見出し画像

#39 資格の話 (5)

(前回までのあらすじ)
満を持して平成26年の社会保険労務士試験に臨んだ私だったが、思うように解き進められず苦戦。試験終盤には完全に思考停止してしまう。結局、科目点ゼロという失態を演じ不合格になったのだった。

不合格通知を受け取った私は藪の中に突っ込んでいく。確かにエアポケットに陥ったのは事実だが、全体を見回すと特定の分野で勉強が追いつかなかったものはなかった。エアポケットを無くすのが理想だが、それをやるには記憶力の限界を超えねばならない。
社労士試験は7割取れれば合格できるとよく言われる。穴を完全に塞げば合格間違いないが、10割取ろうとするまでの労力は必要ない(もちろんできるだけ多くの問題で得点することを目指すべきなのは言うまでもないが)。
ただ厄介なことに、社労士試験は全ての問題に同じ得点が割り当てられている。多くの点数が割り当てられる分野に勉強量を集中させることができない。
そのため、次の試験に向けてどう取り組んでいくかわからなくなったのだった。

平成27年試験に向けた勉強は、資格スクールの通信に切り替えた。今回はウェブ配信の講義を受ける形にした。
ただ、いったん気力をへし折られた私はなかなか勉強に身が入らなかった。この年、何か劇的に実力が上がったという実感はなく、また今になって思い返しても特に何かあったという記憶もない。なんとなくダラダラとテキストを読み、惰性で過去問を解いて時間だけが過ぎていく日々だったような気がする。

平成27年の本試験、これといった盛り上がりも、前年ほどのアクシデントも起こらなかった。当然手ごたえを感じることもなく、半信半疑で会場を後にした。虚無になって帰途に着いた前年よりはましだったが、少なくとも合格が確信できる者ではなかった。
試験翌日にもなると、多くの資格スクールが発表する解答速報が出揃う。月曜日の仕事から帰宅した私は答え合わせをしたが、実に中途半端な結果で不合格らしいことを知った。択一式は科目基準点はクリアしていたが、合計点が41点。選択式は22点だが一部科目で2点があり、科目基準点割れを起こしていた。

秋に試験結果が届いた。選択式の科目基準点割れがあり不合格。また、択一式は合格点が45点なのでトータルでもそのラインに届いていなかった。
この年は合格率が2.6%と過去一番の低さで大きな話題となり、私も合格率引き下げに少し寄与したようだ(なおその後もこれを下回る率となった年はない)。

さすがに2年続けて不合格になったので、勉強のアプローチを変える必要性を感じるに至ったのだった。

(続きます)

この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?