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グレゴリー・ベイトソン『精神と自然』にて(トーラス)

今回の記事は、過去の記事「グレゴリー・ベイトソン『精神と自然』にて(大要)」のつづきです。ストカスティック・システムとは何でしょうか。

ストカスティックな進行過程を、私なりに理解したいのだが・・・

説明という文化現象が存在するのは興味深い。説明とは、見慣れない出来事の推移の地図を、トートロジーの上に描き込むことである。

――p.97 Ⅱ「誰もが学校で習うこと」

・・・とあります。私の場合、ストカスティックな進行過程をドーナツ状のトーラス構造に描き込むことです。最近の私は、球体の内にドーナツを浮かべて、そのドーナツの具の部分に、「時間の流れ」という幻想を閉じ込めています。その周りの領域をイメージしながら専門用語を配置したい。

この図は独学の具体例の一つにすぎません。

この図において、球体の中心が「誕生」です。誕生後、意識(エネルギー)は、青色の矢印のように「発散」して、個人の「学習」と「体細胞的変化」を促します。そして、意識(エネルギー)は、赤色の矢印のように「収束」して、集団の「進化」と「遺伝的変化」を促します。

 ここでわれわれは、ある部分では相互作用しつつ、ある部分では隔絶している二つの大いなるストカスティック・システムに対面することになる。一つは個体を単位とするもの。こちらの習得的変化を「学習」と呼ぶ。もう一つは遺伝と個体群に内在するもの。これを「進化」と呼ぶ。前者は個体の一生と共に終わり、後者はおびただしい数の個体が幾々世代にもわたって繰り広げる。
 異なった論理レベルで作動する二つのストカスティック・システムがうまく合体して一つの生命圏を動かしている。ジェネティックな[遺伝的レベルの]系とソマティックな[体細胞的・生活史的レベルの]系、どちらのしくみが違っていたとしても進化の歩みは停止してしまうしかない。そのしくみを示すのが本章の役割である。
 合体したシステムの統合ユニティこそ、必要欠くべからざるものなのである。

――pp.280-281 Ⅵ「大いなるストカスティック・システム」

それでソー・ホワット

・・・以上、言語学的制約から自由になるために。