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#140 やったことInputよりも、提供した価値Outputを評価する 24/4/14

みなさん、こんにちは。
今日は、人事考課において何を評価するのか、を考えます。

採用面接、従業員の人事考課、タレントマネジメントレビューなど、人材を評価する(この表現は使いたくありませんが便宜上ご容赦ください)場面をとおして感じる問題意識を考察してみます。

まずその前に、システム思考の考え方を使います。
システムを作る≒情報処理の、基礎の基礎の考え方です。
Input(入力)→Process(処理)→Output(出力)、です。

仕事に置き換えると、たとえばわたしのような間接部門は、
Input(従業員の声)→Process(関係者調整と企画)→Output(施策化)
Input(経営ニーズ)→Process(課題解決実行)→Output(成果・ES)

キャリア(転職)に置き換えると、
Input(現在の経験)→Process(経験抽象化・棚卸)→Output(職歴書更新)

イメージ掴めたでしょうか。その上で、話を戻します。

採用面接をしたとき、面接官が評価結果を面接履歴として残します。そのログをみてみると、80%以上の評価者は、応募者の仕事経験で、やってきたタスク、業務内容を確認しているにとどまっています。中でも問題なのは、半分くらいの面接官が、職務経歴書に記載されていることの、文字どおり「確認」をしている質疑応答にしてしまっていることです。

なお、わたしたち採用担当が面接後のフィードバックを面接官に取りに行くと、やはり職歴書の情報確認をしていたにすぎないケースが半分以上あります。

たとえば、法人営業を5年経験しています。機械部品製造業の会社、担当20社、新規2割・既存8割、目標と実績はこうでした、と職務経歴書に記述されている内容をひととおりおさらいして確認したのみ、だったことが半分以上あります。

つまり、応募者が業務として「やったこと・やってきたこと(Done)」を列挙しているところで留まってしまっています。

システム思考に置き換えると、その応募者の業務経験として、ある業務のプロセスにおいて「やったこと(のあること)」がある、を確認したことに留まります。そしてそれは、採用判断するためのインプット情報が「やったこと」で評価することを意味します。

ですから、その業務による成果や、応募者の職務経験としての学びがどうだったのか、はわかりません。本来、採用判断するための意味あるインプット情報になっていないことがわかると思います。

あるいは、採用判断のアウトプットを出すための、プロセス情報として、「やったこと」だけではできかねることが想像に難くないことがわかります。

なぜなら、2人の応募者がいて同じ「法人営業」をやったこととするならば、その程度感、力量はわからず、法人営業経験=やったことがあるから合格・採用する、の判断になってしまうからです。

ですが、このようなことが、人事考課、採用面接、タレントレビューの人材を評価するシーンにおいて、平気でまかり通っていることが往々にしてあります。

さて、みなさんの会社では、評価する情報は適切になっていますか。
それでは、また。

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