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【CI刷新プロジェクト Pt.02】 コーポレートステートメントの考察

弊社のコーポレートアイデンティティ刷新の内側をお届けするシリーズ【CI刷新プロジェクト】のPt.02として、今回は「コーポレートステートメントの考察」について書いていきます。(前回 → Pt.01:CIを刷新する理由
本項のプロセスは少々長いため、以下の3つの記事に分けて書いていきます。

コーポレートステートメントの考察
1.  現行ステートメントの現在地、ヒアリング、分析(←本記事)
2.  ステートメントの解剖
3.  ステートメントの整理・細分化、イデオロギーの定義

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現行ステートメントの現在地

今回の「コーポレートステートメントの考察」は、プロジェクト全体を見たときに「どこが良くて、どこらへんが悪そう」なのか、医師の診察のようなプロセスとして捉えています。
もともと、現行のステートメントは立ち上げ時に作ったものではなく、4〜5年前に当時のスタッフの発案によって現在の言葉にまとまった経緯があります。当時は一制作会社としてどのようにチームアップしていくかの下積み期であったため、会社としての統率やブランディングのベクトルが明確ではありませんでした。一方で、立ち上げメンバーである徳尾と廣重のコンセプトは明確な指針のもとで決定されているため、伝えたいこと自体は言葉に絞られて表現されている、という状態です。「言葉として指針は表現されている」けれど、「明確な目的を持って定義をした訳ではない」というのが今に至るまでの状況となっているので(←現行ステートメントの現在地)、まさに「どこが良くて、どこらへんが悪そう」なのかを考察する絶好の状態と言えます。

この様にまず、前段で現行ステートメントの現在地を正確に測ることで、刷新する必要性を整理するところから始めていきます。

CEOとCTOへのヒアリング

刷新する必要性を徐々に整理していく中で、現行のステートメントを考察するために重要になってくるのが、ヒアリング(インタビュー)です。ビジネスでも同様ですが、情報をより多く持つことで、目的を達成するまでのルートを正確に把握していきます。
今回は、徳尾、廣重、私神宮の3名でmeetsを繋ぎ、現状Qlipに対して思っていることをどばーっと語ってもらう形式で、議事録を書きながらdocumentにまとめていきました。

もともと、私自身フリーランスとしてメインで活動していたときからQlipの仕事もお手伝いしていたので、ある程度 “Qlipらしさ” については把握していました(廣重とは前職の師弟関係でかれこれ8年くらいの付き合いです)。ただ、やはり外からは見えない志やビジネスの捉え方は沢山あるもので、以下の様な特徴的なキーワードが結構出て来ました。普段仕事をしていて何となく感じとれる部分でもあり、また良い意味での驚きでもあります。

  • 人の人生に衝撃を与える様なモノづくり [徳尾]

  • 様々な業界と携わる業態としての立ち位置 [徳尾]

  • 社会にインパクトを与えるというより、個に強くフォーカスをあてたい[徳尾]

  • 美しくてイケてるものを作り続けたい [廣重]

  • 人と向き合い、関わる全ての人と一緒に成長する [廣重]

  • 些細なことでも全力で取り組むプロ意識 [廣重]

外から見ていたら気づかなかったであろう徳尾の「社会にインパクトを与えるというより、個に強くフォーカスをあてたい。」は良い意味で驚かされましたし、廣重が挙げたモノづくりに関する事項はQlipらしさが全面に出るキーワード群です。
これらのキーワードはCI刷新の潤滑油的なものでもあるので、全キーワードに関連する意味や温度感などをすべて聞いて確認し、しっかり把握していきます。

会話をしながら、各キーワードの認識の齟齬を埋めていき、全キーワードの意味を把握できたら、次にそれらを吟味して、徳尾と廣重が持っている源泉となるキーワードを絞っていく作業を行います。本件では以下の様に見立てることが出来ました(この時点で伝えたいことがブレていないかの確認も行います)。

徳尾
人生の転換期(変化)を作って行きたい(社内外問わず)。
人生観が変わる様な瞬間やキッカケをつくりたい。

廣重
Qlipは成果を出すために一生懸命考えてアウトプットする、
人(人材)を大切にする会社。

この絞り込みは、ヒアリングでの解釈をある程度自分なりに織り交ぜつつまとめます。大枠、伝えたいことの方向性や表現に大きな齟齬がないことを確認したら、この2つのキーワードを念頭に置きつつ、現行のステートメントがCEOとCTOが伝えたいメッセージとして表現されているのかを、分析していきます。

既存ステートメントの分析

まず、どの様にして分析を進めていくのかという点ですが、今回は、既存ステートメントの「モノづくりで人と社会をエンパワーし、世の中をシンプルに美しくする。」で採用されている単語に注目をしてみました(そもそも外向け・内向けにしっかり伝わる表現になっているのか?という観点での考察です)。
注目したキーワードは、「エンパワー」と「シンプルに美しく」です。

「エンパワー」と「シンプルに美しく」に注目した理由

なぜ、この2つのワードに注目をしたかと言うと、ヒアリングフェーズにて絞った徳尾と廣重のキーワードが、「エンパワー」と「シンプルに美しく」に関連づけられる要素がそれぞれに含まれているためです。
詳しく見ていきます。

エンパワー
徳尾の「人生の転換期(変化)を作って行きたい(社内外問わず)。人生観が変わる様な瞬間やキッカケをつくりたい。」は、「力や機会を与える」という点において、エンパワー(empower)という言葉がフィットします。この言葉は、「権限を与える」「力をつける」「自立させる」などの意味を表し、個人や団体が自分の力で目標を達成できるようにサポートすることを表します。そういった観点から、エンパワーは徳尾が持つ意見に最も近しい意味合いである点が分かります。

シンプルに美しく
一方で、廣重の「Qlipは成果を出すために一生懸命考えてアウトプットする、人(人材)を大切にする会社。」は、制作視点の要素が含まれており、Qlipのクリエイティブをずっと担って来た廣重ならではの意見です。その点を踏まえると、「シンプルに美しく」する対象が制作周りのアウトプットに起因することが想起できます(この点、外れていないかの確認をしっかり行います)。

この様にまとめていくと、2つのキーワードがCEOである徳尾とCTOである廣重それぞれの視点から導き出された言葉であることが分かって来ます。冒頭でも記載したように、CEO・CTO2人の意見がステートメントの意味の上ではしっかりと反映されていることが分かって来ました。

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今回の記事は以上となります。
次回の「ステートメントの解剖」は、現行ステートメントにいよいよメスを入れていくフェーズの内容となっています。「どこが良くて、どこらへんが悪そう」の「悪そう」な部分について、深掘りしていきます。

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