見出し画像

旅とは、移動だ。

愛媛から縁あって静岡に嫁いで20年ほどになる。
帰省をするにも、飛行機を使うには飛行場は遠いし、高速バスも直通はない。
移動は毎回、新幹線一択である。

子供もおらず、コロナ禍以降、夫は私の父の具合を気づかってか、同行しなくなった。
基本ひとりの帰省である。
存分にひとりを満喫できる、この移動時間が帰省旅の醍醐味だ。

何度かこのルートでの帰省を繰り返すうちに、2つのマイルールができた。

まずは浜松駅から、ひかり号に乗り込み、岡山まで向かう。
1つ目のマイルールは、浜松駅で新幹線に乗り込む前に、かならずスターバックスで飲み物を買うこと。
季節問わず、ホットのチャイティーであることが大半だ。

車内に乗り込むまでは飲むのを我慢。
新幹線が動き出してから、おもむろにカップを取り出し、流れていく景色を楽しみながら飲む。

新幹線のない四国育ち故、新幹線に乗る時は気分が高揚する。
アッツアツでなかなか飲めなかったチャイティーも、名古屋駅を出る頃には飲み終わり、旅のはじまりの高揚も少し落ち着いてくる。

隣の席に誰も座ってくれるなよ、と祈りながら京都をすぎ、新大阪をすぎると、ひかり号は各駅停車になる。

岡山に到着後、特急しおかぜに乗り換えて、一路松山へ。

朝、少しはやめの時間に出れば、ちょうどお昼頃に瀬戸大橋を渡る。
毎回、瀬戸大橋から瀬戸内海を眺めながら持参した弁当を食べるのがマイルールその2。

お弁当の内訳は、おにぎり2つに卵焼き、ウィンナー、ちくわにキュウリを詰めたやつ。
朝早起きして、自分と夫の分とを作ってきたものだ。
今頃は向こうも食べてる頃かな。

瀬戸大橋を渡り終える頃には、お弁当も食べ終わる。
その後は、主に海岸沿いを走りながら、終点の松山駅までうとうと。

約6時間ほどの移動を終え、伸びをしながら電車を降りる。
改札の向こう側で待つ母を見つけたら、ひとりの旅の時間はおしまい。
ほんのり観光客の気分で路面電車に乗って、実家に向かう。

#わたしの旅行記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?