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Vol.3 アパレルのマーチャンダイザー・MDに関して

第3回目はアパレルの職種の続きで、MD(マーチャンダイザー)について投稿します。

これまで 私は2社、アパレル系企業の商品企画職を経験してきました。

1社目が大手店頭アパレル企業I社、2社目が大手アパレル通販企業N社です。

会社によって MD の立ち回りは若干変わってきますが、一般的なマーチャンダイザーなるものの考えと、私が経験してきたアパレルと通販の MD の内容も記載させていただきます。


1.MD(マーチャンダイザー)とは

MDは商品企画面でトータルで戦略を立てる、非常に大事なポジションです。

・マーケットをリサーチし、トレンド情報を掴む
・自社の強み、弱みを知る
・顧客志向を理解する
・競合の動向を把握する
・商品を企画立案する
・いつ販売するのが効果的か考える
・その商品の販売価格を決める
・仕入先、生産先を選定する
・会社に利益をもたらすコスト計算をする
・商品が納期通りに入荷するか管理する
・その商品が何枚売れるか予測する

と、主だったこと列記しましたが、とにかくアパレル企業の中でMDという職種は本当に重要なんです!笑

MDの判断が会社の損益に大きく関わってくるので、非常に強い責任が求めらます。


2.MD(マーチャンダイザー)に求められる能力

これもめちゃくちゃあります。
注釈をつけて列記します。

・トレンドを掴む力
簡単にいうと、センスです。デザイナーとは違った目線でのセンスが必要。ただ単にトレンドを反映した商品を企画するのでなく、そのトレンドが自社の顧客に好まれるかを考え、重要なトレンド要素だけを掴み、落とし込む力が必要。

・状況分析力
商品においても、業界の動向においても、現状の自社の立ち位置を把握する。そして、そこからどう動くか、どうしていきたいかを導くための力。

・数値感覚
いつ何がいくらで何枚売れて、いくらの利益が出て在庫はいつまでに消化して、追加を何枚いつまでに納品する、みたいな感覚の話。

・企画構成力
企画した商品を並べたとき、どんな売場にする、したいか練る力。尖った奇抜なものばかりでも駄目。シンプルベーシックばかりでもつまらない。このジレンマを解消する構成を考える。

・判断力
商品面では、サンプル確認、品質のチェックなど。数値面では、仕入れ枠の管理、納入コスト決めなど、任される責任量が多いので、多数のことを素早く判断して進めていく力が必要。

・コミュニケーション能力
企画立案はプランナーと連動。商品企画はデザイナーやパタンナーと連動。ものづくりは生産担当や物流担当や取引先と連動。販促活動は営業、プレスと連動。
などなど、社内の各部署と関わりが必須で、こちらから「この商品はこうだから、こうして欲しい!」ということを発信し、伝えていかなければなりません。正直これが一番大変で、これが一番大事な能力かも、、


3.MD(マーチャンダイザー)に必要な知識

ぶっちゃけ知識は無くても、感覚がいい人はMDを出来ます。

数値計算は出来ないけど、おしゃれで可愛い商品をどんどん企画し、ゴリ押しで売れ筋を作っていくようなMDもいます。

上記で挙げた「トレンドを掴む力」がズバ抜けて高いMDの例です。

結果論売れるのであれば、細かい知識は無くても出来ますが、無いよりかは絶対あった方がいいと私は思います。

どうやって生地は出来て、どんな風に縫製されて、それにはどれくらい時間を要するものなのか。色展開するときのカラーリング、Mサイズ、Lサイズの体型の違い。など。

こういうのがわかってると、やれる企画案が広がっていきますし、何より商品に対する完成度が上がり、結果お客さんから「あそこの商品って○○がいいよね!」という信頼につながり、リピートが高くなります。

ちなみにMDをやるのに必要な資格はありません。
有名な業界の資格では、TES(繊維製品品質管理士)があります。

これも無いよりあった方がいいですが、資格の有無よりも、「2.MDに求められる能力」で挙げた能力を保有しているかどうかが大事だと思います。


4.まとめ

私自身MD業務が好きなのでいろいろ書かせていただきましたが、MDは本当に大変です。

でも大変なのは当然です。

だってMDをするというのは、会社からそのブランドの運営を任せて貰えてるのと同じで、自分でプチ経営をやらせて貰ってるようなものです。

その分業務量や責任感は半端ないですが、とてもやりがいのある、面白い職種です。

アパレル企業で働きたい!いずれファッションビジネスを経営したい!自分でブランドを立ち上げるのに学びたい!という人には、是非おすすめの目指していただきたい職種です。


以上がMD(マーチャンダイザー)の内容です。

私がやってきたそれぞれの会社のMD業務の経験談に関しては、次回投稿させていただきます。

ご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

よろしくお願い致します

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