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綾辻行人の館シリーズを読んでみた-はじめに

本は好きだけど

昔は本を読んでいた。特に推理小説は好きだった。かと言って、人に好きだと大手を振って言えるほど詳しい訳でもない。

シャーロック・ホームズや江戸川乱歩の少年探偵シリーズも読むには読んだが、人に伝えられるほど深くは読んではいない。

ポアロやミス・マープル、金田一耕助に三毛猫ホームズ。誰でも一度は触れるであろう探偵達に、例に漏れず触れた程度だ。
中学生の頃には、いっちょ前に自分でも小説らしきものを書いてみたりもした。

大人になり、日々の忙しさにすっかり本を読む習慣がなくなってしまっていた・・・のだが、自分の子ども達も本が好きで毎週のように図書館で本を借りに行くようになった。

私も本は借りるのだが、仕事に関わるものばかりで、小説のような娯楽としての本は借りてはいなかった。 

出会い

そんな私が図書館でふと目にしたのが、綾辻行人の「十角館の殺人」だった。
そう言えば、以前から読みたいと思っていたのだった。

本を読まない生活は長かったものの、ミステリーものは気にはなっていたし、各賞やこのミスなどにノミネートされている本の作者やタイトルは目にしていた。
綾辻行人についても作品のタイトルなどは目にしていたし、有栖川有栖との共作「安楽椅子探偵シリーズ」はテレビ放映される度に録画し、トリックを暴いてやろうと隅から隅をチェックしていたが、結局エレガントな答えは見つけられずに翌週の解答編を見ては、「そんなの気づくかー!」と悪態をついていたのだ。

衝撃

そんな氏の作品をふと手にとって読み始めると、止まらなくなった。
散りばめられたヒントにいくつもの想像を働かせてはいるのに、芯をつかみ切れないまま。終盤のいわゆる「あの一行」にぶち当たった瞬間に、「やられた!」唐突に頭をぶん殴られたのだ。

 それから、この衝撃を誰かと共有したくなり、この作品について書かれたブログなどの記事をあさり始めた。ネタバレなしの紹介記事から、考察について事細かくかかれたものなど。そして、そのうちに、自分でも書きたくなってきた。
そう、noteを始めるきっかけは、この作品なのだ。

 私はその出会いの後に、次の館、そのまた次の館へと誘われて行くことになる。それはまるで、中村青司に誘われる島田潔のごとく。


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