なんだかんだで春。
去年の今頃はヨーロッパツアーを終え、
若干肌寒い大阪に帰ってきたばかりで
ドロドロのジャケットを
アムステルダムの空港に捨ててきた事を
少し後悔し始めてた頃だと思う…

僕は写真を撮りはじめてから
春になると同じ場所に足を運ぶ癖がある。
今年はどこに行くかまだきめていないが
去年は難波で酒をのみまくり…
一昨年は西成を自転車で徘徊していた。

街をふらふらしてると
新しい服をきてる人達がチラついて見える。
その裏側では、
いつもその場所にいるNPC、
ツッコむ間もない光りもん、
紙一重の妖怪、
春は撮る事が難しい出来事に
遭遇できることが多い。

今回も"盗街者"の写真の中から
2人目の"姫"に遭遇した断片的な記憶の話…

去年の春、
僕は相変わらず難波で酒を飲みくさっていた。

この頃の僕のマイブームは、
亀甲縛りの練習がしたくて、道ですれ違う姫に、もし時間があったら縛らしてくれん？
と声をかけることだった。
そんなことを許してくれる
姫はおるわけもなく、
亀甲縛り以外やったら
まぁ〜と返事をもらうこともあったが、
僕は"亀甲縛り"と言いたくて
めげずに声をかけ遊んでいた。

惨敗が続く連日。
なんだかんだで春も終わりに近づき、
その日も夜通し飲んでいて
若干暑く感じてきた朝方。
シメのラーメンでも食うかと
コンビニで湯を入れながら
道で亀甲縛りをすることを諦めかけていた。
周りを見渡すと少し離れたところで
ラーメンを食べている姫を発見。
どうせなら横で一緒に食べようかと思い
声をかけてみた。

姫の名前と年齢は忘れてしまった。
職業はSM嬢のM専。
首についている根性焼きの跡の事、
SMについての仕事の話、
姫の話は社会勉強になる。
ラーメンも食い終わりタバコも吸い終わる頃、
姫に亀甲縛りの練習をさせてもらえるか
聞いてみると、まさかのOKをもらった…
僕はすぐにコンビニでビニール紐を買い
姫のアドバイスを聞ききつつ縛る練習し、
写真を撮らせてもらった。

姫は最高の笑顔をくれた…
僕の縛り方に対して
まあええやんくらいの事を言ってくれた。
僕はアドバイスをうけながら
縛っていた訳だが、途中である事に気づき、
姫にさりげなく聞いてみると
ノーパンだったのである。
僕もノーパンだったことを伝え
謎の運命を感じた。笑

またどこかで会う時までに
エセ亀甲縛りを練習して
いつか姫に挑もうと思う。

つづく