母88歳の生命力

今年の初め母は熱が続き入院することになった。
原因はお尻の褥瘡と目に見えない部分が化膿してたため。
二週間以上入院してやっと退院出来た。

その時の母の状態は最悪だった。
虚ろな目とお尻の痛さのためかリクライニング出来る車椅子に
楽な姿勢で座らせようにもずるずると下がっていってしまう。
母は老人ホームで暮らしているため、退院後老人ホームへ。
老人ホームのスタッフの方々と今後のケアの打ち合わせをしていた時
母に付き付き添ってた看護師さんが傷の具合を見て絶句。
傷口の写メを打ち合わせに参加して見せてもらった。

こんな状態で退院したのか。。

病院側としてはこれ以上酷くならず
あとは回復するだけだから退院の判断をしたのだろう。
今ならそう思えるのだが、その時はそう思えず
老人ホームのケアマネージャーさんから看取り介護を視野にしましょうかと
相談されるほどだった。
そのくらい母の状態は悪かった。
わたしも覚悟した。

コロナ対策のため、面会は一階のフロアーでしか出来ない。
母は移動するにも体の負担がかかると判断され、面会は出来なくなった。

その後しばらく経った頃。
特別母の部屋に入ることができた。
ベッドに傷口が直接当たらないよう工夫して横たわっていた母。
横たわって食事をするため吞み込みに時間がかかるようになったとはいえ
元気そうだった。

それから一週間が過ぎ、ある検査のために別の病院へ行くため付き添う。
母は見るからに元気を取り戻していた。
始めは大人しく車椅子に座っていたが
(以前は椅子に座る態勢も傷が痛むから出来なかったのに!)
途中から椅子の手すりをしっかりつかみ起き上がろうと何度も何度もする。
実際は立ち上がることは出来ないけど、何度も身体を起こそうとする。
退院した時とは打って変わっていた。
認知症があるので会話はまともには出来ないけど、退院した時は
何かしゃべるということは全く出来なかったが
その日は内容は読み取れなかったけど、何か喋ることができるようになるまで回復していた。
傷口も徐々にではあるがずいぶん良くなっているらしい。

わたしの覚悟はもう少し先になりそうだ。

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