さんちゃん

躁鬱気質です

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雲影

昼休みは所在がなくて 速足で向かう 屋根のない喫煙場所まで ハイライトメンソールを一本吸う 顔を上げると雲が広がっていた 横の人も前の人も 広がっていく雲を見ていた

    • サヨナラ

      もう笑顔にならなくていいんだ サヨナラ

      • 水栽培していたにんじんが枯れかけて来たので一か八か庭に植えました。育つかなあ。

        • 平行

          たぶんつながるなんてことはなく 交わることすらあまりなく ではあれはなんだったのか 一瞬のこと

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        記事

          あしたは庭の植物に肥料をあげて、ショップに行って、余力があればタピオカ飲みに行きたい。

          あしたは庭の植物に肥料をあげて、ショップに行って、余力があればタピオカ飲みに行きたい。

          短歌八首*モンスター

          缶けりのルール分からぬ味噌っかす自分の影を見つめつづけた 終わってるコンテンツだね君と僕けやきが枝を空へ広げる あのときの答えをSiriに訊ねてるとんちんかんなわたしの問いの 伝えたいきょう今ここであなたへと急げ老いぼれてしまわぬうちに モンスターぬるいまま飲む地下ライブ君とノイズの音と立ってた くらやみにささやきなんかきこえない犬も小石もナイフも春も 自販機の新商品は涼しげなパインソーダで毎日みてる イースターきのうだったと君が言う神は知らない月がきれいだ

          短歌八首*モンスター

          ピンチはチャンス!と言って元気を出したら、悩んでたことが見えなくなった。言葉ってすごい!

          ピンチはチャンス!と言って元気を出したら、悩んでたことが見えなくなった。言葉ってすごい!

          思い出

          10月になればまた あの辻へ行く 風は強く吹くだろう よく似た影法師を連れて 歩こう

          わたしが詩を書き始めたのはなぜ 水泳の授業をサボタージュして 美術室で音楽を聴いた 私服の高校に学ランで来る先輩の 長い髪にはリボン 体育祭のフィナーレ 踊る全校生徒を クラブハウスから見下ろした 入院先の病院の売店で一冊の詩集を買った

          短歌十四首*斑入り石蕗(ふいりつわぶき)

          バスのまど季節はじめの雨つぶがビルや街路樹うつくしくする 睡蓮の咲く池めざすこの朝はどの道行っても必ず着ける ひぐらしの鳴き声聴かず夏はゆきファンタグレープぬるいまま飲む この夏の最後のゴーヤ揚げているチップス好きの無口な兄に 不織布マスクずらしたときに甘い香り金木犀は姿見せない 「いま雨が降っているから季節には花が咲くんだ」静かに父は しあわせは例えば深い秋の日の枯葉の匂い感じとること 母のギター静かに響く夜おそく自分勝手なわたしを包む

          短歌十四首*斑入り石蕗(ふいりつわぶき)

          夏にはこの街道沿いに

          夏にはこの街道沿いに カンナが黄色く燃え シャクナゲは可憐な薄紅色に揺れた カンナは立ち枯れたけれどまた 新しく茎を伸ばすだろう シャクナゲはもう蕾をつけて わたしはまいにち花ひらくのを待っている

          夏にはこの街道沿いに

          やさしさを隠して

          彼女は隠しているやさしさを そのはりつめた心に そっと触れたとき ほんの少しだけ見せてくれる いつも気づいているけど 今日ははじめてだった

          やさしさを隠して

          誰も知らない

          誰も知らない この心の炎を 何もないところから 一つのモノを作ることへの情熱を 誰にもこの情熱を邪魔できない 誰も知らない この心の炎 いつか誰かを楽しませることが出来るように モノを作る

          誰も知らない

          春は少し

          春は少し照れくさく 春は少し憂うつで 春は少し戸惑いながら 春はいつも黙っている