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星空をひとりじめ(587字)

今夜もちょっと星を見た。
これ、もう日課のようなもので、寝ることへの決意表明みたいなものです。
リビングのカーテンは両開きですが、最近はカーテンを広げず右端から潜るようにしてベランダに出ています。
なんかね、このこっそり感がいいんです。

誰も見ているはずないのに。
誰も気にするはずないのに。

星を見る空間を独り占めするための儀式であり、世間から自分を切り離すための手段。
何らかの意図があるわけではなく、単に自分の中でのお遊びなんです。
「何してんの」って背後から言われたら、言った人はこちらの世界に来なければいけないのですよ。

いにしへの人は北極星で方角を知りましたが、責任のない自分は季節と時間をオリオン座で知ります。
数学的文字列で表現すると“オリオン座の位置=季節✖︎時間“ってな感じでしょうか。
日本人が三ツ星と呼んだベルトを探し、次にはシリウス、ベテルギウス、プロキオン。
これはお決まりの順序です。
もっとも探す必要などまったくありません、最初からその全てが目に入っているから単に意識の移動があるだけです。
「あぁ、まだベテルギウスはなくなっていないな」
「プロキオンは黄色く見えるよなあ、誰がなんと言おうと黄色だよな」
毎日同じことを思っています。時には口に出す。

東から登る時は北まくら、真南ですっくと立ち上がり、西へと倒れ込んでいく。
はい、おやすみオリオン^_^
また明日ね。

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