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都会の美術館

都会の空は狭いとよくいうが、東京駅に降り立つとまわりを見渡すと所狭しにビルが並んでいる。それなりに高いビルが多い。東京駅近郊のお店やビルを探すときにまるで迷路に迷ったかの感覚に毎回陥る。

そんな苦手な東京駅前でアート空間を打ち出すとある建物"アーティゾン美術館"に初めて訪れた。少し前までは"ブリヂストン美術館"という名前で親しまれていた私立美術館だ。

なんとなく都内の美術館が苦手で、地方の美術館に魅力を感じるわたしだがアーティゾン美術館はどことなく好みな空間だった。1階の入り口はオフィスのような雰囲気。チケットは事前予約制のネット決済でQRコードを読み込ませてスムーズな入場。美術館の入り口は、6階からとエレベーターに案内される。

展示は、4階〜6階の3フロア。美術館でよくある展示室ごとにチケットを見せる(半券を切る)などのやり取りもなく1度6階にあがれば、3フロアの出入りは自由。とても見やすかった。

展示フロアを抜けると、展望スペースや廊下からも都会らしい景色を眺めることができる。思わず、また行きたいなぁと思う空間だった。ちなみに入場料は、大学生までが無料。大人料金のみの設定だ。平日の朝に訪れたので、修学旅行生がたくさんいた。土日は子ども連れが多い空間なのだろうか。


最近訪れた美術館でもう一つ新しい形だなぁと思ったのが石川県の"KAMU kanazawa"。オープンしたてのときに一度、桑田 卓郎さんとステファニー・クエールの作品を見に訪れた。レアンドロ・エルリッヒの作品は設営の最中だった。随分タイトなスペースにオープンしたんだなぁと思いながらもちょっと都会っぽさも感じる不思議な空間だった。

あれから、2年半。あっという間にアートスペースは拡大し6ヶ所になっていた。チケットは1日券・2日券・3日券と分かれており、まるでディズニーの1dayパス 2dayパスかのような不思議な設定。スタートは、最初にオープンしたスペース"KAMU Center"からのみ。券売機でチケットを購入すると、地図を渡されてスタートする。

6ヶ所のスペースはわりと離れており、お薦めとしてはある程度時間に余裕を持たせて回るのがおすすめだ。KAMU Centerを除き、1スペース1作品なので迷わず巡れば1時間ほどで見終える。が、近くを散策しながらの2〜3時間コースがおすすめ。

地方美術館は、こんなにも土地を贅沢に!なタイプが多いのだが"KAMU kanazawa"は真逆だ。金沢らしいといえばらしいなのだが、街歩き型美術館。どのスペースも街中に溶け込んでいるのでちょっと不親切さもあるのだがこれが金沢観光の楽しさにも繋がっているのだろうかと思いつつ。これも、新しい美術館の形だなと感じた。


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