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ミラクル珍道中作家時代②

販売してもらえるお店がある!
少しばかり作っただけで味をしめたQQ女は以前住んでいたNYに売りに行こう!と企んだ。
NYの人たちはどんな反応をするのか?
とりあえずあてはないが路上で売ってみるか?
と思い立つ。

仲の良いカメラマンの友人に話すと一緒に行くという。
よし、それは心強い。
それでは行ってみよう。

アメリカなどでは「サブレット」と呼ばれる、一時帰国などで数日家を空けるので誰かその間ここに住みませんか〜?といって部屋を又貸しするという事をよくやる。
特に日本人同士とかだと部屋もそんなに汚さないので重宝される。

ちょうどよい期間でサブレットが見つかり、そこでだったか、私がNYに住んでた頃からの知り合いの人にだったか忘れたけれど、なんか折りたためて運べる棚みたいなのを借りいざマンハッタンの街へ!

NYでは「それ良いね!」とか「それどこで買ったの?」とか結構みんな話しかけてくる。
(20年ほど前情報)

移動中、地下鉄でバッグを持っていても「自分で作ったの?いくら?」「きれいね」とか声をかけてくれた。

そんな言葉でニマニマしながらSOHOちかくの通りに陣取り商品を並べる。(勝手に)

私はバッグを並べ、友人は写真を後ろの壁に貼り立っていると色々な人が声をかけてくれた。

赤信号で止まった車が車道から大きな声で「それいくら〜〜?」と声をかけてきた。
値段を伝えると思ったより高かったらしく残念そうに「ビューティーフォー」といい車に乗り込んで去っていった。

そんなことをやっていると、向こうから警察官が4、5人で歩いてくる。
わわわ、そう、これは思いつきの路上販売。
(後で調べると販売には許可がいるとのこと。
でも昔は今よりゆるくてよく路上販売が出ていた)
こちらにやってくる。

我々はニッコリと微笑むしかない。
緊張が走る。

警察の集団はゾロゾロと近づき、我々の前に来た。

するとこちらを見ながら
「nice」
と言いながら去っていった。

うひょーーー寛大ーー
さすがNY。。

一安心しながらしばらくやっていると
おしゃれなマダムがやってきた。
「ワオ!とてもビューティフォーね」
「あなた、これは路上じゃなくてデパートに持っていった方がいいわ。日本のデパートでTakashimaya があるでしょう?あそこに知り合いがいるからそこに連絡しなさい。あとで連絡先持ってきてあげるわ」
てなことを言ってきた。
(NYの高島屋は2010年閉店したらしい。岐阜の高島屋も今年閉店する。。)

おお、これがアメリカンドリームというものか!

技術や才能が伴ったアーチストなどはこういう出会いをモノにしてビッグになっていくんだろうなと思いながら、まだ最近バッグの縫い方を覚えてど素人の縫製でハッタリかまして持ってきたこのバッグをデパートでなんか売れない!自信ない!

後に連絡先を本当に持ってきてくれたマダムにお礼を言って後日Takashimaya NY にいってみたけど、やっぱり自信がなくて声をかけれなかったー。

そんなこんなで路上で売れなかった分は個人店に飛び込みで売り込み、なんとか全部売ってきた。(がんばった)

今思うとハチャメチャだけど、NYでの反応を見れて大満足。
(NYには2回売りに行ったのだけど、2回目はジュエリーデザイナーの友人と行ったのだが真冬だった為、激寒NYに負けすぐに撤収笑。これも良い思い出)

そんな経験をしてちょっと変な自信をつけて帰国。

そしてその後もこの思いつきではじまったバッグ作家のミラクルな出来事が起こるのだった。

つづく

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