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アートセラピー再考・再興・最高(0序章)「アートセラピー」の《アート Arts》とは何か?

「アートセラピー」というものが一般に誤釈されがちなワケ


昨今、「アートセラピーの効用・目的」と説かれているもので、いちばん眼にするのが『潜在意識にある本来の気持ちが現れることで自分を知る』とか『表現することで“癒し”が得られる』などではないかと思います。

これらは、いわゆる自己啓発系やコーチングが混ざった教育系であったり、特に増加中のヒーリング系やスピ系アプローチで多く見られるようになった、あいまいで主観性の高めが多数です。

とはいえ、「確かな体験からの声(表現)」でもあることも付け加えておきます。

ただ、文言が抽象的なために「日常でどんな風に効果が現れ(て)るのか」具体的に分かりづらく不可解に思われがち。

そんなこんなでいろいろ言い回し変えて紹介してみるも、けっきょく「自分は絵が苦手/下手だからいいや」的に言われて終わってしまう。

という嘆きを抱いてる「実践者/セラピスト」も多いようです。


では、嘆き困ってる「実践者/セラピスト・カウンセラー」は、どういうアプローチをしているかといえば、、

  • アートワークして完成させた絵や作品のスナップ画像を並べたり、具体例として見せる。

  • 上記したように「アートセラピーでは絵の上手い下手は関係ない」という文言を強調する。

  • 文頭に記したように「○○という手法を使って絵を描くことで潜在意識が分かる」など『方法(論)』を示し、絵や作品そのものがメインではないことを伝える。

  • 〔ある手法?においては〕描き方は自由だと説いている一方で「描き方を教える・型があるので誰でも《ステキな絵》が描ける」等のガイダンスがある(これはセラピーなのか?)

等々。大まかにまとめるとこんな感じでしょうか。

わたし自身も、かつては、やたらめったら「上手い下手は関係ありません!」と連投していたものです。

だってホントなんだもん!!

「完成させた絵や作品のスナップ画像」も、作品画像とかあった方がわかりやすいと思って、気づかいで発信してることだって大いにあります。


ーーこんな感じで画像を載せたりしますよねーー


ところが。
それらを引いて見てみると、「上手く描く必要はない」を強調していながら、技法や「お手本」「仕上がった作品」を全面に出していて、逆に上手く描くことや技法に着目せざるを得ない印象を受けるものも多い。

特に日本の多くのカウンセラーやセラピストは、アートセラピーの価値や効用、「どんな変化プロセスがあったか」より、「でき上がった作品」「技法・手法」「雑感的な感想」に重点を置いたアプローチをしているケースが多いように見られます。

こうなると、「アートに抵抗ある人たち」にとっては「?」が増えて、壁を突破するほどインパクトを得られず、距離が縮められない。

「技法」など紹介されても、『必要としていること(悩みを解決してくれるのか・希望を感じられる体験ができるのか等)』に繋がっていなければ、逆に要らぬ情報になってしまうのです。

『アート類に抵抗を持つ人(たち)』にとって「絵を描く」とか「アートを使って自己表現する」という行為は、すでに親しみを持っている人の想像以上に敷居が高いし、想像を超える行為なのです。

だから、いくら「評価や上手い下手はないんですよ!」と連呼しても、しっくり納得感を得られない

このことに客観的視点で気づいているアートセラピスト(※)/カウンセラー(アートを媒体にしてカウンセリングやセラピーをする人たち)は、少ないように見受けます。

 

※補足:日本における「アートセラピスト」

公的に認可されたアートセラピストの資格はない。多くは臨床心理士・公認心理師をはじめ心理カウンセラーや心理療法家が、民間スクールや研修等で「技法」「手法」などの“やり方”を習得したり、海外の大学院などでトレーニングを受け、日常の臨床・援助活動の中で独自に活用してるのが現状……のはずですが、アカデミック系の臨床家でもアセスメント以外のアートを用いたアプローチは、表立ってほとんど見聞きしなくなってるし、「セラピスト」の役割があいまいになっている。逆に、“出どころ不明”の「アートセラピー学びました」「アートセラピーやってます」という人たち”は増加中。

では、どうアプローチしていけば伝わる形で「アートセラピー」を紹介し、その良さや効用に興味・関心を持ってもらえるか(さらには体験につなげられるか)。

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