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ウェディングドレスについて思うこと

まわりにプレ花嫁が増えてきて、まるで呪文かのようなウェディングドレスのブランド名をたくさん耳にするようになりました。

そういえば、ウェディグドレスのブランドを聞かれてもひとつも思い浮かばない…!

かろうじてジルスチュアートにウェディングラインがあったなと思い出す程度です。

それくらい、ウェディングドレスというのは特殊な世界なんだなあと思います。

女子会で「あのドレス着た?」「やっぱあそこのはかわいいけど高いよね〜!」と楽しそうに話す友人たちを見るたびに思うのは、この認知度とロイヤリティをたった半年から1年で手放してしまうのはもったいないよなあ、ということ。

結婚式の準備はだいたい半年から1年前に開始する人が多く、式場が決まったらそこから数ヶ月かけてウェディングドレスを吟味します。
(式場によって提携しているブランドが異なり、式場が決まらないと正式にドレスは決められないのだそう。最近無駄に詳しくなりました。)

それまでひとつもドレスブランドなんて知らなかった女性たちが、ゼクシィを筆頭にウェディング雑誌を読み漁り、今ならインスタで調べ、友人と情報交換し、あっというまにドレスブランドに詳しくなります。

気に入ったドレスを見つけても、式場によってはレンタルできなかったり、地方でしか着用できなかったり、気に入ったものを見つけて試着するだけでもそれはそれは大変なのだそうです。

そうして苦労して決めたドレスに対する思い入れはひとしおでしょうし、オプションとして自分が着たドレスのミニチュア版をまとったバービー人形が購入できるサービスもあるとのこと。

でもそうまでして育てたブランドロイヤリティも、結婚式が終わると同時に関係は終わってしまう。

ここが、私がすごくもったいないなと感じる部分です。

ウェディングドレスは、一般的なブランドで言えばメゾンブランドのコレクションに匹敵する存在だと思います。

ブランドとしてのスタイルを提案し、憧れを醸成する。

そしてそこで醸成されたブランド力をテコにして、コレクションを日常着に落とし込んだプレタポルテやセカンドラインを購入してもらう。

これをウェディングドレスに当てはめて考えると、例えば入学式や冠婚葬祭で使える上品なスーツやワンピースがセカンドラインにあたります。

結婚式というのは、女性にとって特別な思い入れのあるイベントですし、それ以降の大切なイベントで着るものも、ウェディングドレスのブランドで揃えたいという人は意外と多いんじゃないかと思います。

実際にプレ花嫁たちに聞いてみたところ、やはりそんなブランドは今のところないようで、どこかこの分野に参入しないのかなーと個人的に関心をもっています。

とはいえ、私レベルで思いつくようなことはみんな思いついているはずなので、長年実現していないということは、ビジネス構造上のボトルネックがなにかしらあるはず。

恐らく、ドレスブランドはどこも式場と紐付いているので、リアルクローズまで手を出すメリットがないという判断なのだと思いますが、最近は式場も結婚記念日にディナーをプレゼントするといったことをはじめているので、そろそろドレスのセカンドラインも登場するかも…?と思っています。

もうひとつの可能性としては、百貨店のブライダル部門がドレスのプライベートブランドを立ち上げ→セカンドラインも立ち上げて、婦人服売場で展開という流れもありえるように思います。

逆に、ファッションブランドがウェディングラインに参入する方が、構造的にはやりやすいのかもしれません。

これから洋服を売る上で「体験価値」がますます重要になっていく中で、結婚式という人生最高の体験を生かすやり方はいろいろ考えられそうだなと思うので、引き続き考察を深めていきたいと思います。

***

【余談】
今日の表紙画像は、「ウェディング」のテーマに合わせて白のあじさいをチョイス。
6月のイメージにも合うし、白の紫陽花の花言葉は「寛容」らしいので、もっと結婚式で使われてもいいんじゃないかなーと個人的に思っています。

(Photo by tomoko morishige)

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