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綾辻行人の館シリーズを読んでみた-①十角館の殺人

あらすじ

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける! 1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。

(講談社文庫)

ざっくりストーリー

何の予備知識も入れずに読み始めた。
登場人物である大学生たちは、本名でなくミステリ小説家に倣ったニックネームで呼び合う。多少でもミステリに触れたことのある人なら心の中でニヤリとするところ。
それぞれのキャラクターも立っており、カタカナで登場人物の数の割に、すっとイメージが入ってきて読みやすい。

離れ小島に立つ古びた洋館。
船は約束した1週間後にしか来ないという、まさに典型的なクローズドサークル。

十角形の建物に、十角形のテーブル。十角形のコーヒーカップ。建築家、中村青司の深い執念が感じられる。
この館でこれから始まるであろう惨劇を期待させられるシチュエーション。そして、実際に、登場人物は一人ずつ減っていく。

時を同じくして、本土では怪しい手紙を受け取った仲間たちが、その手紙について調べていく中で、中村青治に辿り着く。

ストーリーは、島と本土での出来事を交互に描き、そして、最後にはそれらが一つの結果につながっていく。



- 以下ネタバレあり -




感想

途中、この人が犯人かな?と思うのだが、どうしてもその根拠が論理的に説明できない。
どんどん人が減っていき、最終的にやっぱりこの人だったのか。とは思ったのですが、その後のあの一行で、え!?この人って、この人だったの??と、鳥肌がたった。
まさに、初めの有名ミステリ作家で呼び合うところからが、ミスリードの始まりだったのだ。
そして、ラストのシーン。
1ページ目が、最終ページに見事につながったのもうまい。うますぎる。と、プロに対して大変失礼な感想を述べつつ、ペラペラと1ページ目と最終ページを読み比べてしまった。これ、電子書籍だったらこんなに見比べられないだろなと思いつつ。

そこから、すっかり館に捕らわれてしまった私は、次にいきなり8作目の「びっくり館の殺人」を手にとってしまうのだった。
やはり、館シリーズは順番に読んでいくことにした。


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