もう何処へも行けない

つい先日、「日本辺境論」を読んだのだけど、なるほど…と納得することが多かった。

何でこんなに「海外から見た日本」的視点のテレビ番組が多いのか。
まるで、日本国民という集合体がアイデンティティクライシスに陥ってるみたいに。

どうして日常的に政治の話をするのがタブーなのか。
国会は批判ばかりで建設的な議論がされないのか。

そして何より、「皆と同じ」であることや「空気を読むこと」がこんなにも重要視されるのか。

10年以上前の本だけど、コロナ禍でも問題になってる「同調圧力」とか「自粛警察」に通じる日本人の特性が論じられていて、興味深かった。

きっと、この国がどんどん生きづらくなってると思ってる人は多い。
多いのに、何をどう変えればいいか、分からない。

誰かに優しくすることよりも、傷付かないように、自分を守ることに精一杯だ。
そう、皆精一杯なんだ。

余裕がなければ、誰かに手を差し伸べることだって出来ない。
そうするべきだって、分かってても。
今日を無事に生き抜くことが、何よりも大事なんだから。

残念ながら、私は今そういう国で生きてる。
そして多分、どの国に行っても、状況はあまり変わらないだろう。
日本人である以上は。
私に日本人のメンタリティが染み付いてる以上は。
私はもう何処へも行けない。

それを受け入れて、何を求め見出すのか。

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