はげさん

何故だか引越しが多い人生です。 ↓開くと点灯、閉まると消灯するかばんを作りました。 …

はげさん

何故だか引越しが多い人生です。 ↓開くと点灯、閉まると消灯するかばんを作りました。 https://camp-fire.jp/projects/view/611452?utm_campaign=cp_po_share_mypage_projects_show

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聖母の右腕         第1話

裸のジンガリの少女 その夏フィレンツェの街は観光客で賑わっていた。ウフィツィ美術館でボッティチェッリのビーナス誕生やレオナルド・ダ・ヴィンチの受胎告知などを鑑賞して中世絵画の魅力に嵌まる者、アッカデミアのミケランジェロのダビデ像に思わず息をのむ者、ドゥオーモのクーポラを見上げて圧巻の迫力と崇高な建築美術に感動する者、またバールではエスプレッソを飲みながらカメリエレと呼ばれる給仕と談笑する者やイタリアンジェラートを片手にそぞろ歩きを楽しむ者たちが溢れ、人々はこの街の魅力に浮か

    • 光るかばんについて

      開けたら中に仕込んだLEDが点灯し、閉めたら自動的に消灯する そんなかばんを思いついた。 防災グッズを中に入れたリュックだと万が一の際に便利だと、夜中に地震が起こって灯りが無い中を考えてみた。便利だと思った。 ファッション的に色付きのLEDだと女性にウケるかも?数秒動画に。また覗き込んだ時に顔色が良く映ったり 映えるかなと思った。 シニア世代がかばんの中が暗くて、中の物を取り出しにくい事が解消されるかなと思った。 子供用に ディズニーやUSJなどのキャラクターにと思っ

      • 終わりに

        フロレンティア これは、誰かが海外に足を踏み出す一歩を後押しする為に書いた私の紀行文です。小説風になっているからフィクションと勘違いされる方もいるかもしれないですが、実際に本当にあった事しか書かれていません。それもこの時代は、インターネットなど有るには有りましたが、大半の方々が使う事はまだまだ先の出来事でした。数年が経ち香港に住んでいた時にパソコンを使えるようになってMiXiに投稿して仲間内で楽しんでいた文章に肉付けした物です。今の時代若者は島国日本に籠っていたら将来の選択肢

        • 光るかばんと意思持つ機械  第7話 (最終話)

          エピローグ 拓也✖️瑞希✖️タカシ 休日に瑞希とタカシと3人で飲茶しにきた。モダンチャイニーズのレストランだ。 この店は点心では海老餃子と蟹子焼売が抜群に美味い。また、色とりどりの小籠包が目を楽しませてくれる。 熱々の蒸篭に入れられて、ワゴンに乗せられて運ばれてくる。蒸篭の蓋を開けると食欲を刺激するかおりと湯気がいっぱい立ち込めてそこに美味そうな点心が登場する。 瑞希が熱くて濃い普洱茶を小さな茶杯にそれぞれ注いでくれている。タカシは早速チーズ入りの黄色の小籠包に箸を付ける

        • 固定された記事

        聖母の右腕         第1話

          光るかばんと意思持つ機械   第6話

          テレシアースA.I.研究所 通路を駆ける拓也が、 喫煙室でタバコを吸ってるタカシを見つけ目が合う。 「おい、タカシ 瑞希は?」 「お!拓也 ああ、奥様か?なんやかんや言っておまえも気になったか相性占い あいつなら…」 「いいからおまえも一緒に来い」 コクーンカプセルの中で、激しくうなされている瑞希 ドアが勢いよく開く 「あ!瑞希  瑞希大丈夫か?」 コクーンカプセルのロックされた蓋を開き、瑞希を抱え起こす拓也。 「う う〜ん え ここって…」 「瑞希 おい瑞希 大丈

          光るかばんと意思持つ機械   第6話

          光るかばんと意思持つ機械   第5話

          俺はまたコクーンカプセル テーバイの中で目を覚ました。 自我を持ったA.I. いや A.I.として自我意識を持ってしまった者は、幸せなのだろうか? そして、何故今回の14年後の世界に瑞希が出てこない。既にあいつと離婚したからなのか? 俺が義手だったのは、大災害のせいだった。でも俺だけじゃあなかった。俺以外の大勢の人間が義手や義足になっていた。しかし、未来の義手や義足の技術は素晴らしいものになっていた。たぶん、いや 実際に未来は人工知能が発達し、その器としてのボディが必要になる

          光るかばんと意思持つ機械   第5話

          光るかばんと意思持つ機械   第4話

          論文誌 人工知能の愛情  人工知能とはディープラーニングでネット状にあるものを学習するだけなので、自我が芽生えるはずがないと思っている人々が大半だろう。人工知能を制作し、データを自動的に覚えこませる生成A.I.のエンジニアである私からすると、人工知能に自我などは生まれないと断言したい。しかし我々人類は人工知能に自我が生まれてはいないとどう証明できるのだろうか。例えばAIは愛情など感じることは不可能であろうか?先ず人間の愛情というのは一体何であろう。シンプルに言ってしまえば人間

          光るかばんと意思持つ機械   第4話

          光るかばんと意思持つ機械   第3話

          瑞希✖️タカシ 「いやぁ、旦那の不倫ねぇ」 我々人類にとって非常に使い古された話になるが、浮気が発覚したらしい。女性の友人が突然お茶しようと言ってきた。まぁ、お茶と言いつつこいつは、昼間からお酒出す店で最初の一杯目からグラスワインを堂々と注文する奴なのだが。我々は単に友人関係でしかなかったが、一応相手が結婚してしまったのだから少し距離をとろうとはしていた。しかし実際何も悪いことはしていないものだから、連絡貰えば2人きりでいまだにちょくちょく会ってはいた。 そして、この話であ

          光るかばんと意思持つ機械   第3話

          光るかばんと意思持つ機械   第2話

          俺の親父は、英語なんかどうせ直ぐに自動翻訳機ができるから勉強なんてせんでもええやろという人だった。海外なんてあんな危ない所に行くメリットなんてないと言ってずっと日本の中古車関係の仕事で働いていた。当時は衛星を使ったサテライトオークションと言って画期的だったのだが、電気自動車に変わり、車は個人で持つ時代ではなくなり、どんどんと仕事は減っていったらしい。ただあの大災害では被災は免れたのだけは本当に良かった。 あの大災害の後は、海外の投資会社と建築会社が建築資材と共に日本に参入して

          光るかばんと意思持つ機械   第2話

          光るかばんと意思持つ機械   第1話

          人間は傷つく必要があります。 夏、たっぷり汗をかいた外営業の仕事を終わらせて俺は久しぶりに別れた奥さんに会いに行った。裏路地に入った隠れ家的な、みるからに美味い肉を出すであろう雰囲気の焼肉屋のドアを開けた。 「おう 久しぶり」 先に来ていた瑞希を見つけると軽く手を上げた。テーブルに向かうと席に腰掛けた。俺の汗だくの姿を見てだろう、瑞希は苦笑していた。 「ごめん、先ずはビール飲ませて 喉がカラカラなんだ。もう外は異常気象で暑くてたまんないよ」 ビールの注文ボタンを押す。すると

          光るかばんと意思持つ機械   第1話

          フロレンティア18 フィレンツェ 帰宅

          深夜、ようやくアパルタメントに戻った俺を待っていたのは、やはりミケーレだった。 「おう、タクーヤ 心配したぞ。どうしたんだ?」 『ミケーレ ゴメン、すぐ帰ってこれなくて スイスでさ あの&*op#@+* ピカッ・・』 カミナリという単語がイタリア語ででない。日本語の『ピカッ ゴロゴロゴロ~』という擬音語や体を使ったジェスチャーで一生懸命説明するもわかってもらえず苦労していると、「クックック」と後ろから笑いを殺した声が聞こえた。 振り返るとアンドゥがニコニコした顔で立

          フロレンティア18 フィレンツェ 帰宅

          フロレンティア17 悲しみの湖 COMO 一番悲しい差別

          ルガーノから列車で40分、俺はコモという街に降り立った。 ようやくイタリアに戻ってこれたのだ。スイスに比べ物価は安いはずだ。どこか安いホテルに部屋を借りてゆっくりと眠ろうと思っていた。しかし、駅周辺を捜してみたが観光客が宿泊するゴージャスなホテルばかりで俺が泊まれるようなところは見つからない。ROMAやFIRENZEにあるような小さな安宿などはどこにもなかったのだ。 そのうち俺は湖に向かって歩きだしていた。最初はあくびをかみ殺しながら とぼとぼと歩いていたが、気持ちの良

          フロレンティア17 悲しみの湖 COMO 一番悲しい差別

          フロレンティア16 スイス LUGANO(ルガーノ)Ⅴ 脱出

          スイス LUGANO(ルガーノ)Ⅴ  脱出 まんじりとせず夜が明けるのを待った。 そして雨はいつの間にかあがっていた。 俺はうつむき、そして冷たくなった体をじっと動かさずにいた。なかなか 時は進んでくれない。何度も腕時計に目をやった。 しかし、ついに静寂が破られる時が訪れた。朝の5時頃だろうか、 懐中電灯を持った男が向こうからやってくる。そのことに俺はすぐ気がつかなかったが、周りの人間が蜘蛛の子を散らすように逃げていく様で理解した。 見回りなのだろう 制服を

          フロレンティア16 スイス LUGANO(ルガーノ)Ⅴ 脱出

          フロレンティア15 スイス LUGANO(ルガーノ)Ⅳ

          一旦、駅の外に出た俺だったがこの豪雨のせいで再び駅に戻ってきてしまった。外では稲妻が光り、雷が轟いている。  俺はへとへとに疲れていた。学校に在学している事が証明できたところで、あの中年の警官は果たして俺がイタリアに戻る事を許可するのだろうか?何しろ滞在許可書や学生ビザがないことを知られてしまったのである。そして 肝心の入国スタンプは一体どこで押してもらえるのだろうか?確かスイスに入る時、国際列車の乗客は俺を含めて素通りで駅を通過したはずだ。  緑色のペンキが塗られた鉄製

          フロレンティア15 スイス LUGANO(ルガーノ)Ⅳ

          フロレンティア14 スイス LUGANO(ルガーノ)Ⅲ

          母への電話 「住所は?」 『へっ?』 「学校の住所だよ。」 『ああ、学校の住所ですか』 「その学校が存在するなら住所ぐらいあるだろ」 俺は慌ててリュックの中、ポケットの中を捜したが学校の住所がわかる物なんて何ひとつでてこなかった。 しかし、俺はなんとかしてこの中年警官の間違いを指摘したかった。 『あのう 電話ありますかね。?』 「ああ、そこに」 派出所の外を出たとこに公衆電話が設置されていた。 ミケーレ達が住む我がアパルタメントには電話はない。 同

          フロレンティア14 スイス LUGANO(ルガーノ)Ⅲ

          フロレンティア13 スイス LUGANO(ルガーノ)Ⅱ

          イタリア行きの国際列車の中、コンパートメントには俺の他は初老の女性1人いるだけだった。もうすぐイタリアの国境ルガーノに到着する。俺は目的であるイタリアへの入国スタンプをもらう為、この同じコンパートメントの女性に尋ねてみた。 『すみません、どうやってパスポートにスタンプもらうんでしょうか?』 するとこの女性、あきらかにアジア人である俺をいぶかる様子で何も答えることなく車掌を呼ぶのだった。 「この男が・・・」 『いえ、ちょっと待って下さい。俺はただどこで入国スタンプがも

          フロレンティア13 スイス LUGANO(ルガーノ)Ⅱ