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ただ進めば至る(19) 心臓やぶりフルマラソン

2011年10月4日

馬路~魚梁瀬を往復する「心臓やぶりフルマラソン」、この大会のことは以前から知っていましたがドSな名前にビビッてしまっていたのと、ちょうど今治シティマラソンと時期が同じなので参加したことはありませんでした。今回は第20回と記念大会だったので参加することにしました。
(せっかく魚梁瀬にいくので学生時代に見た「千本杉」をもう一度見たいと思っていましたが、それは時間的に無理でした、残念!)


ランナーの駐車場&受付は馬路小中学校でした。さすがに馬路!この門は立派です!参加者は355人とのことです。

受付を済ませるとゼッケンと参加賞が入った大きな袋をくれます。
中には「ゆず」商品がいっぱい!

・ごっくん馬路村
・ゆずぽん酢
・スーパーごっくん(スポーツドリンク)
・ゆずの入浴剤
・ゆずふりかけ
・ゆずゼリー

すごいでしょ!(^^
ゆず好きにはたまらない『ゆずづくしセット』です。
ゆず好きには・・・
いや!この大会を走るんだから、ゆず好きにならないといけません!!
ゼッケンをつけてスタート会場である馬路温泉へ移動です。歩くこと約5分。そこには汽車がありました。記念撮影をしていたご夫婦に「すいませーーん、写真撮ってもらえますか?」とお願して撮っていただきました。

当時はまだ「自撮り」という文化がなかったので、記念撮影と言えば誰かに撮ってもらっていました。

スマホの撮影ボタンを押していただいたご主人は「へーースマホええ!やっぱりスマホにしないと!」と奥さんにしきりにアピールされてました(笑;
「エラーが多いですよ」と言ってあげられる雰囲気ではなかったのでやめました。
ウェアに着替え、荷物を預け、コースに出ました。ファンラン派の私はどの大会にいってもジョグでうっすら汗ばむ程度にそこらをうろつくだけなんですが、一応アップのつもりです。数十m走ったところにY字路。 さて・・・コースはどっちなのか・・??ちょうどそこにストレッチをしていた人がいたので聞いてみたら「コースはこっちじゃなく向こうみたいですよ」と教えていただきました。
どうも逆方向を進んでいたみたいです。
その方は新潟からの参加で、四万十川の抽選に外れて馬路にエントリーされたみたいでした。ウルトラも年に何回か参加されてるとか。後でその方がなんと選手宣誓をされていたのでびっくりしました。
その方は「この大会はいいよね。エイドが全部ごっくん馬路村ですよ。それにゴール後には食事もいただけるし、温泉までついてる。いい大会ですよ」ととても大会を愛されている様子でした。
しかし…聞き捨てならないことを聞いてしまいました。エイドが全部ごっくんですか。これは大変!慣れておかなくてはと思い、アップもそこそこに会場に戻って、ごっくん馬路村をごくごくと2杯いただきました。

これで大丈夫!ゆずになれました♪
って免疫ができたみたいにいうな!と叱られそうです。すいません。
実際にはエイドにはごっくん馬路村とポカリと水の3種類がありました。私は半分くらいのエイドでごっくん馬路村をいただきました。
そうしてると、後ろから「くわとろさん!」と聞いたことある声。振り向くと高知から参加の師匠がいました。彼は今回はサブ3.5を狙ってます。
「全然気分が乗らないんです!アハハ(^O^)/」といつもの調子ですが、彼はきっちり走りますからねー、言葉とは裏腹に。
高知市からは土佐くろしお鉄道で安田町まで来たそうです。一度乗ってみたいですね。窓から見える景色はサイコーだと思います。師匠に今回は泡るんさんと奥さんを紹介してもらいました。第一回の宿毛ではなちゃんの仮装で走ってたのを見かけていましたが、そのときはまさかお近づきになれるとは思っていませんでした。

開会式ではゲストの池谷幸雄さんがスピーチしてました。
「・・(略)・・ランナーの年齢層が高いようです。十分に気をつけて・・・・・僕も一緒にスタートしますが、僕は42.195kmは走れません・・・」
おしゃべりをしながらですのでところどころ聞こえてませんが、そんなことを言ってました。
心臓やぶりフルマラソンのスタートの時間が近づいてきました。スタート位置に並びますが和気藹々とした大会雰囲気のせいかリラックスしていました。師匠と「頑張りましょう!」と握手を交わしました。師匠は前から2〜3列目、私は中盤の位置でスタンバイ。
すわっ!頑張るぞ!
と思ってたら「スーパーごっくんさん」がやってきたので、頑張りましょうとがっちり握手しました(笑)  ←初対面ですよ

ゲストの池谷さんもスタートラインについてカウントダウンのあとスタートしました。1kmでGPS時計のペース確認しました。5分43秒。まずは予定通り。
池谷さんに追いついて「頑張りましょう!」と握手。

1.7km地点から最初の心臓やぶりの坂と書かれていましたが、距離が200mしかなかったので問題なし。ほとんどそのままのペースで進みました。
その坂のあとは10km過ぎにあるトンネルまでゆるやかな上り。
0-5km:27分29秒(5分29秒/km) 予定通りのペース
5-10km:28分21秒(5分40秒/km) ほぼ予定通り
このあと2kmくらい平坦が続いたあと2つ目の心臓やぶりの坂があります。
少し上りになってきたなー、まだ傾斜がきつくなるんかなーと思っていたらスタッフが立っていて「頂上です!」と言ってる。
へっ?さっきのが心臓やぶりの坂なん?
10-15km:29分24秒(5分53秒/km)
だったら3つ目も?と思っていたら、下りの急坂になりました。
これは帰りは大変だ(@@;下りはこわいなーと思いつつ、ブレーキをかけると後でやばいので重力にまかせて走る。ピピピッ!の音でGPS時計を見るとラップで4分半切ってる!結構な傾斜です。橋を渡り魚梁瀬地区に入っていきます。
15-20km:26分16秒(5分15秒/km)
あちこちに地域の方が応援にたってくれていて「頑張れ!」と声をかけてくれます。
長い下りのあとの平地って結構きついんですよね。心が折れそうになるところでの声援はホントにありがたいです。人を見るたびに「ありがとうございます!」とお礼を言いながら走ります。で!走りながら思い出したんです!

この町の風景知ってる!前に来たことがある!

学生時代に営林署に勉強にきたんだった!合宿で泊まったわ、ここに!なんだか懐かしい気持ちになりながら町内を一周して3つ目の心臓やぶりの坂に向かいました。いやーーきつい!20km以上走ってきてのこの傾斜はきついわ(>_<)

絶対この坂は走って上るぞ!

言い聞かせて頑張りました。
20-25km:31分24秒(6分17秒/km)
当然のようにペースが落ちてしまいましたが、許容範囲内です。よしっ!さっきのスタッフがまた「お疲れ様!頂上でーす!」と言ってました。よっしゃー下りじゃー! とピッチを変えたとたんにいたたたーーーっ
左足のハムストリングスが痙攣しはじめました。ガードレールにつかまってストレッチしてると後ろからきた泡るんさんが「大丈夫ですか?ゆっくりいきましょう!」と声をかけてくれました。屈伸しておそるおそる再スタート。よかった、なんとかいけそう。泡るんさんにエイド手前でおいつきました。
「ここゆっくりいきますね」と言われたので「頑張りましょう!」と先にすすみました。あとで考えると「ここゆっくり」が必要だったのかなぁって思います。まだまだ修行が足りませんね(^^ゞ
25-30km:30分21秒(6分4秒/km)
立ち止まった分だけロスタイムがありました。
30-35km:28分40秒(5分44秒/km)
ペースはキープできてますがそろそろいろんなところが辛くなってきてます。
ハムストリングスがまた痙攣しそう・・・
腹筋が痛い・・・
足の甲が痛い・・・
胃が痛い・・・
首の筋肉が痛い・・・
ネガティブ思考のオンパレードです。山の谷あいの道を下っていくので景色もほとんど変わりません。シーモのコンティニューを思い出しながら、沿道の応援の方を見かけるとお礼をいい、ネガティブ思考に負けないようにと戦いながら距離を重ねていきます。
あともう少し!

愛媛マラソンでは確か30km付近で足が止まってしまいました。今回は35kmまではクリアできました。でも、もう限界!いろんな「辛い」に我慢しきれなくなってます。あと6kmの表示を見たときにサブ4に少し足りないのが計算できました。はーーーっ、また次回持ち越しです。
あと4キロくらいで友達が見えたときに「あーー、もうやめたい」って叫んでしまいました。頑張らないといけないときにネガティブなことを口にしたらダメなんですわ、きっと。ゴール付近まで帰ってるんですが、コースは大きく曲がりまたゴールから離れていきます。畑の中の細い道で沿道の声援も途切れがちになり、とうとう足が止まってしまいました。泡るんさんが後ろからきて「頑張りましょう!」と声をかけてくれました。ついていきたいのについていけない。
35-40km:34分26秒(6分53秒/km)
あと少しなのに!
子供が小さな体で思いっきり叫んで声援を送ってくれました。
頑張れー‼️」
よっしゃ!頑張るぞ!」と返しましたが声だけ。足は動きません。
コースはぐるっとUターンしてさっきの場所に戻ります。
そこにいた友達が「あとは気合ですっ!」と言ってました。そっか!気合か!よーーしラストは走ろう!腹筋まで痙攣しそうでしたが「気合い!気合い!」とブツブツ言いながらゴールへ向かいました。

やっと会場にたどりつくと場内アナウンスで名前が呼ばれました。両手をあげてゴール!ゴールタイムは4時間17分12秒でした。

ラストは心折れて歩きが入ってしまいましたが、38kmくらいまではそこそこ走れたのでまぁまぁよかったかなって思います。それと、コース上で可能な限り声援に応えることが出来たのでよかったと思います。とてもいい雰囲気の大会で、可能であればまた参加したいと思います。スタッフのみなさん、一緒に走ったみなさん、応援してくれたみなさん、どうもありがとうございました。

なにかぶらさがっていました

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