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イケてるダサい。すごいすごくない。の話。

Voicy No.0231 2022年10月26日放送
本文をVoicyの音声で聴きたい方はこちらからどうぞ

人生や経営のステージは、あなたが持っている設定で決まります。好き嫌いが分かれるのもブランドだからこそ。嫌われることを恐れずに、価値観を変化させて次のステージに進みましょう。


方法論で経営は変わるのか。


オレ自身も会社経営を二十数年やってきて、当然、会社を成長させたいと思ってきました。今は自分の会社だけではなく、クライアントさん、グループコンサルティング、コテツゼミ関係の方から、ビジネスとかブランディングに関するご相談を毎日受けていて、今日も遅くまで4件、企業やタレントさん、プロジェクトの打ち合わせでした。

とにかく経営状況を突破して良くしたいと、いつも考えています。

クライアントさまを見ていると、ほとんどの人が「やり方」に着目しています。方法論さえ手に入れればうまくいくと思っているから、集客方法がはやったらそれに飛びつき、バズらせる方法がはやったら、それに飛びつくわけ。

しかし、方法で業績が変わったりしません。

人生のステージを突き抜けてうまくいく人、何かを成し遂げたり売れたりする人は、方法論じゃないのです。掛けたブレーキを突破するのも方法論ではできません。

その人とかその会社が持っている価値観、世界観、世の中やビジネスに対する解釈が変わったときにしか、大きな成長や業績アップは起こらないのです。


新しい設定に変えていく。


オレも含めて誰もが自分を巡る環境とか状況、ビジネスとか人生に対する解釈を持っています。解釈とは「これってこういうものですよね」という設定のこと。

やり方だけ取り入れても、その設定の中でやり方を駆使しても、設定のほうがコントロールしている範囲が広いから、設定に引きずられてうまくいきません。

ブランドがうまくいくには熱狂的支援者が絶対に必要です。

コテツブランド論の根幹で、うまくいかない人は、ちょっと誰かと知り合いになればうまくいくと思っていて、自分を強く支援している熱狂的支援者に賭けられない。全ベットしないのです。

ちょっとした有名人とちょこちょこ話したり、少し知識を持っている10人、20人話したりして、知識のつぎはぎでうまくやろうとします。

でも、自分の人生を変えてくれるようなキーマンにあなたを大きく引き上げてもらう機会がないと、商売も人生も大きく飛躍することはありません。

オレは人生で何度も、そういう方との出会いで、ビジネスとか人生のステージが一気に10段抜かしで上がったりしました。

ただ、ほとんどの人は自分の設定とか世界観以外のものがあると思えず、新しい設定を「今まで見てきた何々みたいなものだ」と勝手に解釈します。

ビジネスモデルとか人生観の設定を変えられないのです。なぜだろうかと思います。


嫌われるのがブランドだ。


一人一人が持っている設定とか世界観、いわゆる価値基準と解釈は、どこに現れるのでしょうか。

イケてるとかダサいとか、すごいとかすごくないとかは人によって全然違うし、そこに全員そろった答えが必要だと言いたいのではありません。

日本人は「これは今イケていますか。みんなはどう思いますか」と、どこかに答えがあると思って、みんなの話を聞きすぎなのです。

自分がブランドオーナーとしてやるときは、万人がどう思うかなんてどうでもいい。
好きか嫌いかなら、嫌われるのがブランドです。

ルイヴィトンのモノグラムだって、めちゃいいという人と、モノグラムはダサいという人で完全に二分するでしょう?

ブランドというのは、そもそも好き嫌いが分かれるものなのに、日本人は「みんながいいと思うものはどんなものですか」といって、聞かなくていい人に、わざわざ意見を聞いています。

そしてユーザーの声に逐一耳を傾けるうちに、超つまらない、誰にも刺さらない、誰が見ても「ほどほどいいんじゃない?」というものをやることになる。

イケてる、ダサいの価値観を変えていくことが、自分の設定を変えていくことに非常にダイレクトにつながってきます。


ヘタウマ系ゆるキャラ


「すごい」と「すごくない」についても、この前打ち合わせをしていて思ったことがあります。

目の前で起きたエピソードと世界のほかの国の人と仕事をして思うことを言うと、とある打ち合わせで、ある商品の絵柄をどうするかという話になりました。

その商品でどういうお客様を狙うか、どういうターゲットにその商品を刺さるようにするかというのはもちろんあります。

ちょっとすっとぼけたキャラクターのLINEスタンプのような、ヘタウマな絵も候補に上ったし、もう一方で、きっちり書き込まれた絵画のような絵も候補に上ったわけ。

日本人には、きちっと書き込まれた絵画がすごいという思い込みがあります。ヘタウマ的な、ゆるキャラ的なキャラクターを、たまたまその会議では下に見る傾向でした。

正直、この考えを古いと思いましたが、これは「何がすごいかと思う」という基準が、そういう基準だということです。


価値観を変え続ける。


今はスマホやタブレットで見ているから漫画を読んでいるかわかりませんが、10~20年前は、『週間少年ジャンプ』を山手線で広げてサラリーマンが読んでいると、「社会人になってジャンプなんか読みやがって」という時代でした。

つまり、漫画を読んでいることは、全然すごくなかったわけ。

しかし、フランスでは日本の書き込まれたアートなんて全く評価していません。
フランス人が評価しているのは、漫画とアニメです。

オレは「漫画とアニメはすごいよね」と認めたほうがいいと言っているのではなく、自分の中に、すごい、すごくないの基準があるわけ。

「Twitterでフォロワーが多いとすごい」というのも、ビジネスとどう関係があるのと思いますが、そういう価値基準を持っているということ。それを変えていくことが、自分のステージを次に進めるためには必要だったりするのです。

イケてるとか、ダサいに対する感覚を固定化しないこと。
イケてる、ダサい、すごい、すごくないが固定化されたときに、老いが始まります。

価値観の変容が起こらなくなったら、もうお年を召したということです。
感覚的、知識的な老いは、年齢では計れないと捉えています。

以上、久々野智小哲津でした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
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久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
Instagram https://instagram.com/q.kotetsu/?hl=ja
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