はじまりの孤独。

15ヵ月住んだ三軒茶屋から、新しい拠点に引っ越しをした。

行き慣れたはずの街なのに、住みはじめると今までと違った表情をしてくる。東京はほんとうにツンデレな街だと思う。

***

大学に入って独り暮らしをはじめてから、何度もこれまで拠点を変えてきた。

拠点が変わる度に、その初日は心がざわざわする。今日も夜になって、やっとゆっくりとご飯を食べられた。

ベッドをつくるところからいつもはじまり、ときどき休みながら荷ほどきをする。どこに何を置いてもしっくりこない。自分の定位置もみつからない。

家のまわりにはどんな建物があって、近道はどこで、どんなお店があるのかを全身で感じながら歩く。景色を意識していないとまだ家にも帰れない。でもきっと、すぐに慣れて無意識でも玄関につくようになるから、ちょっと忘れるのがもったいない感覚でもある。

関西だろうと、
関東だろうと、
海外だろうと、変わりはない。
何度もこの感覚を味わってきた。

***

環境が変われば人が変わるというほど、環境の変化は影響が大きい。これまで拠点を変えたタイミングはすべて、人生のターニングポイントでもあった。


2019年春までに、引っ越すことは決めていた。


それは独立して丸2年経ったいま、環境をかえることが必要だと思ったからでもある。私の直観であり、自分にとって次にいくために必要な判断だ。


そして当たり前にあったものは、離れると途端に恋しくなる。


三軒茶屋に初めて降り立った日。あれから幾度となく前を通り気になっていたニューマルコというお店には、結局一度も行くことはなかった。それでもなぜか、前を通るだけでほっとさせてくれた不思議な場所だった。

***

拠点を変えた初日は落ち着かない。
とても孤独だ。

でも、
新しいはじまりに孤独はつきものだと思う。


孤独がはじまるんじゃない。
はじまりがいつも、孤独なだけだ。

サポートすっごく嬉しいです、元気出ます(´;ω;`)ありがとうございます!