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「About」ってどう訳した?(またはアバウトなAboutの話)

アプリのローカライゼーションの文脈で、訳すのが難しい語のトップ5に入ると思うのが「About」です。

(前回はSubscriptionについて書きました)

なぜでしょう?これを説明するには、少し背景が必要です。

日本語へのローカライゼーションが必要になる際、依頼の多くは英語から日本語です。私が関わっているアプリはもともと中国の開発チームですが、それでも基準を英語として、そこから様々な言語に翻訳されます。

そして、英語表記のアプリを使ったことがある方なら(あるいは日本語でもブログなどで見たことがあるかもしれません)、アプリの概要などに「About」とだけ記されているのを見たことがあるでしょう。

Aboutとは、「〜について」と訳されます。あとには名詞が続きますね。
しかしこれは定義でしかなく、実際にはAbout this appやAbout meなどと続くのを単に「About」と省略されて使われることが多いです。

これは日本語に訳すのが非常に面倒になります。前回の記事でも書いたように、コンテキストを守るのはとても大事です。が、しかし、Aboutだけでは訳しようがないので、今回はその原則を破ることになります。

このときは、設定欄の最後に、「About」という項目でLPだったり、公式SNSだったりへのリンクが有るページへの遷移ボタンだったので、「アプリについて」と私は訳しました。

その際に、ユーザーの作成したチャンネルの概要を開くボタンに同じテキストが参照されていないことを確認しています。また、そちらを「チャンネルについて」と訳しました。

しかし、どうしても1箇所、保証できないところがあったので、そこは「概要」と訳しています。「〜の」が決定できないときは、Aboutを「概要」と訳しておくととりあえずどうにかはなるようです。

おわり

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