欲求の間を右往左往して終わる人もいるし、他者貢献に始まり他者貢献で締められる人もいます。


どんな道を行くのかは我々次第なのです。

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最後に希望の持てる話をひとつ。

今までは他者に対する自分のスタンスについて語ってきました。

他者に対してどう行動するかという話です。


では他者に貢献してもらった場合は?




他人の貢献を素直に受け入れられる勇気が「ありがとう」と言える勇気です。


そしてそれこそが、



幸せになる勇気です。


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それでは今回はここで閉めたいと思います。長丁場になりましたがここまでお付き合い本当にありがとうございました!


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