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これからのものづくりに必要な「一緒に創る」ということ。

先日、佐々木俊尚さんが主宰する会員制コミュニティ「LIFE MAKERS」のコラボイベントへ行ってきました。

イベントのトークテーマは、「EVERY DENIM」と「灯台もと暮らし」が共同で主宰したオンラインサロン「僕らの理想のデニムってなんだろう?」から生まれたデニムと、これからのものづくりについて。

「共創」という言葉が注目され、生活者を巻き込みながらものづくりをする重要性を誰もが感じているものの、うまく完成までたどり着けない事例もちらほら見かけます。

そんな中で、彼ら自身とても楽しそうにサロンを運営し、ものづくりをしている姿勢を見て、その秘訣を探ろうと思ってお話を聞いてきました。

集合知で「モノ」は作れない

生活者を巻き込みながら何かを作ろうとするとき、どの程度意見を取り入れるかというのが非常に難しい点だと思います。

みんなの意見を取り入れようとすると、最大公約数的な面白みのないものになってしまうし、だからといってはじめから既定路線を作りすぎると、参加者のモチベーションが下がってしまいます。

EVERY DENIMのお二人に、そのバランスについて意識したことを聞いてみたところ、重要なのは「自分たちがまとめあげる姿勢」だと話してくれました。

また、今回のサロン参加者にファッション関連の方がいなかったことで、あくまでいち消費者としてどう思うかにフォーカスして意見を聞けたこともよかったのではないか、とのこと。

灯台もと暮らしの鳥井さんも、あくまで決めるのはEVERY DENIMの二人だというベースがありつつ、参加者と共に考えるきっかけをつくり、深めるための場としてサロンを活用したとおっしゃっていました。

人が集まった時、意見を「拡散」させていくことは簡単です。

一定数の人を集めてブレストすれば、あれもいいよね、こうするのも楽しそう、とあちこちに話題が発展し、わくわくする時間をつくることができます。

しかし、そこから実現に向けて「収束」させるためには、プロの知見が必要になるのです。

このテーマについては、佐々木俊尚さんも「集合知でものは作れない」というお話をしてくださいました。

例えば政治においても、完全に直接民主主義だけで進めようとすることは不可能で、政治に精通したプロである政治家が舵取りをする必要がある。

ただし、その過程で「声が見えるようにすること」が大事なのだとおっしゃっていました。

ものづくりの過程でも、生活者からの声を見える化し、フィードバックによってものづくりが進んでいく様子を見せることが、これからのブランドに求められることなのかもしれません。

無印良品のアイデアパークなどは、まさにお客様からのフィードバックを可視化した仕組みの最たるもので、ここから生まれたヒット商品は数しれません。

それもすべて採用するわけではなく、無印良品のブランドイメージや理念にあわせて情報を取捨選択しているからこそ、クオリティの高いものに仕上がっているのだと思います。

せっかくもらった声に「NO」と言うのは勇気がいるものですが、自分たちの軸をもって必要なものを取捨選択する姿勢こそが、共創の成否をわけるのだなと改めて感じました。

重要なのは、「熾火(おきび)」をつくること。

もうひとつ、今回のトークで勉強になったのは「熾火(おきび)」という考え方です。

EVERY DENIMの山脇さんが「イベントはその一瞬盛り上がるけれど、なかなか継続的な関係につながりづらい。今回はオンラインサロンがあったことで、イベント後もゆるくつながりつづけることができた」というお話をされた際、佐々木さんが焚き火に例えてイベントとサロンの関係について説明してくださいました。

焚き火は素人がやるとどんどん薪をくべるので、一気に燃えてすぐに燃え尽きてしまいます。
それに対して玄人の場合は、薪をいれる=空気をいれることと捉え、火の加減を見て少しずつ足していくので、細く長く続くのだそうです。

そうした焚き火の燃え殻を「熾火(おきび)」というのですが、この熾火こそが焚き火の真髄であり、それはイベントやコミュニティ、メディアなどすべてのものに繋がる考え方だとおっしゃっていました。

昔から「ハレとケ」と言いますが、イベントやバズる記事はあくまで「ハレ」であり、その場やメディアの真の価値は「ケ」、つまり日常の中でじわじわと感じられるものなのではないか、と。

私も自分のnoteに関して、記事のPVよりフォロワー数やいいね数を重視してきたので、この考え方には深く賛同しました。

まずは熾火となる「場」をつくり、そこに火を起こすための着火剤としてイベントを絡めたり、拡散を狙った記事を投下していく。

あくまで目的は日常の「場」の熱量をじわじわ高めていくことであり、瞬間風速的な盛り上がりを定着させられるかどうかは、日頃の場づくりにかかっていると思うのです。

これからコミュニティを運営する際には、熾火を意識しながら、細く長く場づくりを考えていきたいと思います。

EVERY DENIMの新作も試着してきました!

当日は、EVERY DENIMの新作も試着できました!

写真のとおり、まるでチノパンのような見た目で、普段デニムを履かない人でも普段使いしやすいつくりでした。

私は普段スカートが多いのでデニムパンツを持っていないのですが、春のお花見や夏のBBQなど、アウトドアイベントのたびにデニムがほしいと思いつつ、イベントのためだけに買うのも…と躊躇してきました。

しかし、このEVERY DENIMの新作なら普段使いもしやすそうで、フォルムがゆるっとしているので動きやすく、生活が安定したら必ず買おう!と心に誓いました。(生活が安定しないフリーランスの卵の悲しさ…笑)

EVERY DENIMのお二人は、お話を聞いていても本当にデニム愛が深く、お二人から買ったものは大切にしたいなと思わせる雰囲気があります。

今後は購入者だけ集めたパーティーなども企画されているらしく、まさにこの記事でも書いた「秘密の社交場」を作ろうとされているようで、とても注目しているブランドです。

これから一緒にイベントなどやりたいね、という話をしているので、ぜひぜひお楽しみに!

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最所あさみ

Retail Futurist / curator。「知性ある消費を作る」をミッションに掲げています。 将来は世界一の店舗メディアを作る予定。noteの有料マガジン「余談的小売文化論」とコミュニティマガジン「消費文化総研」もよろしくどうぞ!

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ショップは、ただモノを"売る"だけの場所ではなくて。そしてお客様は"買ってくれる"だけの相手でもなくて。明日がくるのが楽しみになるような、そんなショップがそこら中にある世界について考えたことを書いていきます。 (photo by tomoko morishige)
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