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個人のブランディング 過去の自分への執着を捨てる。

Voicy No.0216 2022年9月26日放送
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個人のブランディングでは、過去への執着があるとうまくいきません。突き抜けたければ、今までの自分から離れて考えることです。

ファンが増えないとき


セルフブランディングのときに、「過去の自分に本当の自分がある」といった捉え方が大流行しているようです。

自分が昔好きだったものに立ち戻ることが、自分のあり方として本当の自分だとか、自分らしさを考えるときに、過去に感動したことがあなたらしさだとか言われがちです。

幼少期、物心ついた辺りの自分の感動が、本来の自分説というのもよく聞きます。

個人がブランディングしてこれからのあり方を考えるとき、過去への執着が手足を縛っていると率直に思っています。アドバイスやプロデュースのために個人の方と接していくと、過去から脱却できないからこそ今の時代とずれてしまって、ファンが増えないことがかなりあるのです。


個人もブランドになろう。


個人のブランディングは、タレントやプロスポーツ選手になるためとか、突出することでビジネスを成立させるインフルエンサーやオピニオンリーダーになることだけではありません。

自分の周りの人にファンになって、応援者になってもらって「あなたじゃなきゃダメ」というものをつくり、それを理解してもらって物事を進めやすくすることが、個人ブランディングの意味合いです。

ですから、特に露出する仕事をやってなかったとしても、ブランドになったほうがいい。

あなたがこういうあり方とライフスタイル、メッセージ、哲学、主義主張を持っていると周りの方がわかってくれれば、協力してもらいやすいからです。


答えは過去にあるのか。


自分の棚卸しをするときに、過去好きだったものとか感動したものを確認するのはありです。

そこを踏まえた上で、それを中心にやるのか全部捨てるのかは、今の自分から考えて、これからどういう自分をつくり上げていくかで選択したらいいのに、なぜか「昔の自分が本当の自分」となる。

それは可能性を狭めることに繋がっていると思っています。

変わりたくない人は、過去に執着しても別にいいでしょう。

今の自分より魅力的になりたい、今の自分より周りの人からの支持を得たいと思ったときに、今のままだとそういう状況がつくれないから、変わる必要があるわけです。

今よりも突き抜けたい。でも今のままだとそうならない。だから変りたいと思っているのであれば、過去の自分を引きずっていても同じ結果しか出ません。

別なものを軸にしたり、別なライフスタイルを中心に据えたりするものを置いたほうがいいわけです。

でも、変われない人は自意識過剰でかっこつけていて、突然こんなことを変えたり、突然こういう主義主張とかスタイルにすると、周りから変だと思われるんじゃないかと言ったりします。

それは自意識過剰だし、かっこつけているとオレは思うのね。

誰もあなたの過去からのつながりなんて気にしていません。

しいて言えば、お母さんぐらいです。

過去と違う行動特性とか格好、過去と違う場所に遊びに行ったりしていると、「どうしたの?」と言われるかもしれません。

自分をしっかりリブランディングして、今以上に周りの方からも支持を得たいなら、過去からのつながりなんか変えてもほかの人には全然わかりません。

どうしたのと言われても、中学生や高校生ではないのだから、放っておけばいいのです。


「大学デビュー」という言い方


例えば田舎でも東京でも、高校に通っていたときは真面目というか、周りと同じような感じで、つつがない格好や主義主張でみんなと遊びも合わせていました。

けれども大学になったとたんに、すごくイケてる感じになろうとして、ファッションや髪型、美容に気を遣って、はやりの場所に遊びに行ったりして「大学デビューはいつ?」みたいな話があります。

それの何が問題なのだろうと思うわけ。

大学デビューどころか、20代後半でも30代デビューでも、40歳、50歳、60歳、70歳からでも、自分の中心に据えるテーマとかライススタイルを、がらっと変えてしまえばいい。

大河ドラマの主人公のように、なぜみんなが自分を監視していると思い込んでいるのでしょうか。


松平健とマツケンサンバ


マツケンサンバの松平健さんは、ニュービジネスの分野でVチューバーやeスポーツの分野でも、『24時間テレビ』のようなオールドスタイルな国民的番組からも声が掛かります。

松平健さんは元々、時代劇の世界で主役を張っていて、『暴れん坊将軍』『東山の金さん』が代表作の人。

彼が大事にしてきたことは、京都太秦の撮影所で時代劇を粛々と毎週きちっと撮ることだったでしょう。

殺陣とか乗馬、着物の着こなし、時代劇とか京都の撮影における序列の中でトップを張って、プライドを持ってやってきたことがいっぱいあると思うけれど、個人のリブランディングの大成功例だと思っています。

格好だけは時代劇の金ぴかバージョンですが、あれだけ伝統の世界でトップを張ってきた人が「金ぴかの格好をしてサンバを踊ったらウケますよ」と言われて、すぐ納得したでしょうか。

相当な勇気が必要だったはずです。

本人や周りも、相当なリブランディング(新しいスタイルでやること)に引っかかりがあったと思います。

今、演歌を聴く人が軒並み減っていて、紅白でも演歌の人が選ばれるのはなぜだという声があります。

小林幸子さんも千本桜とか、アニメとかボカロの世界の曲を歌ったりして、『ザ・マスクド・シンガー』というアマゾンプライムの番組に出たりしています。

彼女も過去の自分に執着せずに、リブランディングして今の時代のものをどんどん取り入れています。

「昔の演歌のイメージを捨てた」という人も一部にはいるでしょうが、それを気にしていたら今の時代に合った支持を得られません。

これらは世に出ている芸能人のケースですが、個人のブランディングを考えるときは「今までこうだったから」というところから離れて、それを上書きするようなテーマ性やビジュアライズイメージも、全然ありだということです。

コテツでした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
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久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
Instagram https://instagram.com/q.kotetsu/?hl=ja
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